第一章 再会 K
街をつくり終わるとだいぶ時間が経っていたようで、辺りは暗くなっていた。
飯でも作ろうかなーとおもいながらエリの好きなものでも作るかと何がいいか聞こうと思い部屋に行くがいない。おかしいなぁ・・・まさかまだ風呂に入ってるのか?流石にそれはないだろ
脱衣所に行くが電気はついていない。一応中も確認してみようか・・・扉を開けて電気をつけるとエリが隅っこに座っている
「なにやってるんだ?」
素朴な疑問だった。なんで汚れたままの服でいるんだ?風呂はどうした?頭の中をぐるぐると回る
「言われた通りにきれいにしました、戻っていいのかわからなくて・・・」
こいつ馬鹿だ。そう思ったときにはもう言葉にしていた
「綺麗にしろといったのはお前の身体のことだ・・・はぁ風呂に入ったことがないのか?」
風呂がわからないならそういえばいいだろ、確かにシーカの家にも風呂らしきものはなかったからこっちでは浸透してないものなのかもしれないが・・・
するとエリが泣きそうな顔をしながら
「ないです・・・体を拭けばよかったですか?」
こっちでは身体を拭くのが普通なんだな。まぁだからといって風呂に入ったほうがキレイになるだろう。初めてだから仕方ないか、今回だけだ・・・妹だ。そうだ問題ない。
少しつぶやきながら自分で自分に言い聞かせる。妹だ。女の子じゃないと。
「俺が風呂に入れてやる。とりあえず服を脱げ」
服を脱げというとまた涙目になる。はいと言って服を脱いでいくが俺は妹に興奮しないから平気だ。たぶん。まだセーフだ。俺はロリコンじゃない。ズボンのようなものを脱ぐとやはり下着は付けていなかった。まだツルツルじゃないか。セーフだ。いやツルツルが嫌いなわけじゃないぞ?妹だからな、うん。
「お前もぱんつはいてないんだな・・・」
洗ってやるためには近づくしかない。風呂場に入るとまたまた涙目になる
「大丈夫だ、なにもしないよ」
そういうと泣きそうだけど不思議そうな表情に変わる。こいつはすごく顔に出るな・・・
「まずここに座って目を閉じろ」
そういうとその場できゅっと目を瞑る。おいおい座れってのは聞こえなかったのかよ。仕方なく手を引いて座らせてやる。シャワーを出して髪を洗う、いちいちビクビクして不思議なやつだなぁ。シャンプーをつけて髪を洗いリンスをつけてまた洗い流す。髪を洗い終わる。そうだな次は身体を洗わなければ・・・。俺が洗ってあげてもいいが、俺の理性が持つかだな。うん。まずいな
そんなことを考えてるとエリが目を開けてこっちを向く
「えーっと、次は身体も洗わないとな、洗い方を教えるから自分でやってみな」
そう言って石鹸をタオルで泡立てて背中をこすってやる。
「こうやって身体全部洗うんだ。わかったか?」
頷いたのを確認してほかのところは自分で洗うように言いつけ俺はでることにする。もうそろそろやばいからな
「あと、お湯を入れなおしておくからその中に入って100秒数えてから出てくるんだよ、わかったか?」
湯船に浸かることを言いつけて俺は風呂場をでる。
どっと疲れたなぁ
飯を作るためにエリを探してたつもりだったが、あいつと俺の常識は違いすぎて困る。まぁ飯も適当でいいだろ。料理なんてほとんど覚えてないし、カレーにでもしよう。ここで料理について一つ。料理は出来た状態で創造することもできるし材料を創って自分で調理することもできる。出来た状態のものはすごくうまい。ってことで基本的にできた状態で創ることが多い。今日のカレーも出来合いのものでいいだろう。
エリが上がってきて飯にすることにする。
「お腹減っただろ?飯にしようか」
「はい。ありがとうございます」
そうしてテーブルにカレーを二つ並べる。エリが風呂にいるあいだにシロには肉をあげておいた。椅子に座るがエリは立ったままだ。
「すわっていいよ」
「えっ?」
そうかエリは奴隷だもんな。
「お前は俺の妹として扱うからそういうつもりでいてくれ」
「は・・い・・・わかりました。」
そうして言われたとおり椅子に座る。
「じゃあ食べようか。いただきます」
「い、いただきます」
そうしてカレーを食べる。うんうまいなぁ
エリがひとくち食べてから手が止まっている。辛かったか?少し辛めにしたからな
「辛かったか?」
