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第一章 ラミの森 K

 目の前が明るい。もう朝か…

 空気が美味しい、まるで森の中にいるようだ。マイナスイオンに包まれているようなそんな感じ。ゆっくりと目を開ける。



 森の中だ。  



 は?なんで森の中なんだよ


 

 木にもたれかかっているようだ

 でも身体がだるくて動きたくない。

 そのままぼーっとしているとぴょこんと後ろから何かが覗き込んできた。



「…!」



「あっ!おきたの?」



 それは女の子だった。綺麗な金髪はセミロング。綺麗な色で自毛なんだろうなと思ってしまう。でも自毛で金髪ってありえないだろ。だがもっとありえないだろ、と思ってしまうところがある。それは耳だ。耳が長くピンと上に伸びている。そして黄金の瞳。エルフだ


 俺の知っているゲームで存在していたエルフそのものだった。自分が使っていたキャラとすごく似ていて愛着がわきそうになる。




「あの、大丈夫?倒れてたから運んだのっ」



 ここまでこの少女が運んでくれたのか。なんでこんなに疲れいいるんだろう…そういえば事故で



「しゃべれないの?」




「しぁ…しゃべれる…」



 声は出せるようだ。喉がカラカラで乾いた声が出る



「お水あるよっ」



 そう言って肩からかけていた水筒のようなものを渡してくる。木の蓋を開けて水を飲む。乾いていた喉がうるおい生き返るようだ




「…ありがとう。ここはどこだ?」



 当たり前だがこんな場所は知らない



「ここはラミの森だよー人間は入ってこないから安心してっ」



 人間は入ってこないっていうのはどういうことだ?意味がわからない



「ラミの森か…人間が入ってこないっていうのはどういうことだ?現に俺がいるんだが」




 そういうとエルフの少女は目を見開きこのように問いかけてくる




「あれ、お兄さんエルフじゃないの?」




 なんで俺がエルフなんだよ…。え?俺エルフなの?鏡とかすごく見てみたいんだが。耳を触ってみるが普通だ。




「どこを見てエルフだと思ったんだ?」




「目がね、私たちと同じ色。人間はこの色にはならないんだよ?もしかして『はーふ』ってひとなのかな?私たちと人間の子供にはどちらの特徴も残るらしいからっ!耳が小さいのは変だなぁって思ってたんだ!」




 そうなのか、俺の瞳は金色なのか。異世界にでも飛ばされたのか、エルフになるなんて思ってもいなかったな…どうせなら女の子になりたかった。ゲームでも女のキャラばっかり使ってたしな

 ところでどうするか、人間というのか、ハーフというのか、エルフというのか…これによって大きく運命が変わる気がするな




「えっと…まぁそんなとこだ」



 とりあえずハーフってことにしておこう




「そうなんだ!じゃあここのことあまり知らないんだねぇ」



 こうして少女はたくさんのことを教えてくれる。この森のこと。エルフと人間のこと。




 少女の名前はシーカ。シーカ・フォルンというらしい。年齢は26歳と驚きの年齢。見た目は12歳ほどだ。エルフは長寿なのだとか。600年は生きるらしい。そしてこの森はエルフしか住んでいないらしい。というのも人間はエルフという存在を知らないという。それはなぜか?先ほどのハーフの存在といい矛盾がある。答えは簡単だ。エルフは魔法が使える。記憶を操作できるらしい。操作といっても忘れさせたりするので精一杯。すごいエルフだとやってもいないことをやったと思わせたりもできるらしいが今はできるものはいないという。そして昔、人間はエルフを魔女や魔人と言って迫害していたそうだ。そこから逃げるようにして森に住み着いた。たまに来る人間には記憶を消して返す。そうして長い年月が立ちエルフの存在を知る者はほんのひと握りになったという。そして昔、村に来たものに恋をしたエルフがいたそうな。そのエルフはみんなの反対を押し切って森を出た。そのあとは知らないというが、そこでハーフというものが出来たということだろうか。


