第一章 始まり R
おひさしぶりです。自分の求める作品が出来たらいいなぁと思ってます。文章力などはないので自己満足となりますが、見てくださった方はありがとうございます。ゆっくり更新していければなと思ってます
今日はギルドがあった第1マップに行く予定だ
一人で行く予定だったがそれを許してくれない人物が…
「お出かけなのに呼んでくれないなんてひどいですっ」
そう言って僕の前に立っているのはミミだ。昨日村に行ったことをだいぶ怒っているようだ…
「昨日も勝手にお出かけして、私も連れてってくれてもよかったじゃないですかっ!なんでメイドだけ連れてって私を置いていくんですかっ?」
「いや…リムも連れていく予定ではなかったんだけどさ、なんか一緒に行くことになったんだよね…」
「私はどこにでもついていきます。仕事ですから」
リムは今回の旅にもついてくるみたいだ…。この様子じゃミミもついてくるだろう。仲間がいるっていうのは安心するしいいことだ。ギルドに行ったら昔の仲間もいるかもしれないし…でもプレイヤーじゃない昔のギルドメンバーはどんな態度なんだろう。少し不安がある。でもプレイヤーとしてもしも誰かいたらすごく心強いな。
今回の旅は昨日とは違う。1日で終わる旅ではないのだ。マップは一気に移動できない。確かに魔法で瞬間移動のようなものがある。だがそれもマップ内の移動しかできない。ここ第7マップは第10マップと第8マップと第6マップそして第4マップと隣接している。ここでの最短ルートは第4マップを経由しての第1マップへ行く方法だ。だがこの世界が完璧なゲーム通りとは限らない。今までがそうだがらと言ってこれからもそうだとは限らないからだ。とりあえず第4マップ方面向かうことにしよう
ここから昨日のように馬車で向かうとすれば3日位かかるだろうか?これは第4までの時間だ。途中の街を少し探索するとして5日くらいだろうか。かなりの長旅になるだろうがギルドについたらギルドは我が家だし家から家に帰るようなものかな。ここら辺の街のことは…ほとんど覚えていない。そこまで長居した場所でもなくここでしか手に入らないアイテムやモンスターとかもないので通り過ぎただけのマップだったからだ。まぁそういうことだから街も少し探索しよう。
「じゃあ準備が出来たら場車に集合で!」
と声をかけて自分も準備を始める。とりあえずリムが生活必需品などは用意してくれているようなので自分の持っていくものだけ用意しようかな。といっても何を持ってけばいいの…。装備一式と金貨だけあればいいかな、先ほど見つけたアイテムなのだが小さな袋のようなものなのだが大量にアイテムが収納できる。ゲームでいうアイテムボックスか?小さな袋の中になぜこんなに入るのかしかも取りたいモノがすぐに取り出せる。こんなのが現実にあったらいいのになぁなんて考えながらその袋を腰にぶら下げる。
準備を終えて部屋を出る。リムが立ってる、僕を待ってくれていたようだ。
「準備はできましたでしょうか?」
「うん。リムも終わった?」
「できております」
「じゃあいこっか」
「はい」
短い会話を終え玄関に向かう。家を出ると昨日と同じく馬車がとまっている。ドアが開いているのでミミはもう乗っているのだろう。
「おまたせ」
「全然待ってないですよっ今来たところです」
ミミが元気に返事をする。僕はミミの前の席に座る。するとリムが少し迷うように入口で止まる。あぁ乗るのを気にしてるのか
「気にせずのっていいよ」
そう声をかけるとリムが馬車に乗る。そして僕の隣に座った。
「ちょっとどこ座ってんのー?」
「近くの方が守りやすいので」
「私が守るからいいよ、場所交換しよっ」
「いえ、私はここに座ります」
「はぁー?」
ミミとリムが言い争いだす。なんでこんなことで喧嘩してるんだよ…。てかどこでもいいじゃないか…
「動くのも面倒だと思うし、このままでいいんじゃないかな?」
そういうとミミが渋々了解してくれた。僕の隣では何故か満足そうな顔をしているリムがいる。メイドとギルドメンバーが喧嘩なんて絶対にありえなかっただろうなぁ…メイドが歯向かうなんて
え?メイドが歯向かうなんてことあるのか?もし僕に歯向かってきたらどうする?少しだけ怖くなるが、となりのリムを見るとそんなことはないような気がしてくる。
そんなことを考えてると馬車がゆっくり動き出す。目的地はミミが話してくれていたのだろう…。どれくらい走っただろうか?そういえばゲームの世界なのにお腹は減るし睡魔も襲ってくる。これが戦闘中とかだったらどうなるんだ…まぁ戦ってる最中に眠くなるなんてことはないか。お腹が減ってきたなぁーみんなはどうなんだろう…
「お腹空かない?」
「うん、お腹すいたねッ」
ミミもお腹はすいてるようだ。だがリムは平気ですと言っている。無理してるのか?それともNPCはお腹が空かないのだろうか?
