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第一章 帝国 K

 シュベリア帝国についた。

 街全体が城壁に囲まれててひとつの要塞のようだな

 国に入るのに車をとめにいったらそこにいた兵士みたいなやつが車をジロジロ見やがる。これは何ですかって?ここまで乗ってきてるんだから乗り物に決まってんだろ

 なんだかしつこくいろいろ聞いてくるので無視して街に入ろうとした



「そこのもの、止まれ」




 無視して進む

 通らせないように俺の前に立ちふさがった




「なんだよ」




「この都市に入るには金がいる。入国料だ」




 ちっ金取るのかよ




「で?いくらなんだ?」




「お前は初めてだな?じゃあ少し説明する。この国は戦争が多くてな変な奴が来たら困るんだ。だから初回は身分証明が必要なんだ。それと入場料金だ。それと身分証明書をこちらで発行するのでそれの料金もプラスだ。合計で銀貨2枚だな」




 おいおい、いきなりめんどくさくなってきたぞ

 ラーシュはどうなんだよ

 お前持ってんのか?身分証明できるもの!?


 するとラーシュが耳打ちしてきた。



「こういうのはなんでも裏でがあるのです。黙って銀貨1枚多く出してみてください」




 金か。金で全て解決みたいな感じか。いいねー




「…」




 無言で銀貨を3枚渡す





「…そうか、確認した。では村人で良いか?年齢は?」




「村人でいい。年齢は…なんでもいい。見た感じにしてくれ」




「わかった。すこしまて」




 そして数分待たされる。

 ちなみに銀貨は車の中でラーシュに見せてもらってつくっておいた。 他にも銅貨と金貨も作った。

やはり見たことあるものや詳しいものなら再現できるみたいだ。金でなんでも解決できるなら俺に敵はないな




「よし。通っていいぞ これが身分証明書だなくすなよ」



 ハンカチのようなものをわたされる。

 何やら文字が書いてるが読めない

 数字だけわかるな。なになに、21?おいおいおれは21歳に見えるってのか?若く見られたもんだぜ。まぁ多少だけどな


 そのまま道を進んでいく。


 この街を見ているとゲームやアニメなど非現実的なものを想像してしまう。レンガなどで作られた建物が多くコンクリートなんてものはないだろうことはすぐにわかる。そう思うとパソコンやゲームがない世界なんて頭痛がする。だが作ればいいんじゃないか?でもネットがないから意味ないか。ネットも作れたりする?流石に大変そうだな…今度考えてみようか


 旅人が珍しいのかこちらを見てくる人が多い。ラーシュは地味にイケメンだからそっちを見てるのかもな。そういえば俺はどんな顔をしているのだろう。鏡でもつくってみてみようかな。それも今度でいいか



とりあえず宿を探す。一番近くにあった店に行くことにする

 いかにもやすそうな宿だな。金はあるし高いとこでもいいんだが、別に安くてもいい。カウンターには40歳程のふくよかなおばさんが立っている。



「おや…いらっしゃい。動物も泊まるのかい?」




 そういえば普通は宿に動物なんて連れてこないのかな




「すまない。旅の仲間なのでな。動物はお断りかい?」




「お兄ちゃん。シュベリアは初めてだろう?この国は動物を好むものが少ないから気をつけたほうがいいよ。私は好きなんだけどね!ほかのとこは泊めてくれないだろうねぇ」




「そうだったか。じゃあ泊めさせてもらおう。いくらだ?」




 先ほど街の中で変な目線を感じたのはそういうことか

 動物が嫌いなんて変わってるな

 まぁシロは狼みたいだし確かに怖いが 



「どのくらい宿泊するつもりなんだい?一泊なら10エル一週間なら60エルだよ。長く泊まるなら安くなるからね」




 おい、なんだエルって。聞いてないぞ金貨何枚とかそういう話じゃないのか?それともここだけの通貨ってこと?どうすればいいのマジで

 