 そして今は森の中を歩いている。少女に連れられエルフの里に連れて行ってもらうことになった。



「その、ほかのエルフはハーフに対してどんなふうに考えているんだ…?」



「人間とは違って、仲間だと思ってる!…と思う」



 おいおい最後なんだよ、思うって。急に不安になってきたな。





「安心して!私はあなたの味方だよっ」




 どきっとする。何だあの笑顔は。

 よし決めた、この子を嫁にもらおう。

 


 そんなことを考えてるうちに村が見えてきた。




「お帰り、シーカ…と、誰だい?」




 村に入る前に近くの木からひょいと現れた男は俺を見るなり不機嫌そうな顔になる。




「ただいまっラーシュ!この人は倒れてたから連れてきたの!」




「この近くに僕ら以外の集落があるなんて聞いたことないぞ、人間じゃないのか…?」




「ちがうよ!目を見て?ぴかぴか!」




「…」





 俺の目を見てから、ちゃんと村長に会わせるようにとシーカに念を押している。そして、村の方に走っていった。なぜそんなことを言うのだろうか?




「シーカ、君は村長に会わせないつもりだったのか?」




「えっ?そんなことないよっ!ラーシュがいって言ってたのは、ぺっとだよ!森で拾ってきておうちでお世話してるんだけど、村長に見せないとダメだって怒られたことがあるの…」





 犬とか猫か。まぁ小さい子がペット飼うのは大変だしな。ちゃんと知っている保護者がいることは重要だな。




「じゃあ俺は村長に会わせてくれるんだな」




「うん!最初に会いに行こっ」









 村長宅前についた。なんていうのかな、普通は偉い人の家?っていうのは大きかったり、豪華だったりするだろ?でもここはほかの家と何も変わらない。みんな平等精神なのかなエルフって

 コンコンとシーカがノックすると、扉が開いて髭もじゃのじーさんが出てきた。エルフって美形が多いしスラッとしてるのにこのじーさんはドワーフみたいなんだけど、なんて考えてしまう



「…入りなさい」




 俺とシーカは何も言わずに家に入ると、じーさんが椅子に座る。そして正面に座るように言ってきた。

 俺は座る。シーカは俺の隣に立っている。




「それでじゃ、今日はまたどうしたのじゃ?」




 俺はなんて言えばいいのか全く考えていなかった。なんで連れてきてもらったんだ?まぁあそこで一人にされても森から出れなかったかもしれないし、正直不安だったから?それと、シーカ可愛いし。あとは…なんだろう。あ、そうだこのあとどうするか、どうできるかを知らなければならないな。と考えてるあいだにシーカが話し出す




「えっと、森で倒れてたので連れてきましたっ!私のおうちで一緒に暮らしますっ」





 は?誰が?誰と暮らすって?おいおい俺はペットじゃねーぞ?




「なにをいっているんじゃ…狼や精霊と一緒にするんじゃない。そいつは…エルフだ。それともこの男を夫にするのか?」





 話が急すぎだぞ。夫になるのはもちろんいいが、まだ早いだろ!俺はロリコンじゃねぇんだ、ってそこじゃない。俺は今後…今後の予定はない!ならここで暮らしてもいいんじゃないか?





「ちがうのっ!ここのことあまり知らないみたいだから、遠いところから来たんだと思うの。だから帰るまで泊まる場所とかないから私のおうちでいいかなって思ったんですっ」




 何だそういうことかよ、俺は遠いところから来たのか近いとこから来たのかわからないが、とりあえずそんな簡単に帰れる気はしないぞ




「そうか、じゃあテストをする」




 は?テスト?なんでそんな話になってるんだよ

 顔に出てたのか説明してくれる




「この村はエルフしかいない。人間は入ってはいけないのだ。お前はエルフだな?ハーフかもしれないがそれでも区別がある。それは人間よりか、エルフよりかだ。エルフは皆魔法が使える。だから恐れられてきた。だがエルフは攻撃的な魔法などもたんのじゃ。記憶操作や回復系、創造系の魔法しか使えん。エルフよりならばお主も使えるはずだ。テストとは今ここでなにか作り出してみせよということじゃ」




