12 雄二の誕生日
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《朱莉視点》
今日は7月の20日。天気は快晴。
私は今、玲ちゃんに呼び出されている。木戸くんのことで話があるらしい。
「朱莉。単刀直入に聞くわ。あんた、雄二のこと好きなんでしょ。それも、友人としてじゃなくて異性として。」
!?!?!?!?!?!?
何で知ってるの!?誰にもまだはしていないはずなのに!
「な、何で知ってるの!?」
「見てたらわかる。朱莉、雄二と話しているときは嬉しそうだからね。」
自分では気づかなかったけど、私は木戸くんと話しているときはうれしそうな顔になっていたらしい。ああ、恥ずかしい。でも、ピンチのところを助けてくれた。こんなの惚れてしまうでしょ!
「そんな朱莉に朗報よ。あと5日たったら、雄二の誕生日よ。」
「え!?そうなの!?」
今初めて知った。木戸くんの誕生日なんて。さあ、どうしようか。プレゼントを考えないと。
「朱莉。ここは少し攻めてみなさい。雄二のことを、苗字じゃなくて名前で呼ぶのよ。」
「えぇ!!で、できないよ、そんなの!」
「やらなかったら雄二は朱莉のことを意識しないよ。あいつ、かなり鈍感だから。」
うすうす気づいてはいたけど、木戸くんは鈍感らしい。意識させるにはどうしたらいいか考えないと。
「ていうか、助けられただけで雄二のこと好きになったの?だとしたらチョロすぎでしょ。」
「いや、助けられたから好きになったわけじゃないよ。木戸くんはみんなに平等に接していて、困っている人の相談に乗ったりしていて、それから‥‥」
「ストップ。長い。」
私が木戸くんのいいところを言っていると、玲ちゃんから止められる。あと10個くらいはあるのになぁ‥‥
「とりあえず、雄二の誕生日にプレゼントを出して、「これ、誕生日プレゼントだよ、雄二くん」って言えばいいだけ。そうすれば、少しは意識すると思うから。」
「なるほど‥‥。うん、恥ずかしいけど頑張ってみるね!」
「私と光青は応援してるから、頑張りな!」
「うん!」
本当に私はいい友達を持ったと思う。ここまで考えてくれる人なんてあまりいないからね。何かあったら、玲ちゃんに相談しよう。
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「もうすぐ雄二の誕生日か。今は暇だし、学校休んであいつの所に帰るか。」
たまにはあいつの顔も見たいしな。
「ソフィアも行く?俺の弟の顔を見に。」
「弟って、雄二くんだよね?」
「ああ。一緒に学校休んでいこうぜ!」
「うん。」
となると、雄二にはお土産のほかになにかプレゼントを買ってやらないな。‥‥にしても、あいつ向こうではちゃんとできているんだろうか。さすが中学の時の俺みたいにボッチなんてことはないよな?