〜向日葵〜
真っ白なキャンパスに何を描こう
筆を片手に描き出すのは
代わり映えしない いつもの風景
青色の絵の具で空を塗りつぶし
茶色い絵の具で地面を彩る
この世界は僕が作った
この世界に君は居ない
色とりどりなキャンパスの風景
丘の上には巨大な大木
その先に広がる青く澄んだ空
雑草が生い茂る緑の絨毯
丘の下には綺麗な向日葵畑
ここでよく遊んだね
ここでよく語ったね
昔々この丘の上には
願いが叶う向日葵が咲いていて
願いが叶うと涙する
そんな昔話が残っていた
君は嬉しそうに聞かせてくれた
こんな毎日が続くと思ってた
こんな毎日を死ぬほど生きてた
だから毎日君と ここで寄り添ってた
だけどある日 君は居なかった
丘の上は夕暮れになってて
そんな景色を僕は眺めてた
そんな景色を君は見ていた
丘の上が見える窓辺
白い部屋で囲われたベッドの上
動きたくても動けない
君は逢いたいと願っても歩けない
だから僕はあの時願ったんだ
君がこの場所にまた来られる様にと
丘の上から願いを込めて
すると丘の上に咲いた向日葵
これで願いが叶うと信じて
僕は向日葵を摘んで願ったよ
そして月日はゆっくり流れて
君はキャンパスを片手に歩いてる
丘の下の向日葵を見てこう言った
「ありがとう」 ほら君が笑ってる
そして一筋の雨が頬を濡らした
この世界は君が描いた
この世界で僕は笑ったよ