03 俺は遅刻する
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「あ、あの!」
襲われていた女の子が話しかけてきた。しかし、話している時間なんてない。急がないと、遅刻して‥‥しま‥‥‥‥。
おいまて、この子って『学年一の美少女』って言われている藤宮朱莉じゃないか!?なんでこんなところで襲われてたんだ!!!!
「あの!」
「え、ええぇ、なななななんです、すかっ!?」
やばい、めっちゃキョドってしまった!いや、こんなの男なら誰しもこうなるはずだ!うん、そうに違いない!
「助けてくれたありがとうございます!あなた、同じ学年ですよね?名前は――――」
「そ、それじゃ!!」
俺は急いで走り出す。俺みたいなコミュ障には藤宮さんと話すなんてハードルが高すぎる。とりあえず、学校まで走らないと!!
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はい、遅刻しました。さあ、どうやって教室に入ろうか。ホームルームが終わるのを待つか。よし、そうしよう。ふふふ、われながらなんて完璧な作戦なんだ!自惚れそうになっちゃうね。はいすみませんなんでもないです。
よし、ホームルームが終わったぞ!今だ!こっそり入
「おい木戸。こんなところで何してんだ?」
なんか担任の声が聞こえるな―怖いなー。
「遅刻した罰として宿題2倍な。」
「‥‥はい。」
はあ、こんなことになるくらいなら助けないほうがよかったか。いや、あの目で見られたらそんなことはできない。困ったもんだ。とりあえず教室に入って授業の準備をしよう。
「お前が遅刻とか珍しいな。」
光青が話しかけてきた。さあ、どうごまかそうか。光青なら藤宮さんを助けたと信じてくれるだろうか。しかし、この話が光青以外にも聞こえてしまう可能性がある。ならば、ここは必殺技で‥‥
「寝坊したんだよ。」
「じゃあなぜ弁当を持っている。」
く‥‥!こいつは俺が自分で弁当を作っていることを知っているんだった!どうしようか。そうだ、ここは‥‥
「母さんが作ってくれたんだよ。」
「なんだ、そうだったのか。」
よし、ごまかせた。あとは藤宮さんと会わないようにすればいいだけだ。ふ、簡単なことじゃないか。俺と藤宮さんが学校で会うことなんてないはずだから。藤宮さんはいつもみんなに囲まれているからな。
昼休み。俺は光青、玲、俺の3人で弁当を食っている。
「なあ、ここに俺いたら場違い感がすごいんだけど。おまえら2人で食わないの?」
「光青、これ食べる?」
「食べる」
こいつら、人の話を聞いてない上にあ~んもしていやがるぞ‥‥。くそ、うらやましい!けど、付き合うんだったらよく知っている人のほうがいいよね。何も知らない美人に告白されるより、よく知っている普通の人に告白されたほうが嬉しいよね。え、そんなこと言うの俺だけ?違うよね?
とりあえず、今日の昼休みも平和みたいだ。こいつらが人の目も気にせずにイチャついているだけだ。いつものことだけど。
弁当を食べ終わって、光青たちと話していると教室が騒がしくなり始めた。みんなの視線がある一点に集中しているので、俺たちもそっちのほうを向く。そこには、藤宮さんが立っていた。藤宮さんは俺と目が合うと、すぐにこっちのほうへやってきた。そして俺の前に立ち、こう言った。
「少し時間をいただいてもよろしいでしょうか。」
‥‥周りのやつらの視線がいたい。おい玲、にやにやしながらこっち向くな!光青、真顔で俺の顔じっと見るのやめて!地味に怖い!
更新ペースに関しては作者の気分次第なので、1週間更新しないなんてこともあるアも知れません。




