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僕の青春(仮)  作者: しらたま
第二章 僕の体育祭
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第十四話 恥ずかしくてうまく素直になれない。

生徒は各クラスに戻り、帰りのホームルームを行っていた。

体育祭の余韻が残っているからかどの教室も騒がしい。

周りが騒がしい時ほど、僕は静かになる気がした。

多分どうしてればいいか、わからないだけだと思う。


「最後の走りほんとかっこよかったよ!」

「まじでそう!しびれた〜」


あまり喋ったことのない同じクラスの瀬川さんたちが話しかけてきた。

正直僕は反応に困った。注目を浴びることに不慣れだからだ。

決して嫌ではない。むしろ少し嬉しかった。


「朝はバタバタしてたけど、やる時はやるんだよねー!」


今泉さんが会話に入ってきた。

同じクラスの瀬川さんがポカンとしている。。


「朝?」

「それはいいのいいの。解決したことだし。」


僕は話を深掘りされないうちに流した。


「へーー。ま、今日はMVPだね」

「なんだよ急に」


今泉さんが僕を褒めた。

瀬川さんたちが変な質問をしてきた。


「梵って今泉さんとよく喋ってるよね?仲良いの?」

「確かに」

「もしかしてそんな感じ?」


なんか話が変な方向に進んだ。


「何言ってんの。梵は幼稚園から一緒なだけだよ」

「へーー」

「何その顔。」

「別に〜」


瀬川さんが今泉さんを揶揄っているのを他人事のように見ていたがこのやり取り何か見覚えがあるような。


「梵くんはそう思ってないかもしれないじゃん、ねー」

「え、僕?」


急に僕に振られ、言葉に詰まった。最適な言葉が瞬時に思いつかなかった。


「ほら、席につけー。帰りのホームルーム始めるぞー」


ちょうど、月島先生が入ってきて助かった。


「まずは、おめでとう。みんな、よく頑張りました。渡辺も今日ぐらい普段も頑張ってくださいね。」


みんなが笑っている。


「それから梵」


急な名指しにビクっとした。またもや心臓に悪い。


「最後の走り、素晴らしかったと思います。B組が一位と決まった時の、みんなの笑顔と団結感が今後の人生でも大事な思い出になると思います。非常に良い体育祭だったと先生も思います。お疲れ様です。みんなの勝利に拍手。」


パチパチパチ。


みんなでお互いを讃えあった。何人かは僕に向けて拍手してくれた。

やっとクラスの一員になった気がした。

遅すぎかな。


「来週末から夏休みです。あと一週間気を引き締めて一学期を終えましょう。はい、日直お願いします。」


「起立、気をつけ、礼」

「ありがとうございました。」


わちゃわちゃしながら皆、帰りの準備をしている。


「バイーバイ!」

「お疲れー」


みんなが帰っていく。なんか体育祭が徐々に終わっていく感じが少し寂しくて珍しく教室に残ってぼんやりしていた。


「余韻かな?帰んないの?」

「いや帰るけど」

「なんか来週から普通に学校だと思うと寂しいよね」


僕の気持ちを今泉さんが言葉にしてくれた。

時間や感情を共感って嬉しいものなんだなと実感した。


「わかる。この団結は消えちゃうのかなって」

「梵、寂しいの?」

「べ、別に」


せっかく感傷に浸っていたのに急に恥ずかしくなってしまった僕はそそくさと帰りの準備をしだす。


「よし、帰る。」

「ちょっと怒んないでよー」

「怒ってないけどー」

「けど何?」


僕は人に自分の気持ちを伝えたいのにいざ知られると恥ずかしくてうまく素直になれない。全く怒っているわけじゃない。


僕はスタスタと歩き正門に向かう。


「待ってよ。怒りん坊〜たまには一緒に帰ろ〜よ〜」


今泉さんが小走りで追いかけてくる。


「別に怒ってないし、瀬川さんたちはいいの?」

「なんかバレー部の先輩のとこに話に行っちゃった。」


2人は正門に着く。


「じゃ、僕右だから」

「いや左だろ。同じ方面でしょ。てか梵の家にも行ったことあるし。」


そうだった。小学校の時に何回かきてたな。

結局一緒に帰ることになった。

別に一緒に帰ること自体はいい。でも誰かに見られると今泉さんが後で困るかなと思っただけだ。

さっきみたいに。


「いやー中学の体育祭はすごかったねー」

「本格的でビビった。来年は僕も応援団やりたいかも」

「えーそうなん?意外だわ。クラス同じだといいね〜」

「同じなら小学校から8年連続だな。」

「確かに!すご!」


他愛無い会話をしていると一年女子の集団が自販機の前でたむろしている。

嫌な予感がする。なんだか絶妙に気まずい。


「あっ、さきたちじゃん!」


つづく

ここまで読んでいただきありがとうございます。

帰り道っていろんな思い出がありますよね。

私は学校帰りに買い食いしてるのを先生に見つかって怒られたりしました。

今後もよろしくお願いします。

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