第一章 洞窟 K
武器、車などの名前を変更しました。
実在するものを書いていきますが、名前は出さないことにします。
森の中には薬草がたくさんある。だが種類も多い。効果が高いものもあれば低いものもある。そして今回探しに行くのは麻痺などに効果があるとう薬草だ。村の子供が変な虫に噛まれて手が痺れているらしい。
村を出て歩いているとふと疑問に思う
「シーカはいつもひとりで森に?」
「そうだよっ」
「危なくないか?獣もいるだろうし変なやつだっているかもしれない」
「んー、平気かな?心配してくれてありがとっ嬉しいな」
まぁ大丈夫というのだからいいか、俺が気にしていてもしょうがない。これからは俺が守ってやればいい。こいつは俺の嫁にするんだ。ふっはっはっ
まぁもう少し大きくなってからだけどな、それまでに俺の虜にしないといけないな。他の男に手を出されても困るなぁ婚約しておくか?
「あーそういえばさ、好きな奴とかいるの?」
「ふぇえっ!?い、いない!こともない…かも?」
おいおい好きな奴いるのかよ!忘れさせるしかないな、そういえば俺エルフだし記憶消せるんじゃね?なーんてな、そんな風に勝ち取った恋なんて喜べないな
じゃあ先手うっておくか
「俺もいるんだよ」
「えっ!?誰っ?遠いとこにいるの?」
「シーカっていうやつなんだけどさ、もう少し成長したら告白するつもりなんだ」
ポンッと音がしそうなくらい顔を真っ赤にしてシーカは目をそらす。
これで俺の思いは伝わったはずだ。あとは徐々に俺を好きにさせれば良い。心理学だな。好きって言われると好きになってしまうんだよ、はっはっは。そして見た目が高校生くらいになったらもうその時しかないな、その時に告白しよう
「成長…」
シーカはそんなことを言いながら胸を見ている。
「ん?何か言ったか?」
告白のこと考えてたらシーカが何か言ったのを聞き逃しちまった。大したことを言ってないといいけど…
「なんでもないよっ早く薬草見つけよっ」
少し歩くペースが上がったシーカに合わせて歩幅を大きくする。そして好きな食べ物、誕生日、などなど雑談しながら森の中に入っていく。歩くこと2時間。おしゃべりに夢中になっていたふたりは本来の目的を忘れていた。
「…でもここの冬も雪ってるるんだろ?俺のところはすごかったよ、もう雪が2メートルくらい積もってさ」
「えーっそんなになったらしんじゃうよっ!・・・あ、ここどこだろう」
ふと見ると洞窟のようものが見える。
「お話しててちゃんと道見てなかった…。間違えちゃったかも、どうしよう…」
シーカはおどおどしている。ここは俺がどうにかしてやって好感度を稼ごう。
「間違えちゃったのは仕方ないさ!足も疲れたし少し休憩してから来た道を戻ってみようぜ」
そうして二人は近くの木に寄りかかって座る。まだ昼になっていないが暖かくて涼しい。なんていうのかな説明しづらいな。するとシーカが寄りかかってくる。ドキッとするがシーカの寝息が聞こえてくる。はしゃぎすぎたのかなーあんなに元気に話してたもんな。俺も少し寝よう…。
目を覚ますとシーカの重みがない。ん?どこだ?周りをきょろきょろと見渡すがシーカの姿はない。肩にはシーカのぬくもりがあったので少し前まではいたようだ。トイレかな?なんて思いながら探すことにする
10分が過ぎ焦りが出てくる。もしかして獣に襲われたとか?おいおいどうする…。ふと地面を見ると足跡が三つ。みっつ?誘拐…少女誘拐だろこれ!そう思うと足跡をたどって走っていた。
足跡をたどると洞窟についた。誰かが住んでいたってことか?そんなの関係ねぇ、そのまま洞窟に入る。するとなかに誰かいるみたいだ
「おい!止まれ」
盗賊のような格好をした男が二人。片方に止まれと言われ止まる。
「小さいエルフの女の子を見なかったか?」
俺の言葉を聞くと片方がにやっとした。
「ほぅ…あの魔族はエルフって言うんだな。人間にすごく似ている魔族でビビっちまったよ。なんか魔法使おうとしてきたんでぶん殴って気絶させたよ」
はっはっはっと笑う男。
俺は思わずぶん殴っていた。
