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27 俺行く必要ないよね

『雄二くん、水着を買いに行きましょう!』


 夏休み初日の朝。リインを見たら、朱莉から水着を買いに行こうと誘われていた。

 ‥‥ハードル高すぎるだろ!俺行く必要あるか?ないでしょ。絶対に。

 いや、さすがに二人っきりじゃないだろ。ほかにも誰か行く人がいるはずだ!


『俺と朱莉以外にだれか行く人いるのか?』


 俺はそう送る。頼む。誰かいてくれ。でないと俺の精神がやられる!


『西野くんと玲ちゃんがいます』


 よかった。光青と玲がいるなら問題はない。


『わかった。で、いつ行くんだ?』

『明日行こうかと思っています』


 明日‥‥か。なんも予定なかったよな?

 ‥‥うん、俺みたいなやつに予定なんて元からなかったわ。あれ、自分で言ってて涙が出てきた。




**********

《朱莉視点》


「よかった‥‥」


 私は部屋でそうつぶやく。

 ここで雄二くんの好みの水着を知らないと‥‥!

 雄二くんの好みが何かを考えていると、玲ちゃんからのリインが来た


『朱莉、ほんとに雄二との二人っきりじゃなくていいの?せっかくのチャンスなのに』


 雄二くんとの二人っきり、か。

 もちろんそれも考えた。けど、二人っきりだったら絶対に話が続かない。


『恥ずかしくて二人っきりなんて無理だよ!それに、話も続かなくなるし‥‥。』


 玲ちゃんにはこう返しておこう。


『そう。まぁ、私も光青の好みの水着を知りたかったからいっか!』


 玲ちゃんからそう帰ってきた。お互いに目的ができた。これは協力して頑張らないと!





**********

《雄二視点》


「お兄ちゃん、何そんなそわそわしてんの?」


 明日水着を買いに行くことが決定してしまってから、俺は落ち着きを取り戻せない。由利花にも突っ込まれてしまった。


「あぁ、実は‥‥明日、朱莉たちと水着を買いに行くことになってんだ」


 黙っていても仕方がないので正直に話すことにする。

 やっぱり、女子と水着を買いに行くなんて言うのは少し恥ずかしい。


「え、なにそれ。なんで行くの、お兄ちゃん?」


 由利花が人を殺せそうなほど殺気を放っている。なんでそんなに殺気だしてんだよ!怖いよ!


「とりあえずその殺気を消してくれ!怖いから!‥‥まぁ、誘われたから行くだけだ」

「ふーん、そっかそっか。勝手に行ってきてどうぞー!」


 何をそんなに怒っているのかはわからないけど、由利花からの許可はもらった。‥‥由利花からの許可っているのか?

 まぁ、どうでもいいや。とりあえず、さっさと朝ごはんを作って食べよう。

 そして昼からは、アニメでも見るか!




 

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