七話 階段を突破します
七話 階段を突破します
階段を登るのは小人達にとって大変なんだと要は思った。そういう意味ではアックス達のほうが有利である。だがエクスカリパーには秘密兵器があった。
「壁走り?」
「重力制御で不安定な場所でも歩ける」
エクスカリパーは草履をサイズに見せびらかした。
「あんたのしかないの?」
「高いんだぞ。私はただの未亡人だからな」
「じゃあ、抱っこ」
サイズは媚びるように両手を広げた。
エクスカリパーは笑顔で手を広げ、ハグ。背中に回された刀が痛そうで、布で隠されカメラが見えなくなり、痛みに耐えるサイズの声だけがする。
エクスカリパーは一旦離れて、サイズをお姫様抱っこした。これなら映像も見えるし、苦しそうではない。階段の横を上がって行き、アックスと同じように壁に九十度で立った。エクスカリパーはそのまま登っていく。
「さ、来なさい」
登り切った後、エクスカリパーはエスパーダに言った。
「えーっ。私も運んでよ」
「お前は抱っこしたくない」
「おんぶで良いから。じゃないと人間に見つかるよ」
舌打ちが聞こえる。
そしてエクスカリパーは壁を駆け下り、しゃがんで背中をエスパーダに向ける。上からサイズが見ているので、要も確認出来た。
エスパーダはエクスカリパーに覆い被さり、運んでもらう。
カメラに映るエスパーダ達が徐々に大きくなった。
「ねえ、あそこに誰かいるかな?」
サイズが指差した先は食堂だった。




