14 俺の誕生日(2)
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学校を終えた俺たちは、家に帰る。誕生日パーティーの会場は俺の家なので、みんなで俺の家に行くことになっている。
「あ、そうだ。言い忘れてたけど、今日俺の兄ちゃん来るから。」
「え!雄二くん、お兄ちゃんいるの!?」
「ちょっとどういうこと、雄二。初めて聞いたんだけど。」
「‥‥洋一さん?」
光青以外は俺に兄がいることは知らなかったようだ。まぁ、言っていないしね。にしても、ロシアの食べ物ってどんなのがあるんだろう。また兄ちゃんに聞くか。
「ただいまー」
「おかえり!お兄ちゃ‥‥ん‥‥。」
「‥‥どうしたんだ、由利花。」
由利花が固まった。何か衝撃を受けるようなことがあったのかな?
「‥‥今日はみんなで誕生日パーティーするの?お兄ちゃん。」
「え、あ、ああ。そうだぞ。」
由利花の目から光が消える。怖いよ。
「そっかそっか。じゃあ、あとでお兄ちゃんの部屋に行くから」
「あ、ああ。」
なんだろうすごく殺気を感じる。由利花と藤宮さんから。二人とも、睨み合わないで。怖いから。
「とりあえず俺の部屋に行くぞ、お前ら。」
「りょーかーい」
「ん」
「うん。‥‥こんなところにライバルがいたとは」
ライバルってなに、ライバルって!怖いよ!
「へぇ、ここが雄二の部屋かぁ。想像以上にきれいだねぇ。もっと汚いものかと思ってた」
「失礼な奴だな。俺だって片付けくらいはするさ。」
「‥‥こんなことを言うのは失礼だってわかってるけど、意外だね。雄二くんって片付けできないタイプだと思ってた。」
「藤宮さんまで。なぁ光青、ひどくないか?」
「‥‥。」
なんか光青が黙り込んでる。‥‥は!もしかしてこいつ‥‥。
「光青。さてはお前、部屋汚いな?」
「‥‥何のこと、だ。」
はい、確定。こいつの部屋は汚いらしい。
「‥‥足場はある」
「いや、片付けろよ?」
今度からこのことをネタにしてやるぜ。
「そんなことより、雄二くん。これ、誕生日プレゼント!」
「あ、私からも。はい、雄二。」
「おめでと、雄二。僕からのプレゼントはこれだ。」
「ありがとう、3人とも」
3人から誕生日プレゼントをもらった。うれしい。
光青からは授業で使うノートをもらった。ちょうど今切らしてたからありがたい。玲からは消しゴム。地味にありがたい。そして藤宮さんからは‥‥俺の大好きなコーヒーだと!?なぜ俺の好みを知っている!そしてありがとう!
「‥‥どう。だった?いらなかったら捨ててもらってもいいけど‥‥」
「いや、捨てないよ!ありがとう、藤宮さん。俺このコーヒー好きなんだよね。」
「そ、そうなんだ!よかった、雄二くんの好みで。」
藤宮さんはそういうと安心したような表情になった。そんなに不安だったんだな。わかる、その気持ち。友達の誕生日って何渡せばいいかわからないよね。
さぁ、パーティーを始めるぞ!って思っていたら、
「ただいまー!」
「‥‥お邪魔します!」
俺の兄ちゃんである洋一と兄ちゃんの彼女のソフィアさんが家にやってきた。