第5話 再開?
第5話です。
目が覚めた。少し、ぼーっとする。
頭を振ると、あることに気づく。
廃墟の中なのは分かる。
空も無事だ。よだれ垂らしながら寝ているが。
だが一人多い。
「起きたかい」
「誰だ? 出てこい」
「別に、隠れているつもりじゃないから今行くよ」
出てきた男は、俺よりもガタイがデカい大男だった。
だが見たことがある。
「確か、佐津間 仁だったか」
「そうだよ。覚えてる?」
もちろん覚えてる。
佐津間 仁。警察官で俺と空の知り合いだ。
俺は一時期、少年院に入っていたが事情を知っていてたびたび様子を見に来てくれたのがこいつだ。
金髪で警官服が似合わない男だ。
実を言うとこいつの事は信用できない。
何かを隠しているし、空も疑っている。
俺だけならまだしも空が疑うってことは何かある。
「それで何でここにいるんだ?」
「空君が走っているところに、偶然僕がーー」
「嘘だろ。お前からはやばいオーラが見える。俺達の事、信頼してないから何時でも戦えるようにスイッチ入れてる感じだ」
優しい笑顔が邪悪に変わる。
「よくわかったね。何かのスキルかい」
「まぁな。でも殺さないのには訳があるんだろ。話せよ」
「相変わらず、生意気だね。君は。まぁいい。話すよ」
「ああ。空が起きる前に頼むぞ」
呆れた顔をする。
「分かってるよ。そっちも相変わらずだね。協力してほしいことがある」
「内容による」
「分かってるよ。単刀直入に言うと犯罪者を皆殺しにしたい」
顔を確認するがふざけてるようには見えない。
「何で? 捕まえるんではなく殺したいのか。教えろ」
「単純だよ。今の、警察は機能していない。犯罪者たちがたくさん逃げたんだ」
嘘はついていないがほんとのことも言っていないっぽいな。
「分かった」
嬉しそうに笑う。
「じゃあーー」
「嫌に決まってんだろ。バーカ。誰がやるかよ」
「何で? 君も母親のせいで人生狂わされたのに」
確かに。俺は中学の時、弟に暴力をふるっている母親を殺して少年院にいた。
だが殺してよかったと思ってるし、後悔は微塵もない。
だけど犯罪者を殺しても、メリットは無いし、相手がスキルを持っていたらこっちがきつい。
そんなリスク選ぶわけないだろ。
空もいるしな。
仁は俺の顔から察したようだった。
「君とは、分かり合えると思ったんだけどな。残念だよ」
「一旦、ここで別れよう。私は先に行くよ」
仁が行った後、空を見ると起きていた。
「今の話、聞いてたか」
「うっす。でも黙ってることにします」
そうか。ならいいか。
とりあえずーー
「スキルを確認しよう」
「うっす。じゃあ開きますね」
「俺が鑑定で見てもいいか?」
「いいっすよ」
レベルが上がって人のLvも見えるようになったみたいだ。
まずは自分から――
『ステータス』
大神 紅郎
『スキル』
鑑定Lv3
短剣術Lv5
回復魔法Lv1
マッピングLv2
アイテムボックスLv2
無詠唱Lv4
恐怖耐性Lv4
瘴気耐性Lv4
『ステータス』
大神 空
『スキル』
身体強化Lv2
体術Lv4
気配察知Lv2
全状態異常耐性Lv2
痛覚耐性Lv1
無詠唱Lv3
恐怖耐性Lv3
「全体的に伸びてるな」
「そうっすね」
ちょっと恥ずかしいのが恐怖耐性のレベルが俺の方が高いのが嫌だ。
俺の方が多くびびったみたいじゃないか。
それと瘴気耐性を習得していない分、全状態異常耐性が上がってる。
だけどレベルは複数防御できる分上がりにくいっぽいな。
「重要な話がある」
「なんすか? 重要は話って」
「俺は、二人分の食用持ってない」
ここで1回終わりにします。次の作品描きます