第十五話 相談事~4月20日~
王都の南側にある小高い丘。そこで今日は練習休憩時間に相談してみる。
「フォンゲルト、俺さカルツィ見ると苦しいんだよな。それになんかベルの態度が素っ気ないというか」
「モテるな、お前」
「……どういうことなのか説明してくれないか? 」
「ああ、お前は──カルツィが好きなんだ。リリに対して俺も悩んだことあった」
つい叫びたくなってしまった。カルツィのことが、好き?何で……。
「まあ、そういうことだろ。ちょっとカルツィ呼んでくる」
「分かった」
丘に寝ころぶ。カルツィのことが、好き。つまり将来的には……。
「っ!? 」
殺気を感じたので、ばっ、と起きあがる。な、誰が……。
そこにはフォンゲルトから見せてもらったリリの絵にそっくりな女性が。え?
「あらあら、バレちゃったかしら~? 私はシェルリナ=リュメヒ。あなたを動けなくしに来たの。リリとは違ってね! 」
「……っ」
「このSIG552でね」
突如やってきたリュメヒ家の女性が狂った笑い声と共に俺の体に容赦なく傷を増やしていく。意識が、意識が──遠のく……
「ミカエル! ミカ──」
ミカエルは見たこともない武器にやられました。
この時は銃なんて流通してません。