「まぁ街についたらみんなでご飯にしよう」
「はやく着かないかなぁー」
しばらく時間が過ぎてリムが声をかける
「街が見えてきました」
ミミは寝ているようで気づいてない。結構大きい街だ、石造りの街は日本ではみないような造りだ。海外に来てるみたいだ。街の周りは城壁のようなものがあり中に入るには門をくぐらないとダメみたいだなぁ兵士が立っているのが見える。どんどん近づいていき、門の前でとまる。
「この街はロストイヤという街だ。冒険者か?」
なんといえばいいのか…冒険者なのか僕たちは?そんなことを考えているとミミが返事をする
「ぷれいやー様だよー早く通してー」
「なっ、ぷれいやーかっ!どうぞお通りください。」
プレイヤーって言えばいいのか。プレイヤーってこの世界ではもしかして最強?門が開き馬車が動き出す。
「とりあえず停留所に馬車を止めておいてください。ぼくらは街を探索してきますね」
御者にそう告げ、食事とかもするならしてくださいねと金貨を少し渡す。
「ごはんにしよーお腹減ったよー」
ミミはもう空腹で仕方ない様子だ。一方リムはそのような様子はない。どこからか、きゅーっとお腹がなるような可愛く鳴るような音が聞こえる。ふとミミの方を見るが気にしている様子はない。リムは少しうつむき顔を赤めていた。リムのお腹かぁーお腹はすくみたいだな。あんまり無理させないように気をつけなけなきゃな
「じゃあみにいこっか」
そう言って三人は街の中に消えていった。
「本当にぷれいやーなのか?」
「最近来てなかったよな」
「もしぷれいやーじゃなくモンスターだったりしたらやばいことになるぞ…」
兵士たちがリクン立ちについて話している
「まぁモンスターじゃないことを祈ろうぜ」
適当なやつだよなーなどと話しながらいつものように働きに戻る。門を守るのが仕事だ。さっきは久々のぷれいやーという言葉に惑わされたが次からは疑ってかかろう。そう言い聞かせ先ほどの自分のミスを許す。
「おいしかったぁー」
「ほんとだね、リムもよく食べてて安心したよ」
笑いながら話しかけると、リムは少し恥ずかしそうに美味しかったですと小さく呟く。
みんなの表情や態度などをみて可愛いなぁなんて思うのであった。このあと街の中を見て回るがゲームと違うようなところはなく特に見所もないのですぐに街をでることにする。目的地は第1マップだ。早く着きたい。
反対の門を出て第4マップを目指す。もう少しだ。このまま馬車が進めば明日の朝にでもつくだろう。御者は寝なくていいのかなぁ?ふとそんなことを思う。リムがお腹を減らすということは御者もそうということだ。なら睡魔だってあるのではないか?少し気になる
小窓を開け御者に声をかける
「睡眠とか大丈夫?もしあれだったらどこかにテントを張ったりして休むけど」
すると御者は二人いるので平気だと告げ小窓を閉める。僕は安心して眠りにつくことにする。今日はずっと馬車に揺られて何もしてないのになんだか疲れたような気がするなぁ。目を閉じるとすぐに眠りについた。
私は主人が寝ているときに寝られない。起きている時も寝られない。もちろん私がお守りするためだ。だがさっきから眠たくて仕方がない。今は馬車の中だがいきなり襲われる可能性もないわけではない。どうしようか、このままではギルドまで寝られないということだ。それはきつい。少しだけ寝ようか?そんなことを考えながら主人をみている。
「リムも眠たいでしょ?」
「いえっ平気です」
突然主人が片目を開けそんなことを言うので驚き少し声が高くなる。
「僕が少し起きてるから寝ていいよ、気にしないで」
笑顔でそんなことを言われ断ることができるはずがない。というかそれよりも睡魔で断ることができない。寝ていいと言われれば寝るに決まっている。
「じゃあ少しだけお休みします」
そう言って目を閉じるとすぐに眠りについた。
ふと夜中に目を覚ますとリムが起きている。ミミはぐっすり眠っているようだ。リムの目は今にも寝そうな目でこちらを見ている。あの目を知っている。あれは残業で眠たいが寝られない時の目だ。
「リムも眠たいでしょ?」
そう聞くと驚いたような声で平気だというが絶対眠たいだろうなとわかるような返事だ。
「僕が少し起きてるから寝ていいよ、気にしないで」
そういうとリムは分かりましたと少しだけ眠ることを告げ眠りにつく。目をつぶったらすぐ寝てしまったようだ。寝顔を見つめているとふと忘れていた感覚を思い出す。可愛いなぁーこんな娘と…って何考えてんだ…。自分の好みだからってそんなこと考えたらダメだろ。この世界に来てから忘れていたが性欲があふれるように出てくる。ミミも可愛いよなぁ…猫耳コスプレ娘にしか見えないよ。
「やばい…」
そんなことを呟き自分の頬をつねる。性欲なんて忘れろ。こんなとこで変なことして両親に顔向けできないぞ。両親の顔を思い出しながら自分の性欲を抑えていく。
こうして長い冬弥陸の戦いが始まるのであった。
ふと目を覚ます。だいぶ寝ていたみたい。リクンの顔を見ると天井を見ている。
「何見てるの?」
そう聞くと、なんでもないというリクンだったがそうは見えない…