ドスンと大きな音を立てると男は後ろに吹っ飛ぶ。口からは血を吐き出し痙攣している。自分でもびっくりするほどのパワーだ。それを見た隣の男はナイフのようなもので斬りかかってきた。俺は素人だけど素人じゃねぇ。ゲームで鍛えてたんだよ!ふっとナイフを躱す。が、その男はもともと当てるつもりはなかったかのように変な袋を投げてきた。その袋の紐がほどけ粉末が宙を舞う。そのあいだに距離を取られていた。目が痛い。この粉のせいだろうか?目を擦るが涙が溢れてくる。
痙攣してる男を連れて男が逃げていく。200メートルは逃げられただろうか?やっと目が見えてきた。くそっシーカが殴られたなんて…。こんなクソな男も倒せないのかよ…こんなに離れてたら追いつくまで時間がかかる…。てか男背負いながらどんだけ足速いんだよ…洞窟の奥の方に行ってるからここ以外出口がないなら捕まえられるが多分ほかにもあるだろう。あー殺してやりてぇ。女の子を殴るなんて。許せねぇ…銃があればなぁ…
どんな銃がいい?
この距離ならなんでもってわけにはいかないな、一番いいのはスナイパーライフルだろう。アサルトでもいいけど確実に狙うならスナイパーだな。昔やってたゲームの銃を思い出す。黒く輝くスナイパー。セミオートのこのスナイパーなら逃がすことはあるまい。射程も700メートルだ。ストックはFRPでできていて体に合うようにサイズ調整ができる。そう実際こうやって持っているかのように…銃の形を思い出しながら目を瞑る。すると手が熱くなりいきなり重いものが現れる。
銃だ…。スナイパーがそこにはあった。迷うことはない。寝そべりスコープを覗き込む。距離は400メートルほどだ。しっかりと有効射程だ。この引き金を引けば人を殺すことになるかもしれない。まぁためらいはない。女の子を殴るような奴は死んで当然だ。
パンッと高い音が響く。とほぼ同時に目の前を走っている男が倒れる。銃を撃ったのは初めてだがゲームでよく使っていたのであまり違和感はない。というかこんなもんかって感じだ。本物は重いだの、反動がでかいだの聞いていたが実際は大したことがなかった。エアーガン撃ってるみたい。そのまま歩いて男の元へ向かう。弾は頭にあたっており見るも無残なことになっている。
もうひとりの男はさっき殴ったので気絶したままだ。コイツも殺しておくか。
ハンドガンを思い浮かべる。形とかは特に気にしない。どこにでもありそうななんでもいいや。
でない。出てこないのだ。おかしいなぁー魔力切れとか?ちょっと考え直す必要があるようだ。
まずもう一度思い浮かべよう。じゃあ一番お世話になった。銀色のあの銃だなアメリカ軍に採用されてたやつだ。大口径でかっちょいい銃だ。グリップは…象牙なんてものもあるらしいぞ。こんなのかなぁーと頭の中で想像する。すると手が熱くなり、重みを感じる。
成功だ。そこにはハンドガンがあった。
倒れてる男に銃口を向ける。そして引き金を引く。バンッと音がしてそいつの頭に穴を開ける。
仕方がないことだ。割り切っていこう。そうして洞窟の中を探すことにする。道は一本道で30分くらい歩いただろうか?すると奥にあかりのようなものが見えた。と思ったがそれは森の中だ。洞窟というよりトンネルだったのだ。ここで知らないところに行って仕方がない。とりあえず戻って村の人を連れて探しに行こう
そうして来た道をもどる。途中でさっきの死体があったがほっておく。森の中に入り。来た道を探しながら5時間はかかっただろうか。来るときは2時間だったが、やっと村が見えてきた。とりあえずじーさんに話そう。
コンコンとじーさんの家を叩く
きーっと音がしてドアがあく
「何じゃ?シーカはどうした?」
「そのことで話すことがある」
中に入ろうとすると俺の背負っているスナイパーを見て
「それはなんじゃ?」
「それも全部話すからとりあえず入れてくれ」
そうして中に入りあったことを話す。話してるあいだじーさんは何も言わなかった。
「シーカがか…致し方ないじゃろう。」
「は?」
仕方ないってどーゆーコトだよ。助けに行くだろ?
