第4話 最強の魔物
第4話です
道場で空が、学ランに着替えてるのを外から『無詠唱』の説明とスキルの実験をした。
見てるだけじゃ変化が分からないが『鑑定』を通してみるとオーラが見えた。
これは発見だ。もし敵に、バフ系のスキルを使うやつがいたらなんとなく分かる。
確認した感じだとーー
赤、攻撃上昇
青、防御上昇
黄、速度上昇
この3つは分かった。
バフは同時に2つ使うのは無理だった。
その確認が終わり、外に出る。
そこに、魔物達が集まっていた。
全部オークだった。
数は10体いる。
「なんすか。こんなに魔物がたくさん」
「お前、もしかしてうち漏らした?」
「そんなミスはしないっすよ」
そんな話をしていると遠くから、魔物の叫び声がする。
その後、魔物達が俺でも分かるほど驚いた顔とさっきまでの余裕が無くなっているのがすぐに分かった。
油断していたのが分かったので『鑑定』と戦闘準備をする。
『ステータス』
『魔物』
オーク
『スキル』
斧術Lv1
衝撃耐性Lv1
麻痺耐性Lv1
人は無理だったが、魔物は『ステータス』が見えるようになったみたいだ。
「空。こいつらって強い?」
「大丈夫っす。素手で倒せましたし」
スキルなしでもおかしいけど素手で衝撃耐性貫いたのかよ
「お前、人間辞めたの?」
「なんでそんなこと言うんすか? 人間ですって」
ほんとかよ。
「まぁいい。半分は俺がやる。残りは頼んだ」
「おおー。兄貴、超かっこいいです」
「でも、きつくなったら頼むぞ」
「それは、うっす」
『アイテムボックス』を使って包丁を出す。
それを出すと同時に切りつける。
「よっしゃー。やっぱり、包丁ならいけるか」
でも、さすがオーク。体は硬いし、皮膚が厚い。
でも勝てそうだな。
空は大丈夫か心配なので見ると、血まみれで突っ立っている。
足元には死体が転がっている。
「お前、それ何したの?」
もう何度聞いたか分からない。これで辞めよう。
「スキル、便利っすね。めっちゃ弱いっす。それで手伝いましょうか?」
「頼む。頭が痛い」
こいつ、この世界でもしかして最強なのでは。
ゲームだったら主人公だろ。無意識無双かな。
「おっけーです」
「じゃあ、行きますか」
手に白い幕が見える。
おそらく、音魔法か。
それ以外にスキルが思いつかない。
敵を殴ると爆散する。
威力がおかしい。
まぁ純戦闘スキル持ちはやばいのが今、分かった。
いや、こいつだけか。
「終わりました」
『パーティー』
を習得しました。
「あっ。新しいスキルを習得したみたいだな」
「俺も、聞きました。どんなスキルなんすか?」
前のめりで聞いてきた。
「今、確認する。少し待て。後近い」
腕で前に押す。
『パーティー』
『能力』
パーティーを組めるようになり、能力値に少し補正がかかる。
経験値を均等に配分する。貢献度でボーナスがある。
なるほど。仲間と戦うのが取得条件っぽいな。
能力を教えたら大喜びで仲間とつぶやいていた。
「おい。そんなことより、空。あの声の方に行ってみるぞ」
「はいっす」
スキルもレベルが上がったが今は、それどころではない。
あの叫び声で魔物達はかなり委縮してた。
何がいるんだ。
そこは公園だった。
その真ん中にはおぞましいオーラと見た目の生物がいた。
周りには人が死んでいる。
目を向けられないほどたくさん。
見た目は人間の大人くらいの大きさに、褐色の肌。黒い翼。
とりあえず『鑑定』だ。
『ステータス』
エリアボス
『魔人名』
アークデーモン
『スキル』
鑑定不能
(鑑定のレベルが低く、測定できません)
恐る恐る聞く
「空、あれ勝てる」
「無理っす。雰囲気でダメ。あれは人間に勝てるようにできてない」
アークデーモンがこっちを向く。
その瞬間、空が腕を引いて走る。
「おい。お前、なぜ逃げる」
魔物は追いかけてこない。
いや、出られないようだった。
それ以上に喋れる生物が敵にいるのはまずい。
オークと戦っていた時の叫び声。
こいつ魔物と喋れる。
日本語もしゃべっていることから言語系のスキルかもしれない。
『恐怖耐性』
『瘴気耐性』
習得しました。
『恐怖耐性』と『瘴気』のレベルが上がっていく。
頭を使いすぎて、倒れてしまった。
その先の事は後で、空に聞いた。