 するとラーシュが教えてなかったねと言って説明してくれる。『銅貨一枚が1エル。銀貨が100エル。金貨は100000エルという感じだ』



「じゃあ今日だけでいい」



 そう言って銅貨を10枚渡す。




「これは一人の値段だよ。ちなみに毎回この値段で泊まれるわけじゃないからね?これは三人だからの値段なの。基本的に部屋の作りは2人用だから。そこに三人で入ってもらうわけだから安くしてるのよホントは15エルなんだから」




 おいおい三人ってちゃっかりシロの分もとるのね

 わかったよ。しかたないなぁ

 銅貨30枚渡して鍵を受け取り部屋へ向かう

 ふと思ったけどさ、いろいろ騙されたんじゃないか?動物泊まれないとか言って宿に泊めさせられ、シロの分もとられて。まぁ考え過ぎかもしれないが…



 部屋につき扉を開ける。部屋の中はシンプルだ10畳ほどの広さでベッドが二つ置いてある。小さなテーブルもあるなあとはクローゼットがひとつ。この部屋が10エルか

 1エルって日本円にしたらいくらなんだろうな。10エルが高いのか安いのかわからない。1エル1円だとしたら安すぎる。1エル100円だとしたら一泊1000円。1エル1000円だとしたら1万円だ。この部屋なら1000円が妥当だろう。飯もないしな風呂もないし寝るだけだ。1エル100円って認識で使っていこうっと。まぁ関係ないかもしれないがな


 ベッドに座ると柔らかくもないが硬くもない。まぁ普通のベッドだな。早いうちに王様に会いに行かないとなー別にこの国に興味ないし。さっさとシーカが見つかればそれでいい。見つかったらシーカが大きくなるまでまって結婚して…そう考えたら元の世界に帰る方法も探さないとなぁ。シーカ連れて帰ろう。安心して暮らせる場所が欲しいな…てことはしっかり住みやすい国作んないとな。



「よし、とりあえずここの国王に会ってこようか!シロは留守番な。ラーシュはどうする?」



「僕はシロとまってるよ。ここの国の人苦手なんだ…。荒々しい人ばかりでさ」



「じゃあ用事が済んだらすぐ戻ってくるわ」



「いってらっしゃい」




 こうして俺は王宮に向かった。




 わけなんだが、そう簡単にアポなしで入れないっぽい。そりゃそうだよな、一応王様だもんな…どうする?

 


 あ、俺には金があるんだったわ




「だから何度も言っているように、陛下は忙しいのだ。約束のないものが会うことはできん」




「…あのー、ここに銀貨があるんですけどーこれであわせていただけないでしょうか?」




「…銀貨1枚で通すわけにはいかん」




「何枚なら通れますかー?」




「ふん…100枚もってこい。そしたらー」



 兵士が話し終わる前に100枚の銀貨が入った袋を投げる。袋の中を確認して目が点になっている兵士




「じゃ、通るわ。なんかペコペコするの飽きたなーこういうのも大事なんだろうけどー…そういえば王様に国の領土を売ってもらいに来たんだけどさ、王様に言えばいいんだよね?」




