19 遊園地(2)
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「ついたー!」
駅から歩いて大体5分。遊園地についた。
‥‥にしても、人多いな。普段引きこもっている俺からしたらきつい。それは光青も同じらしく、少し光青の顔色が悪い。
「さぁ、3人とも!まずは何をする?」
今、元気なのは藤宮さんくらいだろう。玲はまだ少し酔っているし、俺と光青は人に酔っている。
‥‥とはいえ、何も考えないのは失礼だ。みんなが楽しめるものは何だろうか。俺は適当にパンフレットを見る。ちなみに、このパンフレットは入り口でもらってきた。
そうだ。まずはメリーゴーランドに行ってみよう。
「なぁ。まずはメリーゴーランドに行ってみないか?」
「いいね!玲ちゃんはどうする?」
「‥‥ごめん。パス」
「そっかー。じゃあ、いこっか、雄二くん!」
「え、あ、うん。行こうか。光青は?」
「‥‥僕は、玲と一緒にいる」
「ん。了解」
玲はまだ少し酔っているみたいだから、行かないみたいだ。光青も、玲が心配だから行かないみたいな感じだろう。
藤宮さんと二人‥‥か。少し緊張するな。いつも一緒に登校しているのに、なぜ緊張するのだろうか。それは今の俺にはわかりそうにない。
「‥‥思いのほか並んでいたな。すまない、藤宮さん。こんなに並んでいるとは思わなかった」
「いいよいいよ!こうやって並ぶのも遊園地に来たって感じがして楽しいから!」
これは気を使って言っているのか純粋に並ぶことすらも楽しんでいるのか。少なくとも、後者は俺にはできない。
まぁ、そこまで列も長くはないし大丈夫だろう。
気が付けばもう俺たちの番になっていた。
俺はメリーゴーランドに乗るのは初めてだ。少し楽しみだ。
「楽しかったねー!」
「そうだね。初めて乗ったけど、ここまで楽しいとは思わなかった」
初めて乗ったメリーゴーランド。思った以上に楽しかった。
「じゃあ、とりあえず光青たちと合流しようか」
「そうだね!」
そうして俺たちは光青のいるところへ行く。
「‥‥戻ってきたか」
「おう。玲は大丈夫なのか?」
「うん、もう大丈夫。心配かけてごめん」
「にしても、玲ちゃんがここまで電車に弱いとは思わなかったよ」
「私も自分がここまで弱いとは思わなかった」
「‥‥無理はするな」
「ん、ありがとう、光青」
こいつら、ほんとに仲いいな。‥‥こうやって互いに心配をしあえる仲っていいよな。見ているこっっちも癒される。
「あ、そうだ。次、お化け屋敷に行こうよ」
「あ、いいね!お化け屋敷!行こう行こう」
「そうだな。いやぁ、楽しみだなぁ。なぁ、光青?」
俺はワザとっぽく光青に話を振る。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
光青の顔を見ると、真っ青になっていた。こいつがここまでわかりやすく感情を見せるのってこの時くらいしかないな。




