自己紹介
ご飯も食べ終わって、一段落着いたところで女の人が「名前とか言ってなかったわよね!色々とお話しましょう。」
え・・・と、この人私の年齢分かってるのかな?
見た目からして、幼いってこと分かるよね・・・
まぁ、精神年齢は中学校レベルだけど。
「お話しましょう!」って言っても2歳児とどうやって話すつもりなんだ?
かなりの天然だよね・・・
次女の人たちも呆れて笑っているし、というかそもそも私がどうゆう反応というか受け答えしよう。
普通に話したら次女の人達が違和感を感じるだろうし・・・。
なるようになれと思って、頑張って幼児っぽくしよう。
「まず、私の名前はコーデリア・ブライス。この家の当主の妻・・・えーとわかんないか。ブライス家のお嫁さんって言えば分かるかしら?」
いや、あんまり変わってないけどね。
「ブライスさんの奥さんってこと・・・ですか?」
敬語はおかしいかな。でも、使わないと謎の罪悪感があって・・・
「まぁ、敬語が使えるのね!すごい頭がいいのね。
元の話に戻しましょう。そう、旦那さんの名前がクレイユ・ブライスといって、この家を仕切っている人よ。」
仕切っている?
じゃあ、先代とかはいないのか。
もしかして亡くなってる・・・?いや、さすがにそれはないだろう。
いくらなんでもそれは若すぎる。
「そうそう、旦那様のお父様とお母様は隠居の身で、別荘に住んでいるのよ。だから、たまにしか会えないの。私の両親・・・お母様とお父様と弟妹がいるのだけど、実家はかなり貧乏な家で今でもこの家の豪華さに驚かされる時があるわ。」
この人何歳に向かって話してるのかホントに分かってるのかな?2歳児だったら絶対にわかんないぞ。
でも、わかんないふりも面倒だから頷いとこ。
「あなたは?あなたの名前は何?どこから、何故家の前にいたの?」
「私は、キャスリンって言います。デルザの田舎から来て・・・。母が亡くなったので奴隷商人から逃げていました。」
やっぱ2歳児風の説明は難しいな。
「お母様が?!大変だったのね。お父様やご兄弟は?
お家にいらっしゃらないの?」
・・・そっか、父と兄はいないんだ。
この人は悪意があって言ったわけじゃないんだろうけど、急に悲しさというか寂しさが込み上げてきた。父と母と兄をほぼ同時に亡くし、転生前のお母さん、おばあちゃま、友達・・・とかいろんな人とももう会えなくなっているんだ。
ここれまでに起きた事を話すと泣きそうだ。
母が遺した本はどこ?
ベッドの脇にあった。
それを指さして、
「あれに書いてあると思います。」
子供っぽくないけど泣かないのに必死だったから普通に言ってしまった・・・。
「そう、じゃああれを読んでもいいの?」
母の言葉が頭に浮かんだけど頷くしかなかった。
それより・・・眠い。
幼児の体力だし、ご飯も食べたからかすごく眠くなってきた。思わず大きなあくびをしたら
「あぁ、眠いわよね。ゆっくり休んでね。」
ニコッと聖母並の優しく可愛らしい笑顔付きで声をかけてくれた。
あぁ、輝かしすぎて目が潰れる・・・