一話 準備するんです
一話 準備するんです
集まってもらう時に小人達に持って来てもらう物を要は伝えておいた。
一つは武器。戦いに行くのに必要だ。
そしてもう一つはお弁当箱。サイズの提案により、お昼を用意するためだ。
腹が減っては戦は出来ぬという文字通りの意味で採用されたが、エスパーダは予備の弁当箱を一つしか持っていない。それはサイズに使ってもらう事になったので、二つ用意すれば良いと思っていたが、ここでスミス姉妹が自分達も食べさせろとゴネ始め、結局弁当箱があるなら良いという事で落ち着いた。希望者は全員。兎まで要求してくる始末だ。
「お弁当なんて一つ作るのも、二つ作るのも一緒じゃないですか」
「それ、作る人が言うセリフ」
エスパーダがツッコむ。エスパーダは自分が作っていた事もあり、マウント臭がした。
「私だって作ってますよ。エスパーダと違って」
「私だって、要にカレー作った事あるもん」
「あれはみんなで作ったろ」
黒星に注意され、スミス姉妹も同調するように頷いてた。
一気に劣勢になったが、エスパーダは自分が代わりに作るとは言わなかった。
翌日にみんなの弁当箱を受け取り、詰めていく。スミス姉妹の弁当箱は小さく苦労しそうだ。逆に兎の弁当箱は大きすぎて、食材を消費しまくってしまう。なんとか見栄えの良い茶色い弁当が出来た。喜んでくれると良いが。