ふとリクンの太ももの上にリムの頭があるのに気づく。何故かムカムカと怒りがこみ上げてくる。
「なんでメイドに膝枕なんてしてるのっ!」
「寝ぼけて倒れてきちゃったんだよ。仕方ないじゃないか…」
リクンはそう言っているがほんとに寝ぼけて倒れたのか?なんだかこのメイドはリクンのことを狙ってるような気がする…。許せない…
「もう朝なんだし起こそうよ」
「疲れてるみたいだから寝かせてあげたいんだ」
優しいリクンに感謝しなよ…今度はとなりに座らせない。そう思いながら渋々許し馬車に揺られる。
それから馬車に乗るたびにこういったことが起こる。
「こっちに座って!リクン様」
「こちらにお座りください。リクン様」
どーすりゃいいんだ・・・。
「じゃあ今日はミミのとなりね・・・」
「ダメです。リクン様の席はこちらだったはずです」
「順番でしょ?そんなことも守れないなんてあんたほんとにメイドなの?」
「荷物がありますし座り慣れたところのほうがいいと思います。」
「馬車の中なんてどこでも一緒でしょ」
「じゃあ二人が並んで座ればいいよ!僕はひとりで乗るから!」
そう言って席が変わるのであった。が眠っている間にどちらかがとなりに来ているということが毎晩起こる。そしてそれは冬弥陸にとっても辛い時間なのであった。ひとりの方が変なこと考えなくていいのに・・・。なんだか柔らかいし、いい匂いだし・・・もう最悪だぁぁあああ
こうして第4マップを通り抜けて第1マップに到着する頃に4日が過ぎていた。
「ついた・・・」
リクンは自分のギルドを前にして疲れ果てている。そしてギルドについて思い出していた。僕らのギルドの名前は『ずっぴー』ずっぴーというのは『zzZ』こう書いて寝ている時のマークである。これはリクンが作った時は名前をつけていなかったのだがメンバーが増えた時にそのメンバーと決めた名前だった。これはリクンが決めたのではなくメンバーであったルミナスが付けたギルド名だった。ルミナスはFPSのクランの隊長でその時のクランタグからきている。寝ながらでも勝てるよなクランという意味らしいがこのギルドも絶対に攻め落とされることはないであろう造りだったのでいい名前だろうとふたりで決めたのだ。
このギルドは城のようなギルドだ。城があり城下町がある。あのゲームでは相手のギルドに攻めることができた。それはギルドを落とすことによって相手のギルドの金貨やアイテムなど奪えるのだ。だがあまりギルドに攻め込む奴はいなかった。理由はギルドを責めるのはすごく難しいこと。それと普通に稼いだほうが楽だからである。PKしたいからと攻めてくる奴らだけだった。だがそんな奴らもこのギルドの城下町からたどり着いた者はいない。
ギルドは密集している。ここ1マップに全部あるのだから当たり前だが。だから攻めてきたら相手のギルドにも攻めてくるギルドが現れるということ。プレイヤーがいないギルドは落としやすい。今はどうなっているのか、少し心配だったが城の方はしっかりしているようだ。
「ここから先はずっぴー城だ。許可のないものは通れん」
城の前の兵士がしっかりと仕事をしている。
「・・・はっ!リクン様だ!」
「なにっ?ミミガーん様もいるぞっ」
兵士たちはリクン達を見て態度を変える。
「久々に戻ってきました。入れてくれるかな?」
「もちろんです!お帰りなさいませ!」
兵士たちは主人の帰りを喜びすぐにドアを開ける。帰ってきた。昔大好きだった場所に。喜びが増していき先程までの疲れが吹き飛んでいく。こうして城下町を通り過ぎて城の前まで歩いていくのであった。
ずっぴー城に来てから一週間が過ぎようとしていた。
ここ一週間は城下町を見て回ったり城の中を見たり昔のメンバーを探したりと、忙しかった。
そこでわかったことがある。ここに昔のメンバーはいないのだ。
ミミがあそこの村にいたように昔のメンバーもいろいろ動き回っているようで城にはいなかった。それとこの城などにいるNPCはみなリクンがプレイヤーだと気づくようであった。ミミは気づいてなかったけど・・・NPCはちがうのかな
それと昔と何も変わっていなく自分が作ったものなをこうして見るとすごく感動した。ミニチュアの模型を作って中にはいれたような気分だ。ゲームやってる時はこのようには見えない。そりゃ画面を見るだけだからだ、でも今はこのように見える。仕事しなくてもいいこの世界。もう帰らなくていいんじゃないかなぁなんて考えがよぎるが、両親や妹、親戚などのことを考えると長いあいだ連絡がないと心配するだろうなと思う。
でも帰るあてもないんだけどなぁ・・・
すると自分の部屋に見覚えのないものがある。
いや、見覚えは大いにある。
だがここには絶対に存在しないものだ。
そこにはパソコンがあった。
机の上にちょこんと見覚えのないPC
とりあえず起動してみるか。帰り方がわかるかもしれない。
キュイーン・・・と音を立ててパソコンの画面がつく。
そこにはただ一言書いてあった。アップデートしています。
そしてバーが少しずつ伸びている
すぐに頭の中でいろいろな考えがあふれる。アップデート?終わったゲームなのに?帰れる?わけないよな。止めたほうがいいか?いや・・アップデートしないなんておかしいよな?