「え…あ、はい。そのようなお話でしたら約束を取れるはずですよ。お金もあるようですし…」




「ふーん。まぁすぐに会いたいって言った俺が悪かったよ。でもすぐ会えるんだよね?案内してくれないか?」





 こうして案内人を呼んでもらい王宮に入った。

 王宮はまぁ普通の城だな。普通って変な言い方かもしれないな。俺らの世界にはなかなか城を見る機会なんてなかったし、まぁ洋風の城で豪華って感じかな


 城の中をジロゾロ見ながら歩いていると案内人が止まった



「ここに陛下がいらっしゃいます。少々お待ちください」



 そして扉をコンコンとノックする。



「陛下。領土を買取りたいという方がみえております。」



 しばらくして扉が開く



「どうぞ」



 メイドさんがドアを開けてくれた。可愛いメイドさんだなぁーこの世界では珍しい黒髪だ。身長はすごく小さくて小学生みたい。でも胸がすごく大きいな…



「…?お入りになってください?」



 じっと見てると声をかけられる。別にメイドさんを見に来たわけじゃないんだ。俺にはシーカがいるし…まぁ俺が勝手に思ってるだけだけどさこんな女の誘惑に負けないぞ


 言われた通り部屋に入るとそこには玉座などあるわけではなく、普通の書斎のような部屋だった。少し歩いておっさんの机の前に立つ




「私がこの国の王だ。貴殿は?」



 椅子に座って書類に囲まれてるおっさん。白いヒゲをはやして疲れた顔をしている。これが王様か




「俺は佑樹だ。事情があって新しい国をつくろうと思ってる。ここの領土を買いたい」




「そうか、どこの領土が欲しいのか言ってみよ」



 そういうと地図のようなものを机に広げた



「…悪いな、ここの国がどこにあるのかと、どこがこの国の領土なのかを教えてくれないか?」




 するとそんなことも知らんのかといった顔をして教えてくれる




「ここが都市シュベリアだ。今いるところはその中のここだな。実際わしが直接管理してるのはここだけなんだが、この国の領土はここだ」



 そう言って地図を見せてもらう。

 


「ここはラミの森か?」



 俺が通ってきた道や洞窟のようなトンネルなどを探して森の名前を聞く



「森に名前など付けぬ。だがそこは昔から魔族がいると言われていてな…」


 


 言葉を遮るようにして言葉をかぶせる




「ここら辺が欲しい」



 そこの森とトンネルの付近。そしてトンネルを過ぎたところを指差した



「そこは魔族もいるは盗賊もいる。だからわしらの領土だが誰もほしがる貴族がいなくてな。そこなら安く譲ってやろう。」




「国境とかはどうするんだ?」




「特に詳しくは決めていないな。だいたい小さい村があってこの村はわしらのものでその奥からそっちの国などときめておるからな」




「そうか。じゃあ俺は小さ村までをもらうのかな」




「そうだな、ちなみにお前は国を作るといったな?ということはその地域に住んでるものはお前の国民になるのだ。だから今からいう村はお前のものになる。税などはお前が回収して良い。だがお前が国王となるのだからちゃんと面倒みいてうやらんとな。わしも国民が多くて大変だったんだちょうど良いわ」




「そうなのか」




「そうだな、そして民も財産だ。だから民も売り物ってわけだな。わしのものだからその分、金は取るぞ」




「国民売り物にするとか最低だな」




「よくいうわ…わしとて売りたいわけではない。土地がなくなるなら住む者も仕方ないだろう。ならお主が買わなければ良い」




「まぁそうか…で、どうなんだ?」




「村は9つだな。名前は追って説明する。人数は1500人程度だろう」



「わかった。値段はどうなんだ?」




 そうして値段の話になる。値段は一人につき銀貨100枚で土地は森が金貨20枚。洞窟が銀貨200枚。その他の草原などの場所と村などの場所が合計金貨60枚だそうだ。

 銀貨100枚で人ひとりってさ、俺さっきその金あげちゃったんだけど。あいつもまさか出されるとは思ってなかったのか




「金はいつもってきてもらっても良い。その時に書類をだそう。ちなみに王となって国をもつなら同盟や後ろ盾は欲しくないのか?」




「別にいいやーそっちがなって欲しいってならなってやるけど?」




「…まぁよい。」




「じゃあ金はこれね」



 言われた分の金貨や銀貨をジャラジャラとつくりだす。地図の上に金貨の山ができた



 国王とメイドが顔を見合わせる




「どこにしまっておったのだ…」




「ん?秘密だ」




 メイドさんが金貨の数を数える。



「これはな、大金なんだぞ?持ち歩いていい金額じゃない。お主は馬鹿だな」




「そうなのか、まぁ馬鹿だよ」




 そんなこと言ってるとメイドさんが数え終わったようだ




「確かにちょうどあります」




 そりゃそうだろうな

 



「ではこの書類をどうぞ」



 紙をもらう。いろいろなハンコのようなものが押してあるしサインもあるなぁ。なんて書いてるかわからないけど



「じゃあもうこれからあそこは俺のものね?」




「そうだ。ユーキとやら、お主も国王となったのだ。ほかの国にも挨拶はしてきたほうが良いぞ。このまま何もしなければわしらと戦争している国におぬしも敵だと思われるかもしれんからな」