 と言われましても。魔法ですか。使えるのか?使えなかったらどうなるんだ…




「無論、使えなかったら記憶を消して森から出て行ってもらうだけじゃ。殺したりはせん」





「そうか。何を作ればいいんだ?」




「何でも良い。何かが出てくれば良いのじゃ」




 そうですか。どうしようか、作るって言ってもなぁ。手を見る。どうやるかわからんのにできるかよ




「あの、見本見せてください」





「…よいじゃろう。」



 そういうとじーさんは手を机の方に向け目を閉じたと思った瞬間、コトンとコップが現れた。すげーなおい。マジックみてーだ




「ではやってなさい」





 まぁ真似すればいいか。とりあえず手を出して、目を閉じる。どうしよう。どうすればいいんだ。焦ってくる。時間だけが過ぎていき、汗が垂れる。するとシーカが俺の肩に手をのせてきた。耳元で頑張って、と言ってきた。いい匂いだ。あー将来は美人だろうなぁ…。どんなパンツはいてるんだろう。さっきまでの緊張がなくなっていき変な妄想がエスカレートする。多分しましまのパンツだな。水色で!おいおい俺はロリコンじゃないぞ?これはシーカがはいてそうだなって思ってるだけだ!水色の縞パン!




 すると一瞬少し手が熱くなる。と思ったらフサッと音がする。




「合格じゃ…」




 目を開けると机の上には水色の縞パンが。




「じゃが…これは何じゃ?」




 やべぇなんてもん出してしまったんだ。なんて言えばいいのか。正直に言うか?それともごまかすか?





「すごい!こんな布見たことないなぁ!綺麗な色だねぇーっ」




 シーカがパンツを伸ばしたりして眺めている。なんか心が痛む




「それは、パンツ…です」




 すると二人ともこちらを向き、俺を見つめてくる

 そうだ、罵ってくれ





「パンツ?とはなんじゃ?」





 は?パンツ知らないとか何事だよ、おまえは何はいてんだよ





「下着ですよ。女性用の」




「ふむ…使い方がわからん。女性用ということじゃが、シーカお前が試してみなさい」




「はいっ!おにーさん、どうすればいいの?」




 おいおいどうすればいいのか聞きたいのは俺だよ

 シーカを見ると白いワンピースだ。下は何を履いてるのかわからない。




「とりあえず…パンツはくなら下着を取らないと。シーカはワンピースと何を着てるの?」




「ん?ワンピースだけだよ?」




 ノーパン?ちょっとこの少女に興奮してきた。いや実際もう二十超えてるし合法ロリじゃね?いけるんじゃね?いいよね




「じゃあ履き方を説明するね…その大きい穴から小さな穴に足を一本ずつ通すんだ」




 こう?と言いながらパンツに足を通す。




「そうそう、そして上まで持っていくんだ」




 そのままあげていくのを黙って見る。上げていくにつれひざ下まであるワンピースがまくり上げられていく。うわぁーいい眺めだわ

 しかし、ワンピースは長いのでパンツを履き終わっても秘部を見ることはできない。いや、見たいわけじゃないよ?てかこのじーさんに見せるわけにもいかないしな





「これがパンツ…」




「そうだ、それがパンツだ。」




「何のためにあるの?」





 え?何のためって。何のためにあるんだろう…





「えっと…大事な部分を守るためだよ」




「そうなんだっ!でもなんだか擦れて変な感じっ」





 ぶはっ…ノーパン族の言うことはいちいち興奮するな




「これからは履いていたほうがいいよ、風が吹いてスカートがめくれたとき近くの男に見られたら困るだろ?」




 シーカは顔を赤くしてそうだね、といった。昔経験があるのか?




「わしも欲しいのぉ」




「じーさんはスカート履かないだろ」




 そうして俺はエルフと認めてもらった。まぁ少し変な方向に行ったが魔法も使えるみたいだ。なんだか楽しくなってきた。そして宿がないのでシーカの家に泊めてもらうことになった。がここで問題があった。ペットの存在だ。俺は犬か猫だと思っていたが、狼だのよくわからんふわふわした精霊のようなものが家にいた。シーカになついてるようだったが、狼と一緒に寝るなんて怖すぎるだろ!と思っていた頃が俺にもありました。もふもふしてて最高だな狼。精霊?は夜になると家を出ていったようだ。そしてすぐに寝る時間がやってくる。疲れてたしすぐ眠りに付けそうだ。だがその日はパンツの話をしながら寝ることになった。寝るときも付けるのか?などシーカがうるさくてな。






