18 遊園地(1)
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今日は土曜日。藤宮さんたちと遊園地に行く予定だ。
藤宮さんと遊園地‥‥前までの俺だったら考えられないな。今思えば、こうして藤宮さんと話しているのも、あの時助けたから、こうなっているんだろう。
なぜ助けたのか。俺にはわからない。‥‥俺はあの目で見られなかったらあの時藤宮さんを助けなかったんだろう。
‥‥光青なら、あの目で見られなくても助けていたんだろう。俺はクズなのかもしれない。少なくとも、光青と比べてしまったら、俺はクズになってしまう。
‥‥これ以上自分を卑下するのはやめよう。自分で考えていて悲しくなる。今日は遊園地に行くんだ。こんなことは考えないようにしよう。
さぁ、今日は楽しむぞ!
「じゃあ、行ってくるよ、兄ちゃん」
「おう!楽しんで来い!次会うのは正月かな?」
‥‥そうか、兄ちゃんとソフィアさんはもうロシアに帰るのか。
「そうだな。じゃあな」
「おう!」
俺は家を出る。すると、家の前に藤宮さんが立っていた。
「藤宮さん‥‥別に俺の家に来なくても集合場所にいればよかったのに」
「‥‥雄二くんと行きたかったからつい‥‥」
「俺と?なんで?」
「‥‥鈍感」
なぜ俺は鈍感扱いされているのだろうか。光青にもこの前鈍感って言われたし。もしかして、俺って本当に鈍感なのか?
「‥‥なぁ、俺って鈍感なのか?」
「かなり鈍感だよ」
まじか。ここまではっきり言われるとは思わなかった。
「そ、それより早く行こうよ!玲ちゃん達も待ってるし!」
「あ、ああ。そうだな」
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「待ったか?光青」
「‥‥10分」
集合場所についた。どうやら、光青と玲は10分待ったらしい。長いのか短いのかは俺にはわからないけど。
「まぁ、さっさと行こう!朱莉と雄二も来たことだし」
「‥‥そうだね」
遊園地‥‥か。‥‥って、あれ?光青って確か‥‥幽霊が苦手だったよな?大丈夫か、こいつ。
「じゃ、電車に乗るか」
「イエーイ!レッツゴー!」
「朱莉、テンション高すぎ」
「いやあ、遊園地に行くの久ぶりだからね!」
‥‥こんなに楽しみにしていたんだったらなるべく楽しんでもらえるようにしないとな。俺が何できるかはわからないけど。
「‥‥雄二。何してんだ。おいてくぞ」
「あ、わりーわりー」
やべ、少しぼーっとしてた。遊園地に行くんだからこんなことはないようにしないと。
‥‥電車に揺られること大体一時間。ようやく目的の駅に着いた。
「やっと着いたー!長かったー!」
「‥‥吐きそう」
「‥‥玲、大丈夫?」
「‥‥大丈夫」
‥‥玲が酔ってた。こいつ、電車で酔うタイプか。
「玲って電車で酔ううんだな。少し意外だ」
「‥‥うん。電車苦手」
こいつのダメなところを初めて見たかもしれない。