最終話 探索再開です
最終話 探索再開です
アックス達が戦っている最中、エスパーダ達は食事を終えた。
「能は何階にいたの?」
「五階。黒崎も同じ部屋だから、ストレス溜まっちゃうわ」
黒崎と呼ばれた黒スーツの女は不満を露わにした。
「あなたは我がもの顔でノンストレスじゃないですか。私のカツカレー盗るくらい傍若無人です」
その発言には初対面のエクスカリパーでさえ納得していた。
「ひどい。私、彼と会えてないんだよ。ストレスないわけないじゃん。お義姉様だったら分かるよね?」
あえてエスパーダに同意を求める。分断を狙われている
「私達は離れてても、心は繋がってるから」
人間達にゴールドの指輪を突きつける。能に露骨な舌打ちをされた。
「ともかくスマホを探そう。就や小人さんはその後で」
「それはわがままと言うんじゃ……」
「違うわ! スマホには小人捜しのアプリが入ってんの。おばさま達を捜すのに役立つでしょ」
もっともらしい事を言っているが、スマホが手元に欲しいだけだろう。だが抗うほど強い意見は他にはない。
みんなで能の部屋に行く事に決まった。そこで話題になったのは階段だ。サイズを連れて行くのは良いが、エスパーダはイヤだとエクスカリパーがゴネ出した。
「だったら黒崎に連れてってもらいなよ」
能は運ぶ気はないらしい。
「自分で言うのも何だけど、私が裏切る事は算段に入ってないのか?」
「確かに。カツカレーのせいでお義姉様盗られたらお兄ちゃんに殺されるわ」
能はエスパーダを雑に握った。
「ずるい! 私が能に運んでもらうの!」
そこにサイズの嫉妬再び。
能はニヤニヤしながら、サイズに言った。
「そんなに私が良いのかぁ」
「違う! 黒い人が怖いだけだもん」
「怖い……」
黒崎はダメージを受けているようだ。
「ごめんね。人望の差ってやつ?」
「私、別に能ちゃんじゃなくても……」
「そんな事言わないでよ。これからのために恩を売っておこうって義妹の気持ちも察してよ」
「あまり褒められたものではないな」
「じゃあどうすれば良いのよ」
「サイズを抱えて、そいつも黒崎に預ける。私は大丈夫だ」
「小人の足では置いてかれると思う。エクスカリパーが私と組もう。そうすれば能の野心も、サイズの甘えたも満たされる」
サイズとエスパーダの抗議の声は無視されて、サイズも握られる。合意がなされたのだ。
「カレーがついたぁ!」
「カレー食べたんだからしょうがないでしょ」
ワイワイやりながら、食堂を出て行く。カレー皿は能の分も黒崎が返却していた。それをカメラ越しに確認した要は、能の甘やかしをやめようと心に決めた。