 











 












 まだ周りは暗い。朝方4時ごろだ。私は布団のなかで脱いだ『パンツ』を見ている。これは隣で寝ているお兄さんにもらったものだ。私は今までこんなものを見たことがない。この装備にどんな意味があるのかもあまりわからない。大切な場所を守るため。らしい

 こんな布を見たことがない。柔らかくてサラサラですごく高そうだ。こんなものを作れるなんて相当な魔力を持っているんだなぁ、わたしがさっき同じものを作ろうと思ったけど、形は一緒だけど麻でできたような生地になってしまった。色もこんな綺麗な色にならない。私ももっとすごい魔法が使いたいなぁ

 まだ少し眠い。さっき起きて魔法を使ったりしていたからかな。もう少し寝よっと 





 少女はそのまま眠りにつく
















 ちゅんちゅんと小鳥のさえずりが聞こえる。太陽の日が差し込み朝を知らせてくれる。まだ眠たいが目を開け、上半身を起こす。となりの布団は盛り上がっているのでまだそこにいるのだろう。布団の中にすっぽりと入っていて顔も出ていない。起こしてやろうと思い布団を引き剥がす。勢いよく布団を取ると、少し寒いのか横を向いて寝ていた少女は体をまるめる。

 俺はまだ眠かったが一瞬で目が覚めた



 なぜかって?



 パンツをはいていないお尻がみえているからだよ。



 ワンピースのまま寝ていたシーカは夜にパンツを脱いだのだろうか?手に持っている。まるまっているためパンツを持ってそれの匂いを嗅いでいるかのように見えて興奮する。そして寝ていた時に動いたためかワンピースがめくれ上がってお尻が見えている。起き上がって下の方に行けば大事な部分が見えるぞ。どうする俺?



 どうもこうもないわ。俺はそんな最低な男じゃないんだ




「起きろ、おい」



 肩を揺らして起こす



「んぅ…」



 可愛らしい声を出してシーカは目を覚ます



「おはよう…」




「…おはよう。パンツ履いてないから見えてるぞ」




 というとシーカは顔を真っ赤にして布団をかぶる。もぞもぞと動き少しして顔を出す。




「みた…?」




「見た」




 涙目になるシーカを見て冗談だと言おうと思ったら先にシーカが声を出す




「…じゃぁ私の旦那さんになってくださぃ」





 え?おいおいなんか変なことになってるぞ




「じょ、冗談だよ!見えてないって」




「えぇ…ウソだったの?」




「嘘だよ、ごめんな」




 ぐすんといってそっかとシーカは言う。そして少し話してくれた

 この森では大切なところを結婚するまで見せてはいけない。見せた相手とは結婚しなければいけないのだと。無理やりみようとする人はこの森にはいない。でも事故で見てしまうことはあるらしい。そりゃパンツ履いてなきゃな!とツッコミを入れながら話を聞く。事故でも見てしまったら結婚だそうだ。好きな相手と結婚したいのはどこでも一緒だよな。最後におにーさんならよかったけどねと言っていたが冗談だろうなー少し興奮したが




「そういえばおにーさんのなまえきいてなかったっ教えて?」





 俺は、工藤佑樹だけどさ、絶対変な名前だろここでは。どうしよう




「俺、記憶が少しなくてさ、名前覚えてないんだ」




 ここに来て都合のいい嘘を思いついたぜ。俺は天才だな




「えっ大変!おじさまに頼んで記憶を見てもらう?」





 おいおいエルフは記憶いじれるんだったな。見れるのかよ。やばいな墓穴掘ったぞ




「いや、冗談だ。本当は覚えてる。佑樹だ」




 本名だけどいいか




「ユーキっていうんだっ!ユーキ…素敵な名前だねっ」




 よかったよかった。




「ありがとうな、今日はどうするの?シーカは何か仕事とかしてるのか?」




「私は薬草を探してくるのがお仕事だよっそこでユーキも見つけたのっ」




 そうか、薬草に感謝しないとな




「じゃあ今日は手伝うよ」




「ありがとっひとりはさみしいからうれしっ」





















 こうして薬草を探しに行くことになる




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