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第一章 国建設 K

 あっれーおかしいな。荷台に乗っていたはずのラーシュがいない。

 まぁどっかより道でもしてるんだろ。そんなわけないよな・・・落としたか。まぁいずれ戻ってくるだろう



 それよりもだ妹が俺のことを疑うような目で見ている。うん。わかるよその気持ち。家に連れてくとか言って草原だもんな。とりあえず普通の家でいいからちゃちゃっと作ってみるか。

 といっても家の設計なんかやったことないしなぁーまぁ完成系を想像すれば創れそうな気もするけど、実家はあまり良い思い出がないから祖父ちゃん家みたいな感じのを想像しようかな。えーっと、昔のお屋敷みたいな家だったなぁ。結構広かったし屋根裏とかもあって遊び場には最適だったな、ちょっと古かったけど新しくしたらこんな感じだろうな。トイレは和式から様式に変更な。キッチンとかもそこらへんは俺の知ってる最新式のものを思い浮かべる。少しずつ手が熱くなっていき最後に庭も創造する。手の暖かさがなくなったので目を開けると目の前の想像したようにしっかりと家が建っていた。



「えっ・・・」




 エリが驚いてるようだがそうなるだろうな魔法が珍しいのか、この建物が珍しいのか。まぁどちらもだと思うが




「一応これが家だな」



「え、あ・・・はい」



「不満か?」



「いえ!そんなことないです」



「とりあえず入るか」



 そう言って庭のもんを開ける。こう見ると昔の極道のおやっさんとかが住んでる屋敷にしか見えないな。設備は最新だけど。

 庭を進んで玄関につく。家の中に入ると懐かしい感じがする。全て新しいけど形は昔の祖父ちゃんの家だ。生活用品などはなく新築に引っ越してきた気分だな、欲しい時に作っていけば良いか。とりあえず風呂に入りたいな。エリもはいらせないとな。



「とりあえずこの部屋をつかいな」



 昔泊まりに来てた時によく使ってた部屋をエリに使わせることにする。



「何か欲しいものがあったらいうように」



 おどおどしてるエリをほって風呂場に向かう。風呂場も新しくしてジャグジーにしたんだよな。ラブホなんて比じゃないぜこれ。とりあえず石鹸やシャンプーなどをつくる。できたものをみてみると容器は白なのでメーカーなどわからないけど多分昔使ってたあれだな。匂いがそうだ。何日も風呂に入ってないのでしっかりと洗う。結構な時間入っていただろうか?風呂から出て着替えようと思うがそういえば普通に服がない。着てたこのボロいのを着るわけにもいかないし、つくるか。とりあえず浴衣みたいのでいっか。この家に合ってるし。

 着替えが終わってエリも風呂に入れようと思い部屋に行く。扉を開けると隅っこで座っていた。



「なにしてるんだ?」



「・・・なにもしてないです」



「そうか、風呂に入れよ。きれいにしとかないとな」



「ふろ?ですか?」



「いまはいってきな」



「え?あ、はい・・・」



 そう言って風呂まで案内してから外に出る。外ではシロが日向ぼっこしているよいうだ。



 とりあえず俺の国民は1500人程度いるみたいだし、それくらいは入れる都市をここら辺につくるか。シュベリアみたいに塀で囲まれてたほうがいいかなー安全考えるとな。ここら辺は魔物も多いみたいだしな。とりあえず円状に城壁を思い浮かべる。高さは40メートルくらいだな。これで入ってこないだろ。広さは半径20キロメートルくらいかな。これくらいでいいんじゃないかな?足りなくなったら増やしていけばいいさ。空とかにも一応センサーとかつけて警備も万全にしておこう。なんだか楽しくなってきたな。街の様子はシュベリアを参考にさせてもらって、中心部だけ俺の好みにしようかな。とりあえず城なんかはいらないだろう。ビルがいいな。真ん中にでかいビルを建てよう100階建てだなーロマンを感じるぜ。そこから半径1キロくらいまでは何も建てないでーっと。




 そうして何時間もいろいろ考えて目を閉じて手を前に出して立っているのであった。




 

















 佑樹が街を作っているとき。ラーシュはひとり草原を歩いていた。



「もう歩けない・・・なんで、なんでおいていくんだよ・・・」



 イライラしながら歩いている。

 あとどれくらいでつくのだろうか、目の前に広がるのは草原だけだ。いくら歩いても着かないような気になってくる。



「今日は休憩しよう・・・。」



 その場に座り込んでため息をつき目を閉じる。

 こんな草原で寝てたら魔物に襲われたりして・・・。ゆっくりねむれもしないや・・・。今目をあけたら魔物が目の前にーなんて




「!!!!」





 目を開けるとそこには女の子が顔を覗き込んでいる。銀髪はユーキの髪の色に似ていて瞳はサファイアのようだ。長い髪はいい匂いがする。15歳くらいの見た目でこの世のものとは思えないほどの美貌だ。幼さの残った顔が不思議そうに顔を覗き込んでいるのだ。息がかかるほど近くまできていたというのに気づかないなんて・・・。これでも僕はエルフだ。気配などの察知能力は長けている方だと思う。

 近づかれたことにも驚いたがその見た目に目を惹かれ声も出せずに見つめてしまっていた。




「この辺だと思ったんだけどなぁ」



 声も可愛らしく聞いているだけで心地よい。

 でも、このへんってなんのことだ?



