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ウィステリア公爵令嬢奮闘記~転生したのは破滅間近の死にゲー世界  作者: 地水火風


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公爵令嬢、ヒーローになる(令嬢視点)

 私は地下室でキザラートに呼ばれるときのために待機してた。と言っても地下室でボーとしていたわけではない。どんな状況で呼ばれるか分からないため準備だけは入念にしておかねばならない。そういうわけで、私はテッセラが集めたマジックアイテムをあさっていた。


「しかし、私が言うのもなんだけど、そこまでかっちり装備をする必要あるのかしら?ユエナ平原のモンスターは雷竜デニュゼストの45レベルが最高よ」


テッセラが呆れたように言う。


「良いじゃない。装備しておいて損になる訳じゃないんだし。今回は分かりやすく力を見せつけるんだから、派手にやりたいわ」


「まあ、それは分かるけど……一体今どれぐらいになったの?」


「そうねぇ」


 私はそういって装備品を確かめ始める。服は破滅の女神のドレス。禍々しい名前だが、白を基調とした生地に青と銀で幾何学的な刺繡が施されている美しいドレスだ。同じく破滅の女神のカチューシャ。こちらは夜空の色の様な半円のカチューシャに星のように小さな宝石がちりばめられているものだ。軽装で美しいセットだが防御力は馬鹿にできない。なにも着ていないときの防御力、基本防御力が50%も上がる。低レベルでは恩恵が少ないが、私のレベルになると下手な魔法のフルプレートよりも防御力が上がる。更に攻撃力は破滅の女神の名にふさわしく合わせて+200%だ。欠点としてはドレスなのに力と体力と抵抗力がそれぞれ100を1点下回るごとに、魅力が2点下がることだろうか。魅力が低くなるとヘイトがたまりやすくなり、0になったらあらゆるものが敵対行動をとるが、私にはそのペナルティは関係ない。本当なら防御力ピカイチの古代重戦士の鎧が好みなのだが、救援に入った時の見かけが良くない。やはり一目で私とわかり、尚且つ余り重装備に見えない物がふさわしい。これがメイン装備で後はブレスレット、ネックレス、リングなどをはめている。


「ざっと言って魔法攻撃力+400%、物理攻撃力+200%、防御力+100%といったところかしら。もちろん固定ダメージの部分もあるし、相手の防御力もあるけど、もうヘルハウンドごときには遅れは取らないわ」


 私は少し胸を張る。


「それはそうでしょう。身に着けているものはマジックアイテムというより、神具だもの。それも祭事に使うものじゃなく、文字通り本当に古代の神々が使用した……」


 テッセラはますます呆れたように言う。


「ア、アイテムだけじゃないのよ。ほら、私ってMPが豊富じゃない。ならば、MPの消費効率が悪くても一発の威力が高い方が良いと思うのよね。だからいくつか高威力の魔法も開発したわ」


「え、はあ、ふーん」


 テッセラの反応が悪い。おかしい。凄いと褒めてくれると思ったのに。最近少しだがホムンクルスと私に性格の差が出ているような気がする。やはりもう誕生させてから2年半以上が過ぎたからだろうか、思春期の2年半は大きい。


 私はおもむろに手を掲げて、わざと呪文を言って魔法を放つ


「ターイラー・ターザンメ・ウォウアリフ……」


「ちょ、それティル〇ウェイトの呪文!」


 今まで反応が薄かったテッセラが驚きの声を上げる。しかしそれは目の前でポンというだけのほんの小さな爆発しか起こさなかった。


「ふふっ、ちょっとびっくりした?この魔法ってさ、核爆発じゃない。基本的に魔法は具体的なイメージをした方が威力が増すから、水素原子からヘリウムが出来るイメージを浮かべたんだけど、ちゃんと計算してみたらまともな威力を出すには想像もできないぐらいの原子の数が必要だったの。これに関しては単純に爆発のイメージをした方が良いみたい」


 逆を言えば、もし想像できればツァーリー・ボンバー並の爆発を起こすことも不可能ではない。


「脅かさないでよ、もう……」


 テッセラがちょっとふくれっ面をする。うん、良い反応だ。

 

 そんな事をやっていると、キザラートに渡したアイテムが砕けた反応があった。あのマジックアイテムは、基本的には好きな場所にセーブポイントを設置できるというものである。もちろん結界に阻まれた場所など設置できない例外はある。具体的な例を言えば公爵家の宝物庫だろうか。そして私は他人の設置したセーブポイントにも転移できる。


「渡したアイテムが使われたみたい。じゃあ、ちょっと行ってくるわね」


「あんまり調子に乗らないようにね」


 テッセラから注意を受けつつ私はアイテムが使われた場所に転移する。するとキザラートたちは洞窟の中で、ヒュドラとドラゴンに挟まれていた。


「随分とピンチに陥ってますのね。うーん、逆を言うとこれぐらいでないと、ピンチじゃなかったのかしら。それはそれで頼もしいですわね」


 私が前世を思い出したばかりの頃だったら、絶望的な気分にさせられただろう。よくこんな状況になるまで、自分達で何とかしようとしたなあと感心する。やはりぜひとも味方にしたい。


「先ずはヒュドラから倒しましょうか。ドラゴンの方は少し其方にお任せして良いかしら。この防御結界は強力だけど、こちらからも攻撃できないの。なので消しますね」


 そういって結界を出し、早速新しい魔法を使ってみる。ファイヤーアローの強化版で、思いっきり魔力をつぎ込み矢を大きくしたものだ。ヒュドラは火に弱い。ステータスを見るとレベル35だが多分一撃で倒せるはずだ。私は9本の破城槌の様な矢を作り出すと、ヒュドラの首に向けて解き放った。矢は狙い違わずヒュドラの首にあたって爆散する。ちょっと自分でも驚きの威力だ。


「また、オーバーキルかしら?最大まで溜める必要はなかったかなぁ。まあ、生き残るより良いか」


 私はそう呟く。取れる素材が少なくなってしまった。35レベルのヒュドラの数は多くないためちょっと残念だ。

 次は洞窟前にたむろしているドラゴンである。代わる代わる交代し、絶え間なくブレスを浴びせかけている。それに対して私は荷電粒子砲をイメージしたビームを浴びせる。SFでよく出てくる宇宙戦艦が放つやつだ。MPが見る見るうちに減っていく。適当なところで止めると、洞窟は円形の通路になっていた。その先には瀕死のドラゴン3体とそれを庇うようにしている、3体のドラゴンがいた。一撃で殺せると思ったのに、今回は少し威力が足りなかったらしい。多分雷系の攻撃だったからだろう。目の前のドラゴンはサンダードラゴン、つまり雷竜に属する系統のドラゴンで、雷系統の攻撃には非常に高い防御力を持っている。

 私は防御膜を体に纏い、通路を抜けると、無傷の3体に向かって光りの矢を浴びせる。これは一本一本の威力は低いが多くの敵を倒すときに都合がいい魔法だ。この場にはそぐわない魔法である。案の定ボロボロになったとはいえ、ドラゴンを倒すことは叶わなかった。

 6体はドラゴンだというのに、脱兎のごとく逃げ出す。取りあえず1体の死体があれば用はすむ。私は一番レベルの高い40レベルのドラゴンにウィンドカッターを飛ばす。幾ら40レベルといえども瀕死の状態では簡単に首を刎ねる事が出来る。

 私は振り返り、皆の唖然とした表情を見る。この表情を見る限り、私の力をみせつけるという目的は達成されたらしい。私は満足した。





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