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17 俺の誕生日(5)

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「いただきまーす」


 俺はそう言って兄ちゃんの作ったロシア料理を食べる。

 ‥‥!なんだこれは!うまいぞ!日本料理とはまた少し違う感じが美味い。


「兄ちゃん、これはなんていう料理なんだ?」

「ああ、それはボルシチだ」

「へぇ、ボルシチっていうのか。‥‥じゃあ、これは何だ?」

「それはペリメニだ。日本人の舌にも合う料理だな」


 確かにいろいろな料理がある中で、ペリメニは非常に食べやすい。小腹がすいた時に食べたくなるような感じだ。


「ロシア料理ってこんなにおいしいんだね、お兄ちゃん」

「そうだな‥‥ただ、やっぱり俺はチャーハンのほうが好きだな」

「おい、せっかく作ってやったのにそんなこと言うなよ」

「あ、わりぃ」


 確かに作ってくれた人の前で「こっちじゃなくてこっちのほうが好き」というのは失礼だな。気を付けるようにしよう。

 でも、チャーハンほどではないがとてもおいしい。俺の大嫌いなあんこと比べたらとてもおいしい。


「へぇ、ロシア料理ってこんな感じなんだ。ソフィアさん、あとで作り方教えてください」

「いいよ。あなたは確か‥‥青森さんだったよね?」

「はい、青森玲です」


 玲は早速ソフィアさんに作り方を教えてもらおうとしている。さすが料理好きだな。


「ロシア料理ってこんなにおいしいんだね、雄二くん!」

「え、あ、ああ、そうだね」

「おい雄二、何照れてんだ~?」


 急に話を振られて少し言葉を詰まらせてしまった俺を兄ちゃんがからかってくる。‥‥絶対にあとでやり返してやる。


「‥‥雄二。お前の両親は?」

「俺の両親は忙しいんだよ。だから今も仕事に行っているんだ。わかったか、光青」

「‥‥ああ、わかった」


 光青にも説明した通り、俺の両親は今仕事に行っている。大変なんだな、社会人って。


「ごちそうさまでした」


 そんなことを考えていると、いつの間にか食べ終わっていた。


「みんな‥‥今日はもう遅いし、帰ったら?」

「そうだな、僕は帰ろう。玲は?」

「私も帰る。それじゃ、お邪魔しました」

「じゃあな。…そうだ、明日はどっかに遊びに行こうぜ。どうせ休みだし」

「じゃあ、私と朱莉、光青、あんたの四人でどっか行こうか!」

「いいね、それ!じゃあ、明日もまた会おうね!バイバイ、雄二くん!」

「ああ、じゃあな、三人とも」


 光青、玲、藤宮さんの三人は帰った。そして、家にいるのは俺、由利花、兄ちゃん、ソフィアさんの四人になる。‥‥早く父さんと母さん帰ってこないかな。


「いや~、雄二!お前友達二人以上いたのか!俺は安心したぜ!お前のことだから、光青くんしかいないようなものだと思ってたぜ!」


 兄ちゃんがそんなことを言い出した。だから俺は無言で兄ちゃんの頬を叩いてやった。


「いて!おい、雄二、何するんだよ。」

「すまん。腹立ったからつい」

「そうか!腹立ってしまったのか!ならば仕方ない!」


 兄ちゃんは昔から理由をつけておけば勝手に納得してけんかにならずに済む。けんかをしないためかバカだからなのかはわからないけど。前者であることを願おう。



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