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真実を探し求めて  作者: 神崎美柚
ミカエルの章~特訓の日々編~
13/40

第十三話 合間に~4月12日~

「ふう、疲れた……」

「お疲れさま。お昼、作ってきたの」

「カルツィ、ありがとう」


 最近は雨が続き、中々外で練習ができない。そのため、宿屋の一階にあるフリールームを使わせてもらっている。

 お昼はカルツィお手製のお昼ご飯。最初は指を傷だらけにして作っていたらしいが、傷は減ってきた。


「おお、今日はド・カーテもあるのか」

「頑張ったよ、私! きっと美味しいから」

「毎日ありがとうな」

「えへへ」


 頭を撫でてやる。笑顔のカルツィにどきりとする。可愛い。


「ところで調査の方はどうなんだ」

「それがね、リュメヒ家、中々開放的じゃなくて。閉鎖的なわけ。ベルの調べもつかないしマスターも調べられないって」

「そうか……」


 パルメチオの炒め物は中々美味い。貴族の食べ物、こんなに美味いのか……。


「おばさんに教えてもらったの。ディアーグの実がアクセントなんだって」

「へえ。このプチプチとしている実が? 美味しいなあ」

「うん、あ、ありがとう」


 カルツィは褒められたのが嬉しいのか顔を真っ赤にしている。や、やばい。可愛いすぎる。


「どうしたの? 顔、赤いよ」

「え? カ、カルツィこそ」

「うっ……」


 するとそこにフォンゲルトが現れた。最近はフォンテーヌと行動することが減っている気がする。


「おう、邪魔したな……」

「待て待て」

「せっかく二人きりなのを邪魔しちゃ悪いだろ」

「な、何を考えてるんだよ」

「おうおう、じゃあまたな」


 ティフゥ(甘いお茶)をくれた。何のために来たんだ、全く……。


「カルツィ、ティフゥをくれたから飲もうか」

「ティフゥ……美味しいよね」

「うん」


 他愛もない会話。カルツィと一緒にいるととても楽しい気分になる。


「さて、そろそろ再開するか」

「頑張ってね! じゃあまたね」

「うん」


 俺はまた剣の構えの練習を始めた。

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