「んー、君からはあまり魔力を感じないな。この辺ですごく大きな魔力を感じたんだけど知らないかな?」



 そんなこと言われてもわからない。大きな魔力?エルフは魔力の感知を得意としないのでどれほどの魔力があるかなんてのはわからない。けど、なんとなくユーキのことを思い浮かべた。




「だんまりかー・・・。ん、」




 いきなりその女の子が後ろを向く。




「やばいなぁ・・・もう逃げる時間はないか・・・」




 いきなりそう呟くと僕の上にちょこんと座ってきた。




「えぇ!?」



 見た目通りで軽いその体は柔らかく、いい匂いが全身から漂ってくる



「もうダメみたいだけど、なんだか君の近くは安全そうな気がしてさっちょっとだけ失礼するよ」



 少女がそれを言い終わる前にごぉおおおおと地響きがして遠くの地面がめくれ上がってくるのが見える。そしてそれがすごい勢いでこちらに迫ってくる。その波は円状に広がっているようにすごい範囲で起こっておりこの少女がいったように逃げ場はないように感じる。

 もうだめだ・・・なんでかも分からず死ぬのか。シーカにあいたい・・・そんなことを考えながら目を閉じ轟音が迫ってくると同時に気を失った。













 ん・・・ここは・・・・・・どこだ?

 目を覚ますとなんだか見たことのあるような街並みが目の前に広がる。ここは・・・シュベリア?まさか道端で寝てしまったのか?夢を見てたのか?でもなんだか少し違うな・・・。



 違和感を感じて周りをしっかりと見渡していく。

 まずひとつおかしいのが人がいない。それとすべての建物が新しいような気がする。見渡しながら立ち上がると後ろから声がした。



「おきたか、私も驚いた」



 そこには銀髪の少女が立っていた。



「君はいったい・・・。それとここは・・・」



 聞きたいことがたくさんありすぎて、言葉がうまく出てこない。



「そうだな、私はリュカ。ここは先程までいた草原だな」



「は?」



 なに?草原?どこがだよ



「いや、失礼。リュカちゃんだね。あの草原っていうのはどういうことかな?」



「ん、そのままだよ。あの地割れは建物などが生えてきた時のものだったようだ。すごい魔力が迫ってきてまさか街を作っているなどと誰も思わないから私も驚いた」




 建物・・・ユーキか!



「ユーキ・・・」



「ユーキといったか。それがそなたの名前か?」



 可愛らしい声なのだがなにか偉い人と話している時のような感覚に襲われる



「いえ、僕はラーシュ。ユーキってのは多分この魔法を使った人だよ」




 すろと少女は驚いた顔をする。目をまんまるにしてすごく可愛い。



「この魔法を使ったのは人間なのか?」



「あ、んー人間というか・・・」



 エルフといえばいいのか人間といえばいいのか迷い言葉が濁る



「おぬしの同胞ではないのか?」




「多分だけど、人間と魔族のハーフだと思うんだ。魔族は確かに僕と同じ種族の魔族だと思う」



「そうなのか・・・。おぬしはそやつのところに行くのか?」



「うん、そのつもりだけど・・・」



「なら私もついていって良いか?」



 え?なんでこの子がついてくるんだ?ていうかなんでここに来たんだ?色々と頭の中で想像していく



「あまり変なことを考えないで?私はあなたたちに危害を加えるつもりはないんだ。ただ逆に私たちにも危害を加えないで欲しいと思ってだな・・・」



 そうか、この子はどこかの魔族で魔力察知に長けてるんだな。それですごい魔力を持ったユーキを恐れて話をしに来たと



「君も魔族なのか。僕はあまりほかの魔族にあったことがなくて気がつかなかったよ」



「うむ。私も基本的に他の種族と関わりを持たないで生活をしてきたが生活を脅かされては困るのでな。人間ともあまり関わったことはないのだ」



「わかった。多分この街の中心部、っていうかあのでっかい塔に彼はいると思うよ。じゃあいこっか」



 そうしてラーシュはリュカを連れて佑樹のもとへ向かっていった。

























 













 少し時は戻る。


 風呂場まで案内されたエリは何がどうなっているのか、何をすればいいのか、風呂に入ったことのないエリは戸惑っていた。風呂というものは王族や大貴族だけが入れるもので庶民やましては奴隷など存在さえ知らないものである。だがたとえ王族であってもこの風呂には驚いたであろう。最新の設備を前にして何をどうすればよいのかわかる人間はここには誰ひとりとしていないのであった。



