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僕と魔剣と ~それぞれの道~  作者: M.O.I.F.
第二部 静かな襲撃
10/22

3 静かな襲撃

どうもMake Only Innocent Fantasyの三条海斗です。

詳しいことはあとがきに書きますね。

それでは、どうぞ!

真っ赤に染まった絨毯を、一組の男女が歩いていく。

そこに、悲惨な景色を見ているというそんなものはない。

ただ、当たり前の景色が広がっている。

そんな風にしか思っていない。

魔物が現れてから、それほど時間が経っていないが、すでに王宮の半分は占拠されている。

占拠とは、言えないのかもしれない。

それは虐殺ともいえる、一方的な殺人だった。

それでこそ、剣と剣との交戦がないまま、静かな襲撃は進んでいく。

王宮の半分に差し掛かった時。

そこには、いまだに戦っている騎士たちがいた。

「さすがに、ここまでくると手練れしか残っていないのね」

「ふん、これで手練れとは……笑わせる」

「あら、ずいぶんと余裕そうね」

「ふん、お前は力を温存して好きなところにいろ。レーヴァテインたちは東棟から来る」

「どうしてそんなことがわかるの?」

「わかるさ。やつは俺だからな」

「それが一番よくわからないのだけど……。まぁいいわ、あの子たちを殺すチャンスをくれたあなたには感謝しているわ」

「ふん」

ダーインスレイブはそれ以上何も言わない。

ミサにもそれはわかっていたようで、その様子に少し微笑むと、ミサは東棟へと向かっていった。

「退け、魔物たちよ。あとは私が片づける」

そういうと、魔物は静かに後退する。

その様子に騎士たちは困惑の色を見せた。

「ふん、誰からくる? それとも、一気にかかってくるか?」

挑発をするかのように、ダーインスレイブはいう。

「ええい、魔剣がなんだ! 恐れるな!!」

「魔剣? 笑わせる、生きていた俺にも及ばん雑魚が、力を使わず戦ってやろう」

「かかれ!!」

騎士たちは一斉にダーインスレイブに斬りかかる。

それを、彼はあざ笑うだけだった。


 * * * * * 


「造作もない」

その言葉に反応する人間は、一人もいなかった。

返り血を大量に浴びたダーインスレイブの足元には、すでに息絶えた騎士たちの遺体が転がっていた。

数十にも上る騎士が彼に襲い掛かったにもかかわらず、彼には、服にさえ傷一つ付いていない。

彼は剣が振り下ろされる前に騎士の息の根を止め、そのまま投げ捨てていた。

その騎士たちの遺体は、すでに魔物たちが捕食し始めている。

そんな血にまみれた道を、彼はゆっくり、堂々と歩いていく。

生前、自分が生きた謁見の間に。

その奥にある、戴冠の祭壇に。

扉を開いて、そこにある景色を見る。

彼の脳裏には、あの日の景色が鮮明に焼き付いている。

思い返すは、あの日の恨み。

行動するは、強い憎しみに。

「さあ、あの日の続きを始めようか! レーヴァテイン、さっさと来い!!」

こうして、静かな襲撃は、王の護衛についた騎士以外の騎士の全滅という結果で終了した。

その後の彼らは、死という結末を迎える。

恨みを抱えたまま、彼らの物語は幕を閉じた……。


改めまして、Make Only Innocent Fantasyの三条海斗です。

ちょっと短いですが、第2部の完結です。

書いていて、もっと時間をかけて、詳しく書いていこうという思いが強くなっていったので、時間が経てば書き直すと思います。

この物語は、本編で省いてしまったダーインスレイブが王宮を占拠した戦いを書く……つもりだったのですが、王都に住んでいる住民がその戦いに気付かなかったという、裏?設定を元に書いたので、とてもあっけないものになってしまいました。

ダーインスレイブとディゴールの秘書の出会い、騎士団の王都脱出までの番外編ということで、書けて良かったと思っています。

まだまだ、自分の実力不足を痛感した、第2部でした。次は第3部。番外編は全4部を予定しています。

また、更新に時間が開きますが、ゆっくりとお待ちください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

では、この辺で。

Make Only Innocent Fantasyでした!

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