32 水のかけあい
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「気持ちいいな」
俺は一人で泳いでいた。この暑い中での海はとても気持ちいい。
海が気持ちいいせいで出たくなくなるのが欠点だが。
とはいってもずっと海の中にいるわけにはいかない。一回海から出よう。
海から出ると、光青が一人で座っていた。
「なぁ、光青。お前は海に入らないのか?」
「‥‥泳ぎたくない。海にも入りたくない」
‥‥こいつ、溺れそうになったことがかなりトラウマになってんな。
「別に、浅いところだったら大丈夫だろ?」
「‥‥多分」
「よし、じゃあ行くぞ!」
俺はそう言って光青を強引に連れていく。こんなに暑いのに海に入らないのは地獄だ。熱中症になって倒れてしまってら俺たちが困る。
そうなる前に光青を少しでも水の中に入れないと。
「‥‥冷たい」
光青がそうつぶやく。
海だから冷たいのは当たり前だが、光青はついさっきまで日光に焼かれていただけなので余計に冷たく感じるのだろう。
俺は海に何回か入ったからこの冷たさには少し慣れた。だが、光青はまだ少し慣れていないみたいですこし震えている。
「‥‥寒くなってきた」
「そのうち慣れていくから大丈夫だ。それ」
俺は光青に水をかける。
光青は少し驚いた後に、俺に水をかけ返してくる。
いいな、こうやって海で水をかけあうの。思いのほか楽しいぞ。
光青と水をかけあっていると、玲と朱莉がこっちに来た。
「お~い、二人とも、なにやってんの?」
「水をかけあっている」
「なら私たちも混ぜてもらう!えい」
玲はそう言って光青に水をかける。
「‥‥!」
光青も負けじと水をかけ返す。
カップルでこういうことするやつって本当にいるんだな。仲がいいことだ。
「油断は禁物だよ! 雄二くん!」
今度は朱莉が俺に水をかけ返してくる。俺もかけ返すと、朱莉はもっとかけてきた。
‥‥そっちがその気なら、俺も本気でかけてやろう。
「そら!」
「きゃ! やったな~! それ!」
こうして俺たちは30分くらい水のかけあいをしていた。
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「よし、次はビーチバレーをしよう!」
朱莉はそう言うとボールを膨らまし始めた。
ビーチバレーか。小さいころ父さんと母さんと由利花とやった記憶がある。あの時は全くバレーができなかったが、今は違う。俺は結構バレーができるようになったのだ!
とはいっても、これはビーチバレー。足場が砂だから、普段のようなプレーはできない。滑ってけがをしないように気を付けないと。
「よーし、私と雄二くん、玲ちゃんと西野くんペアでいいよね?」
「ああ、それでいい」
「じゃあ、始めよう! 私のサーブから行くね!」
こうしてビーチバレーが始まった。