こう考えてるあいだにも少しづつアップデートが完了に近づいていく。
うん。アップデートはするべきだ。そう結論付、放置することにする。バーの進み具合からしてすぐには終わらなそうだからだ。
じゃあ今日はなにしようかな・・・とりあえずミミ達を呼んでから決めるか・・・と思う
頭痛がする。だんだん大きくなていく。一瞬目の前が真っ白になる。がすぐに意識を取り戻す。なんだか事故の時みたいな頭痛だった。でも今は何にも感じない。頭痛など最初からなかったようだ。なんだか少し不安のような感覚に襲われる。でもたってた場所もやろうと思ってたことも何も変わってない。じゃあただの頭痛だろう。と思いドアをノックする。 コンコン
「すぐいきます!」
少ししてミミが出てくる
「今日は一緒に街の外に出て近くのギルドに行ってみようと思うんだ、ミミもいくよね?」
「もちろん!」
そうしてリムとミミ、リクンは城をでることにする。戦闘などはないはずなので軽装備だ。というかただの服だ。ほかのギルドは覚えているかだのどうだの話しながら街をでる。そこで少し違和感があることに気がつく。ここに来るときは草原だったのだ。そうだな。今も草原だ。でも何か違う。そしてすぐに気がつく。
「あれ?道がないですね?」
ミミが僕が思ったことを言ってくれた。草原でもレンガ石みたいなものが敷いてある道がギルドの入口にはあるはずだ。だがそこにはただの草原しかない。それに入口に立っていたはずの、いや立っているはずの兵士がいない。どうなっている?
誰も動けない。そして誰も言葉を発さないまま数分が経過した。
「・・・とりあえず、城に戻ろっか」
リクンが口にすると皆頷いて戻ることになる。街の中はいつもどうりだ。でも少しおかしい。昨日と何かが違う。なぜ気づかなかった?というのもみんなの目線がおかしいのだ。僕の方を皆見ている。勘違いではないはずだ。誰かに話しかけてみよう。
「ちょっと話が聞きたいんだけど・・・」
リクンが魚を売っている店の主人に話しかける。
「!!」
すると主人が両膝をついて胸のあたりで祈るようなポーズをとった。
「私のような平民に話しかけていただきありがとうございます!」
え?なんでこんな態度なの。昨日も来たじゃん!リムと一緒にまわった時にうまそうな魚が売ってたから買った。その時はこんな感じだった
「いらっしゃい!おっ?ぷれいやーさんかい?いい魚が揃ってるだろ?」なんて気さくな感じだった。おいおい何があった。ふと見るとリムやミミもびっくりしているようだ。
「それで聞きたいこととはなんでしょうか、私にわかることなら良いのですが・・・王様が聞かれるような話を私が答えられるかどうか・・・」
ん?なんて?王様が何?
「王様って?」
素直な疑問だった
「もちろんリクン王様のことでございます」
「え?」
三人で顔を合わせる
僕って王様なの?リクン様はぷれいやー様だよ・・・リクン様は王様って感じしないです。みんなとびーびーいっているが詳しい話を聞くしかないだろ
「主人・・・少し話がしたい」
「・・・わかりました。ここでよろしいのでしょうか?王様がこのようなところでお話するのは・・・」
「ついてきて」
そうして魚屋の主人を連れて城に行くことにする。応接間があったはずだ。そこで話そう
このときからリクンの新しい世界が始まる