「戦争なんてしてんのか。まぁ気が向いたらな」




 そう言って部屋を出る。腹減った。早く帰ってシロにも飯をやろう

 そうして王宮をあとにした。




































「陛下。領土の買取をしたいというものが来ているようです。」




 わしはこの国の王。シュベル・バリス・タニエルだ

 今日も忙しく書類と戦っている。この国は戦争が多い。忙しいのは仕方ない。




「領土が欲しいと・・・?」




「はい。金はあるらしいという情報がきています。お会いになりますか?」



 領土を買いたいと言って買わない奴はたくさんいる。わしと会いたいだけ。会うと違うことを言う。忙しいのに勘弁して欲しい

 



「・・・通せ」




 ドアを開けた先にいたのは銀髪の男だった。瞳は金色で見ているだけで心の中を見られているような錯覚に陥る。その男はわしのメイド、ジュリアのことをジロジロと見ている。部屋に入ってくる様子はない。ジュリアが催促すると部屋に入ってきた。わしの前に立っても口を開こうとはしない。普通は皆跪くのだが、こいつはずっと立っていた。

 仕方なくわしから話しかける



 そいつはユーキといった。地図を見てもここがどこかわからないという。森を見てここの名前はと聞く。わけのわからぬやつだった。だが喋り方というか、こいつの態度が結構気に入った。

 ほしい土地を言われたときは本当に驚いた。なぜそんなとこが欲しいのかと思ったほどだ。魔族が出ることを教えてもそこが欲しいといった。こちらとしても魔族が出るからとここら辺の村の税は安くしていたし助かった。でも料金は普通のものを提示てやった。少し値引いてやってもいいかと思ったがこちらも金が欲しい。まずは普通の料金でせめて、高いと言われたら渋々少しずつ下げていこうと思っていた

 


 同盟の話も持ち出してやった。国というのは難しい。だから同盟を組んで助けてやる。その代わり金やなにかしらの礼をしろというものだ。だがユーキは断った。わしがして欲しいならしてやると言ってきた。面白いやつだ



 ユーキはそのままの料金で買っていった。しかも金もすぐに払ってだ。金貨はどこに持っていたのか懐から大量に出した。その光景に驚いたのはわしだけではなくメイドのジュリアと顔を合わせてしまったほどだ



 部屋を出ていくときも軽く手を振って友達の家から帰るように帰っていった

 





 こいつのことがすごく気になった。





「ジュリア、先ほどのユーキの行動を監視する者を付けよ。何かあったら助けてやれ」




「わかりました」




 ちゃんとやっていけるのか。なんだか可愛い子供が出来たような気分になった。こういう態度で接してもらいたかったのかもしれない。実際の子供たちにはこんな感情を持ったことはないな。



 そして山のように積まれた書類を見る。ふぅとため息をつき仕事を始めた

































 宿に帰る前に干し肉が売っていたので買って帰る。部屋に戻るとシロとラーシュは寝ていた。

 肉の匂いで目を覚ましたシロに踏まれたラーシュも目を覚ます。




「おかえり・・・どうだった?」




「ちゃんと買えたよ。そういえば奴隷についても教えてもらえばよかったな・・・」



「・・・奴隷については裏の商人に聞いたほうがいいかも」



「そうなのか。まぁ国王は奴隷なんて必要ないか」



「うーん・・・いろいろあるんだよ。奴隷ってさ、いろいろ」



「そうだな。シーカまってろ」



「まだユーキのじゃないからなっ」




 そのあとはグダグダ話して飯を食って寝た

 



 布団の中で考える。奴隷か。確かに日本では考えられないな。それにこの世界での奴隷がどんな立場なのかわからない。どういう扱いなのかも。ちゃんと調べないとな。明日は奴隷について調べて、それから買った土地に行こう。魔法で城を創る。立派なもん作ってやるぜ




 そうして眠りについた

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