「どうしよう・・・」



 なにをすればいいの?考えよう。服を着たまま風呂場に立って周りを確認する。


 多分この大きな水瓶の中はお湯だ。湯気が出てるから水ではないだろう。そして主人は綺麗にしろと言っていた。このお湯で掃除をしろということ?それにこの部屋の中は全体的に濡れている。これを拭いたりするってことかな。よし、じゃあ・・・この部屋に入る前に綺麗な布があったなぁ。


 こうして風呂場ないの水滴を拭いていくのであった。





 1時間後

 流石に掃除終わったけど、どうすればいいんだろう・・・。

もう戻っていいのかな?この部屋は暑くて少し汗をかいてしまった。

 でも勝手に移動したら怒られるかもしれないし・・・。

 床の隅に座って待つことにする。



 何時間たっただろうか?少し眠っていた私は地面が揺れてることで目を覚ます。どんどん揺れが遠くになっていき揺れが収まる。あたりが暗いことに気がつく。どうしようか迷っていると入り口のドアが開いた。

 いきなり周りが明るくなり目をこする



「なにやってるんだ?」




 主人がこちらを見ながら問いかけてきます




「言われた通りにきれいにしました、戻っていいのかわからなくて・・・」



 言葉をさえぎられ主人が話します



「綺麗にしろといったのはお前の身体のことだ・・・はぁ風呂に入ったことがないのか?」



 ふろというのがわからないのですが・・・



「ないです・・・体を拭けばよかったですか?」



 涙目になりながら聞くと



「仕方ないか、今回だけだ・・・妹だ。そうだ問題ない」



 よくわからないことをつぶやきながら近づいてきます



「俺が風呂に入れてやる。とりあえず服を脱げ」



「え、はっはい・・・」



 服を脱がされるということは何をされるのか私でもわかります。優しそうな主人も本当はそういう人だったということです。頭が真っ白になりながらどうすればいいのかも分からず、言われるがままに服を脱いでいきます。



「お前もぱんつはいてないんだな・・・」



 主人がまたよくわからないことを言っています。私の裸を見て、近づいてきます。泣きそうになります。




「大丈夫だ、なにもしないよ」



 そんなこといわれたって、でも主人は服を脱いでいません。これはどういうことでしょう?頭の中で知識を搾り出しますがまったくわかりません。



「まずここに座って目を閉じろ」



 そういわれて反射的に目を閉じます。導かれるようにいすに座らされます

 するとザーッと水が流れるような音がして、いきなり頭にお湯をかけられました。びっくりしましたが目を開けれないので少し前かがみになりながらおとなしくします

 すると少し冷たいものを頭にかけられごしごしと手で髪の毛を洗っているようです。この匂いはお花の匂いです。そしてしばらくしてまたお湯をかけられ、それを何度か繰り返しました。

 目を開けると主人が少し困ったような顔をしています。



「えーっと、次は身体も洗わないとな、洗い方を教えるから自分でやってみな」



 そういわれて石のようなものを水にぬらして布で擦ると泡が出てきます。それで私の背中を擦ってくれます



「こうやって身体全部洗うんだ。わかったか?」



 そういわれてこれは身体を洗っているのだとわかりました。昔はぬらした布で身体を拭くだけでしたが今やってるのはたぶん高級なもので汚れを落とすのでしょう。



「はい…」



 そういうと主人は後は自分でやりなさいといって布を渡してくれます。



「あと、お湯を入れなおしておくからその中に入って100秒数えてから出てくるんだよ、わかったか?」




「はいっ」




 お湯に入ってから出てくるようにいわれたので、恐る恐るお湯に入る。温度は心地よいくらいで気持ちよく時間を忘れてしまいそうでした。しっかり100秒でお湯を出て部屋を出ます。すると主人が布を持って立っていました。



「これで身体を拭いてこの服を着な」



 そういって凄く綺麗な布と、服を渡してくれました。普段着ているものとは違ってかわいらしい動物の絵が描いてある綺麗な服でした。主人は『ぱじゃま』といっていましたが凄く高級なものだと思います。こんなによくしてもらって襲われると勘違いしてた自分に怒りを覚えます。



 



 こうしてエリは初入浴を済ませ、ご飯を食べることになるのだがそこでも知識の違いや豪華さなどで困惑することになるのであった。


















































「まだつかないのか…」




 どれくらい歩いただろうか、もう朝日が見えている。




「君が遅いだけだよ…私思うんだ、君、体力なさ過ぎないかい?」




 銀髪の美少女リュカが困ったような顔でこちらを見てくる

 仕方ないじゃないか、もともと体力がないんだ…




「あの塔まであとどれくらいなんだ…」



「このペースだと一日くらいかなぁー私だけなら半日もかからないけど…」



「まってくれ」



 そういってしっかりとリュカを見つめる



「絶対においてかないでくれ」



 泣きそうな目でそういうと



「わかってるよ、私もひとりで会いに行って門前払いされたら困るし」



「よかったぁ」










 ラーシュたちがビルに着くのは一日後のことであったが、ユーキはそこではなくビルから500メートルほど離れた家にいることに気づかずに半日ビルの前で過ごすことになったのはここだけの話である。


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