08 光青と玲(1)
「つかれたー!」
勉強をやり始めてから大体2時間。藤宮さんがそんなことを言った。
「かれこれ2時間もやっているから、そろそろ休憩しようか。」
「やった~休憩だ~。光青、膝枕してよ。」
「いいよ。」
こいつら、すぐにイチャつきだすな。まぁ、別に構わないからいいけど。嫉妬なんかしてないからな、本当にしてないからな!本当に!
「前から思っていたんだけど、2人ってどこで出会ったの?」
「それ聞く~?じゃあ、教えてあげよう!それはね‥‥」
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《玲視点》
私と光青は、中学2年の時に知り合った。きっかけは、私が光青のいる中学校に転校して、たまたま隣の席だったからだ。私がこっちに引っ越してきばかりで、店の場所とかがわからないとかもあったけど、光青は放課後に町案内とかをしてくれた。
私はうれしかった。こっちに引っ越してきてみんなと仲良くできるか不安だったけど、光青はそんな不安を吹き飛ばしてくれるかのように私と仲良くしてくれた。
私は光青に2人の妹と1人の姉を紹介するために家に招いた。1番下の妹の青森瑛は人見知りだ。けれど、光青は瑛に積極的に話しかけて仲良くなっていた。
もう一人の妹の青森京子とも仲良くなっていて、さらには警戒心の強い姉の青森涼子の警戒心も解いていた。
言葉が少ないのにすぐに仲良くできるのは、本当にすごいと思った。そしたら、いつの間にか妹の2人が光青にくっついていた。うらやましいと思った私は、後ろから光青に抱き着いた。
今思えば、付き合ってもいないのに抱き着くのはおかしいと思う。けど、私はそのくらい光青が好きだった。
「玲ちゃんって光青君と付き合ってんの?」
ある日、友達が私にそう聞いてきた。
「いや、付き合ってないよ。」
「ふーん、そっか。」
付き合ってないといった瞬間、その子はほっとした表情になった。その表情を見た瞬間、この子も光青のことが好きなんだと思った。
その次の日、その子が光青に告白してフラれたという話が耳に入ってきた。私はその子に話しかけようとすると、
「近づかないで!!!!あんたなんか、あんたなんか!!!!」
と言われた。私には理解ができなかった。なぜこんなに拒絶されるのか。理由を聞いても、
「うるさい!!!」
と言われるだけだった。
わからないまま月日が流れ、中学三年になった。私と光青は、一緒に勉強したり、一緒に遊んだりと順調に仲を深めていった。
ある日の朝、私はたまたま出会った光青と一緒に登校することになった。しかし、この時に悲劇が起きた‥‥。




