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転生

side 翼



「・・・・・・ここは・・・何処だ?」


 何処までも真っ白な空間に俺は居た。見渡す限り一面が白。地面と天の違いも分からないほどだ。


「床は・・・何だろう?大理石か?」


 実物を見たことはないが、恐らくそうだろう。


「しかし・・・やけに明るいな。」


 この空間は、神々しい光に包まれていた。


「俺は死んだはずだ・・・。」


 ビルの屋上から飛び降りた。確実に死ぬ高さだった筈だ。つまり・・・


「成程、ここが死後の世界ってやつか・・・。でも、地獄って思ってたより明るいんだな・・・。」


「いや、ここは天国だよ?地獄はもっと暗いから。」


 その時、俺の目の前に人が現れた。先程までは、確かに誰も居なかったはずだが・・・。


「いやー、少しは驚いてくれないと悲しいな・・・。」


 おまけに、そいつは俺と瓜二つだった。


「可笑しいな・・・。俺に双子は居ないんだが・・・。」


「いや、驚いてくれるかなと思って、わざと君の姿で出てきたんだけど・・・君は反応が薄いねえ。神様は悲しいですよ・・・。」


「へえ・・・アンタ神様なのか。」


「一寸は驚いてくれてもいいんじゃないかな・・・(´・ω・)」


 落ち込んでるな・・・。しかし・・・


「何で俺は地獄に落ちないんだ?それとも、これから落ちるのか?」


「トンデモない!君を地獄に落とすわけないだろう。こんなにいい子なのに。」


 それを聞いて、思わず笑ってしまった。


「いい子、ねえ・・・。クラスメイトをナイフで刺して回った極悪人だぜ?」


「僕は、それが悪いことだとは全く思っていない。」


「なんだと・・・?」


「僕の事を勘違いしてるみたいだけど、自分の正義を貫く為の戦いを、僕は処罰したりしないよ。女の子にあんなことをした人間は、報いを受けて当然だと思ってる。君がやらなければ、僕が直々に天罰を下していたところさ。」


 そう言う彼の顔は、本気で怒っているように思えた。


「安心していい。君が警察に送った証拠品によって、主犯グループは少年院入り。それ以外の遠巻きに見ていた子達にも処分が下ったし、担任も教師を止めさせられた。君がナイフを刺した彼らの傷も、消えることはないし、テレビでも報道された。・・・それだけ大きな事件だったってことだよ。」


「そっか・・・良かった。」


 これで、あいつも浮かばれるだろう・・・。


「それが、そうでも無いんだ。」


「え・・・?」


「これが、君をここに呼んだ理由でもある。・・・・・・君、異世界に転生してみないかい?」






「意味が分からないんだが・・・?」


「簡単だよ。現在の記憶を残したまま、異世界でもう一度人生を送るつもりはないかい?」


「無いな。」


「どうしてだい?」


「簡単だ。この記憶を残していたくない。あいつがいない世界で、あいつの事を思い出しながら暮らすなんて真っ平御免だ。」


「成程・・・。じゃあ、その世界に彼女がいた場合は・・・?」


「何・・・?」


 彼は大きく溜息をつくと、話を続けた。


「本当は、死んだらこの世界で転生するんだ、記憶を消してね・・・。でも、彼女の魂を、異世界の神が連れていって、そこで記憶を残したまま転生させてしまった。・・・これは誘拐だよ。」


「な・・・・・・!」


「その世界で、彼女はまた窮地に立たされてる。一人ではどうしようも出来ない環境にいるんだ。・・・そして、今度は死ねない。」


 意味が分からなかった。何であいつだけこんなに酷い目にばかりあうんだ・・・!


「・・・俺に、助けられるのか?」


「君じゃないと無理だ。彼女の心を助けられるのは、君しかいない。」


 その言葉を聞いて決意が固まった。


「助けに行く。」


「分かった。・・・基本的な身体能力の強化を施しておくよ。それと、一つだけ、どんな能力でも与えよう。」


「能力?」


「ああ。不老不死でも、全てを壊す力でも、君の望む力を。今すぐじゃなくていい。向こうの世界に行ったら、考えておいてくれ。」


「分かった。」


「それじゃあ、頼んだよ・・・・・・。」


 俺の視界が、どんどん暗くなって・・・。






「・・・何処だ、ここ?」


 俺は、見渡す限りの草原に立っていた・・・・・・。

かなり強引な展開になってますが、まあいいか。さっさと本編に入りたいし。

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