三話 車で向かいます
三話 車で向かいます
要と都、エスパーダ達七人の小人を乗せて、出発した。ハトのハイマースは最初暴れたもののエクスカリパーの視線攻撃で動けなくなった。
そこでもエクスカリパーの愚痴が止まらない。
「なんで私ばかり、疲れなくちゃならない」
スミス姉妹がそれを聞きつけ、励ますが、自分達が原因の一つであった事にはノータッチだ。
「お詫びに俺がドライブデートに連れて行くよ」
アックスは軽く誘う。その返事は動けなくする超能力だった。
「なぜ?」
「これから人助けをしようとしているのに軽い。軽すぎる。お前達もだぞ」
注意はアックスだけではなく、スミス姉妹にも向けられていた。
「ちぇー」
「分かったよ」
二人は座席にしがみつきながら不満そうに頷いた。
都のドラテクはまあまあだが、小人達には辛そうだ。足元は埃っぽいし、座席は揺れる。身を寄せ合い、落ちるのを阻止するしかないのだ。ハトが暴れるなんて論外なのだ。
「そういうあんたも要に弁当作ってもらってんじゃん」
エスパーダの指摘にエクスカリパーは黙った。
「弁当? 何の話?」
都が声だけを投げてくる。
「みんなの分のお弁当を作ったんだ」
「私の分は?」
「は?」
「私も食べたい。弁当」
「もう車に乗っているし、俺の分もないんだぞ」
「兎の分はあるよ」
サイズが余計な事を言う。
「ほう、小人だけならまだしも人間に作ってるとはね」
「分かった。コンビニで弁当買ってやるから」
「今、その部分に触れるのは得策じゃないわ。スーパーのほうが良いでしょ。上げぞ……じゃない。安いし」
なぜか都が勝手に折れてくれたので、スーパーで弁当を買う羽目になった。ついでに要も自分の分を買っておこうと思った。