「い、いえ!美味しくて・・・こんなもの食べたことなくて・・・」
「そっか、」
「こんな美味しいもの食べさせてもらって・・・あり・・ありがとうございます・・・ぐすん」
そう言いながら泣き出すエリ。おいおい飯くらい普通にくおうぜ・・・
まぁ今まで何食ってたかわからないけど、ここに来たからには飯には不自由させないようにしてやるさ。うまいもん食わせてやる。
次の日
まだラーシュは来ないのか、まぁあいつ足遅かったしなぁ。街を作るときにしっかりと人間やラーシュなどに建物がぶつからないように想像したから怪我人とかはいないと思うが。あいつならあのビルに向かいそうだし、後でビルの方に行ってみるか。
朝飯も涙目になりながら食べるエリが少しくらい働きたいというのだが、家も新築だし。自動掃除機も作ったし。何もすることがない。どうしようか・・・そんなことを考えてるといいことを思いつく。そうだ秘書みたいな感じのものをやってもらおう。いいね
なんか周りの国に建国を知らせておいたほうがいいとか言ってたしなぁそこらへんのこと書いてもらって・・・郵便ってどうやって出すんだ?とりあえずラーシュが来たら聞いてみるか。
「エリ、周辺国家の国の名前とか王様の名前とかわかるか?」
「はい、周辺のならわかります」
「文字はかけるか?」
「はい、大丈夫です」
「よし、じゃあ手紙を書いておいてくれ。内容は新しくここら辺に国を作った。俺が王だってお知らせみたいな感じでよろしく」
「え、あ、あの・・・ユーキ様の国はなんて名前にするのでしょうか?」
あーそっか名前なんて考えてないんだけど
「えっとね、そこはまだ空白にしておいてあとで書いてもらおうかな」
「わかりました。」
「欲しいものは言ってくれればつくるから」
そういって紙やペンなどを渡す。
「じゃあちょっと出かけてくるから、あとでね」
「は、はい。いってらっしゃいませ」
ビルに向かう前に自分の部屋に行く。部屋でビルの周辺をカメラで確認するとラーシュがいる。と女の子か?銀色の髪の女の子がラーシュといる。ナンパでもしたのか?シーカがいいとか言ってたくせにあのやろう・・・でもあの子なんだか可愛いな・・・うわすげー可愛い。まぁ俺はシーカ一筋だけどな!とりあえず早く向かって状況を聞かせてもらうか
ビルに着くと少女がこちらを見つめている。ラーシュも遅れてこちらを見る。
「遅いじゃないかー!ずっと歩いてきて大変だっただよ!」
「わかったわかった。お前はもっと遅いかと思ったんだよ。それより・・・」
そういうと少女が軽く頭を下げて
「私はリュカ。そなたはユーキでよいか?」
「確かに。俺はユーキだ。それでリュカちゃんは俺になんかようなのかい?」
「む、ここら辺で大きな魔力を感じて来てみたらそなただったというわけだ。近くにいると何もしていないのに魔力を感じる、すごい魔力だ・・・正式に挨拶させてもらうことにする」
そう言って可愛らしくスカートを持ち上げる
「ストレガシア・ミフォンの娘リュカ・ミフォンと申します。龍星国から使者として参りました。私達はあなたに敵対しないことを誓います。ですからどうか私達を守ってください。私達もあなたの力になることを誓います」
え?守ってくれって言われてもなにから?力になるってなに?
「えぇえええ!?龍星国だって!?」
うるさい。ラーシュがうるさいんだけど
「ユーキ!龍星国ってのは天空に浮かぶ島に住む竜族の国だよ!この世界で最も強い生き物の龍・・・まさか・・・」
「私達は確かに龍だ、でも本来ずっと龍というわけではない。普段はこのように人間のような姿だ。生まれた時も人間と同じ、龍になれるのは大人になったものだ。私ももちろん龍になれるぞ」
そうなのか、龍って卵で生まれるのだと思ってたわ
「む、なにか失礼なこと考えてなかったか?とりあえず私は決めたんだ。ユーキ様、私をもらってくれないか?」
「「は?」」
なんでいきなりそういう話になるんだ
「私は龍星国の姫だ、私がユーキ様と契を結べば龍星国に平和が訪れる。私も、なんというか・・・ユーキ様を見てびびっときたのだ!本当は契を交わすのは後々の手段ということになっていたが私はこれで良いと思ったっ」
うわぁーそんな可愛い顔でそんなこと言わないでくれ、俺の気持ちが揺らぐ!
