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第四話 黒魔女の悲しみ
私はどこかの村にいた。その村は滅んだ。帝国が滅ぼしたらしい。でも、伯爵に教えて貰わないと分からなかった。
「さ、カルツィ。お茶にしよう」
「今日、お客様が来ていたのですか? 」
「ん、ああ、そうだよ」
「どんな人でしたかー? 」
「優しそうな人だったよ」
マカロンをほうばり、その人達について思案する。私も他人に会いたい。
「カルツィ、あなたはまだ外には出ちゃダメよ。ねえ、ビィト」
「ああ、そうだな。もう少し体調を元にもどさないとな」
「そうですか」
しょんぼりして、お茶会を終える。さて、今日も調べよう。
「うーん、何にも見つからないなあ」
書庫の本にめぼしいものはない。仕方なく伯爵の元に戻る。
「彼女が伝説の黒魔女というのは伝えなくていいの? 」
「伝えないさ」
「そう……」
伝説の黒魔女…!?吐き気がする、なんで、ああ。
全て、思い出したよ。
私の名前はリィアネ。
火にあぶられた、黒魔女。
村を滅ぼした、黒魔女。
悲しい。なぜか悲しかった。




