五話 研究所に忍び込みます
五話 研究所に忍び込みます
車を走らせて、研究所にたどり着いた。位置は昨日想がカーナビに登録してくれたから問題はない。山の中にある五階建ての鉄筋コンクリートの施設だ。
まず、サイズとスミス姉妹との通信がつながるかを確認。要のパソコンにエスパーダ達の姿が映る。この車にはWi-Fiも積んでいて、通信状況も悪くない。
「後は頼むよ」
「任せて」
エスパーダは画面に向かって映画を見せる。そしてスナイパーライフルを手にする。他の小人達もそれぞれの武器を手にする。スミス姉妹はいつぞやのカレー爆弾を手にしていた。あれはおいしかった。また食べたいと要は思う。
車から小人達を下ろして、電話を兎に掛けた。だが兎は電話に出なかった。電話のメロディーが小人達を侵入させる場所を作ってもらう合図にしたのだ。
そして、開けた事を知らせるメッセージが要に来る。
「一階の奥の部屋だって」
それを聞いて、小人達は走り出した。要はドアを閉めて、都に見つからないように移動してもらう。
「近くまで連れてけば良かったんじゃないの?」
「見つかったら、敵が増える。それは避けなくちゃ」
要はパソコン画面に見入る。スマホが体に付けられているのか、テレビで見るアメリカの警察の映像みたいだった。
彼女達が奥の部屋の窓にたどり着くと問題が明らかになった。人間の造った高さのため、小人達には登れないという事だった。
しかしそれはハイマースによって解決した。一人ずつ輸送して、突入した。そんな時でもスミス姉妹はニコイチを主張して、アックスを困らせた。彼女達だけ、サイズのコスプレオプションの投げ縄で吊って引き上げた。
「迷惑かけないでよね」
サイズが偉そうに言うと、スミス姉妹は反撃にカレー爆弾をぶつけた。隠密行動なのに臭いをつけてしまい、みんなからこっぴどく叱られた。先が思いやられる。と画面の端にカレー粉が付いているのを見ながら、要はため息をついた。