27 俺行く必要ないよね
『雄二くん、水着を買いに行きましょう!』
夏休み初日の朝。リインを見たら、朱莉から水着を買いに行こうと誘われていた。
‥‥ハードル高すぎるだろ!俺行く必要あるか?ないでしょ。絶対に。
いや、さすがに二人っきりじゃないだろ。ほかにも誰か行く人がいるはずだ!
『俺と朱莉以外にだれか行く人いるのか?』
俺はそう送る。頼む。誰かいてくれ。でないと俺の精神がやられる!
『西野くんと玲ちゃんがいます』
よかった。光青と玲がいるなら問題はない。
『わかった。で、いつ行くんだ?』
『明日行こうかと思っています』
明日‥‥か。なんも予定なかったよな?
‥‥うん、俺みたいなやつに予定なんて元からなかったわ。あれ、自分で言ってて涙が出てきた。
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《朱莉視点》
「よかった‥‥」
私は部屋でそうつぶやく。
ここで雄二くんの好みの水着を知らないと‥‥!
雄二くんの好みが何かを考えていると、玲ちゃんからのリインが来た
『朱莉、ほんとに雄二との二人っきりじゃなくていいの?せっかくのチャンスなのに』
雄二くんとの二人っきり、か。
もちろんそれも考えた。けど、二人っきりだったら絶対に話が続かない。
『恥ずかしくて二人っきりなんて無理だよ!それに、話も続かなくなるし‥‥。』
玲ちゃんにはこう返しておこう。
『そう。まぁ、私も光青の好みの水着を知りたかったからいっか!』
玲ちゃんからそう帰ってきた。お互いに目的ができた。これは協力して頑張らないと!
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《雄二視点》
「お兄ちゃん、何そんなそわそわしてんの?」
明日水着を買いに行くことが決定してしまってから、俺は落ち着きを取り戻せない。由利花にも突っ込まれてしまった。
「あぁ、実は‥‥明日、朱莉たちと水着を買いに行くことになってんだ」
黙っていても仕方がないので正直に話すことにする。
やっぱり、女子と水着を買いに行くなんて言うのは少し恥ずかしい。
「え、なにそれ。なんで行くの、お兄ちゃん?」
由利花が人を殺せそうなほど殺気を放っている。なんでそんなに殺気だしてんだよ!怖いよ!
「とりあえずその殺気を消してくれ!怖いから!‥‥まぁ、誘われたから行くだけだ」
「ふーん、そっかそっか。勝手に行ってきてどうぞー!」
何をそんなに怒っているのかはわからないけど、由利花からの許可はもらった。‥‥由利花からの許可っているのか?
まぁ、どうでもいいや。とりあえず、さっさと朝ごはんを作って食べよう。
そして昼からは、アニメでも見るか!




