勇者と魔王
「なあ……師匠…俺たちのこの力があれば世界征服できるぜ?……人間なんて滅ぼしちまおうぜ?」
私は魔王タナーカー。
こいつは魔界の孤児だったのをその魔力の強さから私の弟子にした悪魔の子マサール。
なんか最近目がギラギラしてる。
多分私こいつに殺される。
『力をつけすぎて師匠の存在が疎ましくなって私を殺して『ハーハッハッハッ!俺は魔王を殺した!俺が新しい魔王だ!』とかいうパターン』だよ。
「師匠……俺はもうあんたを超えた……あんたはスッカリひよっちまった。あんたを殺して俺が新しい魔王になる!」
「え~?」
おいおい早速ぅ? やだなぁ。
こいつの黒魔法は本当に強いもんなぁ……
あーあ。
勇者タナカッチと戦っていたころがなつかしい。
もーやだ。
ダークサイドのキャラの師匠は大体力をつけすぎた弟子に殺されちゃうんだもんなぁ。
「魔族がせめてきたぞー!」
村人が叫んだ。
「師匠!大変だ!村がほろぼされちまう!」
「いそがねば!」
そうはいいながらも私。
勇者タナカッチは『これから俺は死ぬんだろなぁ』
と思っていた。
私の後ろを弟子である『マッサル』がついてくる。
『今は私の方が強いけど、潜在能力は私より上』的な弟子キャラだ。
「我が名はマサール!新しい魔王だ!」
うわー最悪!新しい魔王若い!
17才ぐらい?
俺の年齢が35だから……
テンプレ的に35の勇者と17の魔王はないもんなぁ……
これは確実に
『俺殺される』
『村は滅び、マッサル生き残る』
『マッサル旅にでる。新しい勇者と新しい魔王の物語が始まる』……
パターンやで。
RPGでいうとこの『2』のパターンや。
そう思ってたら黒魔法でやられた。
「師匠ぉーー!!くそっ!師匠の仇は俺がとる!あんたの『白魔法は人々の幸せのためにある』って言葉……忘れないぜ!」
頑張れよマッサル。
言ってなかったけど実はお前、俺なんかとは比べものにならないぐらい強い『伝説の大勇者の前作主人公』の息子だから多分勝つよ。
漫画における血筋はすげー大事だから。
俺死んだ。
次回『アニメにおけるマッチョキャラ』