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僕と魔剣と ~それぞれの道~  作者: M.O.I.F.
第二部 静かな襲撃
7/22

1-2 取り調べ

どうも、Make Only Innocent Fantasyの三条海斗です。

こういう短い話を毎日更新していこうと挑戦中です。

最後までお付き合いよろしくお願いします。

それではどうぞ!

アストラルがアンディゴを旅立った少しあと。

騎士団は、ディゴールの取り調べを行っていた。

「さあ吐け! お前の共犯者の行方はどこだ!!」

「ですから、私も知らないんですよ~」

「そんな言い訳が続くと思うのか!!」

「本当ですって~」

ディゴールのにやにやとした表情に、取り調べを担当している騎士は苛立ちを隠せないようだった。

「落ち着け。私が変わろう」

「団長!?」

「団長……?」

静かに告げたその言葉に、ディゴールは少しだけ驚いた表情をした。

「騎士団長自らとは、光栄ですねぇ」

「その余裕は、自分以外に秘書の行方を知らないから殺されない……という風に考えているからか?」

「まさかぁ~そんなわけがないじゃないですかぁ~」

口ではそういうディゴールだが、実際は図星である。

彼は本当に行方を知らないのだが、知っているような態度をとり、取り調べを長引かせようとしている。

すこしでも生き残る時間を伸ばしたいと、躍起になっているのだ。

「まぁ実際、そう考えるのも、不思議ではないがな。私たちがそんなに甘いとでも思っているのか?」

「それは……どういうことでしょうかね~」

わずかに口ごもったディゴールを、彼は見逃さなかった。

「お前に残された時間は残り少ない。既にお前の罪は確定してしまっているのだからな。その最後の時間まで、取り調べを長引かせれば生きていられると思いながら過ごすか?」

「いや~……」

ディゴールの顔から余裕が消える。

ハッタリだと思っていても、彼の目を見れば、本気で言っているのがわかる。

彼は処刑の時間が来たら、ためらいなくディゴールを処刑するだろう。

何か反論しなくては、と頭を回転させるが、そんなことを彼が許すはずはない。

「さあ、選べディゴール。いま、ここで」

「くっ……!」

何か言わなければ。

焦りは頭を真っ白に染めていき、思考はどんどんと浅くなっていく。

最終的にディゴールが出した結論は、そんな頭で考えた答えだった。

「本当に……彼女の行方は知りません……」

「……なるほど。嘘は言っていないみたいだな」

すべてを見透かされたようなその顔に、ディゴールは怒りを覚えていた。

しかし、その怒りをぶつけることはできない。

いや、その気力さえ、彼には残っていなかった。

「牢に閉じ込めておけ。しかるべき罪は償ってもらう」

「はっ!」

騎士二人に囲まれ、ディゴールは牢へと連れていかれる。

その様子を、騎士団長は黙ってみていた。

「お疲れ様です、団長。見事な手腕でした」

「それほどのことでもない。私は執務に戻る」

「了解しました」

騎士院の団長室に戻る最中。

彼は遠くの空を見る。

なぜか、彼には不穏な空気が近づいてきているのではないかと、そう感じた。

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