「わしらはこの森から出ない。出れないのじゃ。多分シーカは森の外じゃろう。どこかの国に奴隷として売られるのじゃ。魔法さえ使わなければただの人間じゃ。シーカも馬鹿な子ではない何度も魔法は使わないだろう。人間はエルフを知らないからな」
ここの村に役に立つ奴はいないってことだな。俺がひとりで探しに行くのか。まぁいいこんなところにいたシーカがかわいそうだ。
「お前もクソ野郎だなじじい」
っそう言って家を出る。シーカの家によって多少の食料を持つ。シーカ匂いがする家だ…。絶対に助けてやる。奴隷なんて許されないだろ。家を出るとき後ろから狼がついてくる。白くてもふもふしたやつだ。
「お前もシーカを探すか?」
グァゥと低く吠える。お前もついてくるか、よろしい。一緒に探そう。名前つけてやるか。シロだな。決定
「行くぞシロ」
村を出ようとしたとき声をかけられる。
「おい…シーカを探しに行くんだろ?俺も行く」
そう言ってきたのは…誰か忘れた。
男のことはよく覚えてない
「だれだっけ」
「ラーシュだ!シーカは俺が見つける!」
あぁ最初に村に来た時に話しかけてきたやつか?シーカのこと好きそうだったもんな。態度でバレバレ。
「シーカは俺の嫁だぞ?もう約束したから、ごめんな」
「なっ!?嘘をつくな!シーカに確かめるまで信じんぞ!」
「じゃあ見つけたら聞いてみな。てか付いてこないで一人で探せよ」
「一人で森を出るなんて無理だ!」
地味に臆病だな。少しは戦力になるのか?
「お前が役に立つとは思えない。なんかできんのか?」
「う…俺は確かに戦いには向いてない。だが頭はいいほうだ。的確なアドバイスをやろう」
はいはいそんなことだろうと思ってましたよ。あれ?でもそれってちょうど良くないか?むやみに探すより考えて行動したほうがいい。
「よし、じゃあどこをどう探すか考えてみろ」
「その前に君の背負っているものは何だい?」
またか…と思いながら銃の説明をする。
「すごいな。弓の強化版ということだろ?その武器はどれくらい作れるんだ?」
シラネーヨ。でもどれくらい作れるんだ?と思い大量に想像する。
するとドォオオオオと音がして目の前に銃の山ができた。おいおい出来すぎだよ
「すごいな…これはすごいよ。ひとつ貸してくれ…結構重いな、10キロくらいありそうだ…こんなのずっと持ってたのか?」
え?そんなに重いのか?俺は財布くらいの感覚なんだが。
「使い方を教えてくれるかい?その前に大量に作った奴は消しといたほうがいいよ。誰かに取られちゃうかもしれないし」
確かに誰かが銃もってたらこえーな。どうやって消すんだ?