「だめだめ!結婚はそんな簡単に決めていいものじゃないの!まだ子供なんだからさ・・・とりあえず守ってほしいってのはどういうことか聞かせてくれよ」
「む、私は契を交わすっ!むーっ」
「おいおい・・・」
「まぁとりあえずリュカちゃん詳しく話してあげてよ・・・」
「ん、そうだな。まずはじめに大きな魔力を感じたのだ、それは私たち龍族を超える力を持つ可能性があった。それがユーキ様だったわけだ。そしてもう一つこことは遠いいのだがユーキ様と同じくらい強い魔力を感じた。だからまず先に近くの方に会いに行って味方になってくれるか、敵対しそうなものかを見極めて話し合いができそうなら同盟・・・いや私達は忠誠を誓う代わりに傘下に収めてもらうという話になったのだ。そして後々その者と契を交わせれば同じ立場に立てるかもしれぬと父上は考えたようだ」
もうひとりいるってことか?俺と同じような奴が。
それは困るな・・・もし俺と同じような奴がいて俺は勝てるのか?まぁ勝てるか多分。深く考えても仕方ない。俺はそんなに考えるような人間でもないしな
「そっか、わかったよ。とりあえずそのもうひとつの魔力?そいつと何かあったら俺が守ってやる。と、その代わりその同盟ってやつか?俺の国と結ぼうじゃないか」
「ん、えぇ!?よいのか?同盟ということは同等の付き合いということになるのだぞ?」
「まぁリュカちゃんと結婚できないし、それでいいだろ。あと少し手伝ってもらいたい事があるんだ」
「なぜっ!むーっ・・・まぁよい契の話は後々詰めていくということにしよう。で、手伝って欲しいこととは?」
シーカがさらわれたこと、そして国の運営の仕方などを教えて欲しいと伝えると喜んで受けてくれるといった。こうして運営などについて教えてくれる者が10名龍星国からこの国にやってくることになった。シーカについても調べてくれるとのこと、これで見つかるだろう
話し合いが終わり家まで連れていく。
今日は泊まっていくとうるさいのでリュカも連れていくことになる
家に帰るとエリが手紙を書き終えていたが周辺の国というのが人間国家だけであったためリュカに教えてもらいながら魔族の国にも送るてはずとなった。
「それで、この国はなんという名前にするか決めたの?」
うーん・・・なにがいいんだよ・・・
「えっと、お前達はどう思う?何かいいなまえない?」
「ユーキ王国でいいんじゃないのー」
「ラーシュは適当なこと言うな」
「どういう国にしたいんだ?」
リュカがそんなことを聞いてくる。どんな国か・・・そんなこと考えたこともなかったな・・・でもそうだな・・・
「なにもおもいつかないな」
「「「うーん」」」
「じゃあみんなの名前からとろうか」
「ユシリエラでどうだ?俺のユ、シーカのシ、リュカとエリと一応ラーシュも入れてやったぞ」
「ユシリエラ王国か」
「王国よりも教国とかにしようかな。俺独自の教えみたいなのを作っていこうと思ってるからさ」
まぁ独自っていうより昔の記憶っていうかね、うん。
「そっか、じゃあユシリエラ教国だな」
「は、はい。いいと思います」
こうしてユシリエラ教国が誕生することになる。後々国の名前の由来などが教科書に載ることになり理由を聞かれたが誰も話さなかったという。そして色々と噂ができていったということは遠い未来の話
次の日リュカが帰ると言うので玄関で送ることになる
「じゃあ、世話になった。食べ物が美味しくて帰りたくないが・・・まぁ私も一国の姫だ。仕事が残っているので帰ることにするよ」
「まぁまた今度来れるさ、」
「うん。じゃあ」
そういうとリュカは歩いて行ってしまう
少しして携帯の警報が鳴り響き見てみると黒い龍が上空のセンサーに反応した音だった。あれがリュカの龍の姿か・・・案外可愛いな。こんなこと言ったら怒られそうだな。また今年中にでも会えたらいいな
そんなことを考えて見送ったのだが3日後に龍星国の10人として戻ってきてリュカが追いかけてくる日が始まるとはこの時はまだ知らない。それから国の整備や手紙などで忙しい時間が過ぎていった。