「どうやったら消せる?」
「え?なんていうのか、作ったものを思い浮かべてそれを壊すイメージをする?」
こうかな?スナイパーを分解していくイメージをすると大量の銃が消えていく。
「ストップ!」
最後の一本になって止められる。これは練習用でしょ?と言われる。じゃあ練習すっか。
森を少し進み木に印をつけてそれを狙うことにする。
「まずは見本を見せる。寝そべって、スコープを覗く。照準を合わせて、引き金を引く。簡単だ」
パンッと音がして印を貫く。木の欠片が飛び散る。
「すごい威力だな…これが使えたら僕だって戦えることになるな…」
ラーシュも同じように寝そべりスコープを覗く。照準を合わせる…難しい。数字が書いてるがよくわからない。とりあえず真ん中を合わせて撃つ。
パンッと音がして右肩をすごい衝撃が襲う。
「なんだよこれ…反動がすごい…。こんなの使えないよ」
弾は全然違うところを射貫いていた。
「下手な奴は使えないのかもな」
これは予想外だ。俺でも使えるから誰でも使えるのかと思っていたが、そうでもないのか?反動がすごいとも言ってたな。もしかして俺が凄すぎるだけなんじゃないの?重くないのも力持ちなだけかも
そんなことを考え近くの木を思いっきり殴ってみる。
バキバキッと音を立てて木が倒れた。うん。これは俺がすごいだけだわ
でも元の世界で使える奴がいたんだしこっちでも訓練すれば使えるだろ
「訓練すれば誰でも使える」
「そうなのか…君はすごいね。そうだ、思いついたよ。多分シーカはもう人間に捕まってる。どうやって助けるかは君が有名になればいいんだ。そしてシーカは君の許嫁だって言えばいいのさ。そして、連れてきたら褒美をあげるといえばみんな探してくれる。もしかしたら誘拐犯が連れてきてくれるかもしれないよ」
「褒美って言っても何もないけど」
「何言ってるんだい。君なら作れると思うよ。金貨はもちろん宝石だって」
そういうことか、創ればいいのね。
「じゃあどうやって有名になる?」
「有名になるのも簡単だよ、建国すればいいのさ。君が王様になればいい」
と言って色々と話してくれた。
建国は簡単だ。土地をいくらか買ってそこに建物を建てる。なんでもいいらしい。そしてそこを国として登録しに行く。それだけでいいのだ。そんなの誰でもできるだろといってやった。でもある程度の財がないとできないらしいし、そんな国を作ったところで何にもならないと。貴族が縛られないで最後の時を過ごしたい。そんな奴らが小さい国を作るらしいが、盗賊などに襲われて終わりだという。だからここ数十年新しい国は出来ていない。で、一石二鳥なわけだ。国を立てて有名になり、盗賊のようなやつらを叩きのめして、手下にする。そしてシーカを探させる。ほかの国にも趣き、シーカを探す依頼をする。という流れだ。
ということで土地を買いに行くことにするか。シーカは奴隷として売られてしまっているかもしれないのだ。急ごう。
土地を買うには、その土地の所有する国に赴けばいい。そしてここら辺の土地を持っているのはシュベリア帝国という国だそうだ。その国に行って、国王から土地を買うというわけだな。よし行こうか
こうしてシュベリア帝国に向かうことになる。が問題が発生する。ラーシュがすぐ疲れるのだ。こんなんじゃ何日かかるかわからない。そして素晴らしい提案をしてくれる『馬車を創れば?』と。それを聞いて俺はピンときた。車だな
ここで少し俺の過ちを話そうか。俺は車を創造した。もちろんかっこいいやつだ。俺が好きだったスーパーカー。車体はミッドシップカーらしい全体に低く流麗なスタイルでアルミ製7LのV型8気筒OHVをミッドシップに搭載し、最高出力558PS/6,400rpm、最大トルク72.86kg・m/4,000rpmという素晴らしい車だ。その車を想像したら想像した通りのがやってきてくれた。興奮したね。こんな車乗ったことがない。車に乗り込みエンジンをかける。ガソリンは入っているようだ。そこで思い出して欲しい。ここはどこだ?森だね。そんなとこでこんな車高の低い車が走れると思うかい?否、走れるはずがない。そうして俺の車は消え去ることになる。そして今乗っているのは軽トラだ。俺のじいちゃんが乗ってたやつな。それでもラーシュは驚いていた。荷台にラーシュを乗せ、助手席にシロを乗せる。当たり前だね。落ちないように気をつけろよーと忠告してあげて、100キロくらいは出したね。森を抜けたら草原が広がってたからぶつかるものもなかったしさ。運転しながら考えてたのは、国を作ったらレース場を作る。これは絶対だと考えていた。
そうしてシュベリア帝国につくのは2日後であった。