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原作では悪役女性短編集

夏休み! みんなで遊ぼ!

 私の名前は川端ことね。 ごく普通の女子高校生だよ。 夏休み真っ只中の今日、みんなで旅行に行くんだ。 


 「暑いし⋯⋯私、こんなことしてる場合じゃないんだけど」

 「もう! 彩乃ちゃん! そんな卑屈な態度では、人気はでないよ!」

 「はぁ、何言ってるのアンタ」


 この子の名前は、桐原彩乃。 クラスメイトなんだ。私は彩乃ちゃんって呼んでるよ! 時々自分の世界に入って変な一人言を、言い続ける中ニ病なところがあるけど、親友だよ!


 「⋯⋯今明らかに私を馬鹿にしたでしょ!」

 「えぇ! よくわからないな〜」

 「おはよう、ことねちゃん!」

 「舞香ちゃん、おはよう!」

 

 この子の名前は、桐原舞香。 彩乃ちゃんの妹で、マイマイとか舞香ちゃんとか呼ばれているよ! 私のかわいい、妹分なんだ!


 「今日も舞香ちゃんはかわいいね!」

 「ありがとう! ことねお姉ちゃんもかわいいよ!」

 「ことね! お待たせしましたわ。 彩乃さんおはようございます。 ⋯⋯あ、マイマイもいたのですわ⋯⋯」

 「ミウミウ。 なにそのリアクションは? 私がいたら駄目なの?」

 「別になんでも、ないですわ」


 このですわ口調の女の子の名前は、櫻井美羽。 クラスメイトだよ。 美羽ちゃんは生徒会のマスコットのミウミウも担当してるんだよ! いつも人形を被って「ブグ」って言うんだ!


 「⋯⋯ことね? 今、すごく不明瞭な説明が入りませんでしたこと?」

 「え! そんなことないよ、美羽ちゃん!」

 「そうですか? それならいいんですが⋯⋯」

 「私が最後かな? みんな、おはよう!」


 この方の名前は倉石瑞稀。 クラスメイトなんだけどーーなんと生徒会長なんだ! でも私はみずちゃんって気軽に呼ぶんだ!

 

 「さて、今日はみんなで海に行こう!」

 「『わーい』ですわ」

 「じゃあ私パス、帰るね⋯⋯」

 「彩乃ちゃん! なんで帰ろうとするの!」

 「そうだよ、お姉ちゃん! 一緒に遊ぼ!」

 「だって私、⋯⋯そこの二人とあんまり仲良くないし」


 なんてこと! 旅の開始早々トラブル発生! 私は問題の二人を睨みます!


 「なんですか? たしかに、マイマイと比べると、仲良しまでは言えませんけど、一応クラスメイトなんですよ、彩乃さん?」


 バレバレだよ美羽ちゃん! 貴方のですわ口調はどこに置いて来たの? 


 私、美羽ちゃんが相手と壁をつくる時は、敬語で話すって知ってるんだから!


 まったく、人見知りなお嬢様には、まったく困まってしまいますねーー


 「ことね? 貴方、今日はいつにもまして、失礼ではありませんこと?」


 ーー切り替て行こう! もう一人を私は、睨みます。 生徒会長さん!


 「うん? 私? 私は全生徒に平等に情熱を持って注いでいるから⋯⋯」

 「⋯⋯どの口が言ってますの、怠惰なサボり魔の癖にですわ⋯⋯」

 「今、我々の間には亀裂が入った! ミウミウそこに座りなさい!」


 ああ! 駄目だよみんな! そんなに騒いで! 仲良くしようよーー


 「⋯⋯私、悲しいな、お姉ちゃんとみずちゃんとミウミウと一緒に行きたいよ!」

 「『さあ、仲良く行こう』ですわ」

 

 私は舞香ちゃんにウインクをする、舞香ちゃんも私にウインクを返したよ!


 「はい、お姉ちゃん! 用意したよ水着!」

 「これ着るの恥ずかしいんだけど⋯⋯」

 「彩乃ちゃん、恥ずかしいくないよ、むしろかわいいよ」

 「屋台に色んな食べ物が売ってますわ! ⋯⋯すみません全部ください!」

 「ふぅ、やっぱりのんびりした景色、映えるね」


 それぞれに海を楽しむのも夏かな?


 「なんで私が写真を撮るのよ!」

 「お姉ちゃんにぎゅ」

 「もう一人私がぎゅ」

 「ちょっと、ことね! 痛い! 締め付けすぎよ!」

 「ふぅ、次はなにを食べようかしら⋯⋯」

 「ミウミウ、お前の体はブラックホールなのか! 羨ましい!」


 さてさて、旅館にチェックイン! そして、お風呂へGO。 


 そして、お楽しみの布団での女子会!


 「⋯⋯湊ったら、もう、特別に⋯⋯だからね⋯⋯」

 「相変わらず変な夢を見てるわね」

 「湊さんって噂のハーレムを目指している人?」

 「そうよ、とんでもない、奴よ!」

 「湊くんは、私と一緒の時もことねの話しをしてましたわ」

 「へえ、ハーレムか。 爆破して欲しいな」

 「お姉ちゃんは健ちゃんが好きなんだよね?」

 「な、なんのこと? ⋯⋯私、知らない?⋯⋯」

 「健ちゃん? ああ、柳田健太のことですわね」

 「なんだと! 生徒会庶務の柳田健太だと。 彩乃! アンタに話しがある!」

 「なによ! いきなり、怒鳴らないでよ⋯⋯」

 

 あれ! もう朝だ! せっかくの女子会が! 楽しみにしてたのに!


 「柳田健太。 ⋯⋯別にアンタに褒められても嬉しくないんだからね」

 「我々生徒会はリア充、撲滅法案を施行する!」

 「ホテルの朝食、食べ放題ですわ!」


 みんな抱き合って寝ている、仲良しならよし!


私は、離れたところで座っている、舞香ちゃんに挨拶をした。


 「ありがとう、ことねちゃん!」

 「どうしたの? 舞香ちゃん?」

 「最近! お姉ちゃんが楽しそうなの。 ことねちゃんと会うまでは、お姉ちゃん毎日、笑顔を作っていたの。 でも知ってるの、毎日お姉ちゃん泣いてた。 私、知ってて、だけどなにも出来なくて困ってたの。 でもことねちゃんがいて、健ちゃんがいて、みんながいる。 ありがとう、ことねちゃん」


 私は舞香を抱きしめた。 私は今から、過去には戻れない。 だけど、これからはみんなの笑顔を守って生きたいよ!


 「なに、いい話風にまとめようとしてるのよ」

 「私たちの戦いはこれからだ!」

 「そうですわよ! 美味しい朝ごはんが待ってますわよ!」


 私たちは駆け出す。 これから先ーー未来に、なにがあるかわからない。


 でも進むんだ今日も、これからも、朝日が私たちを照らしてる!



 


 「ことね! このまま終わったら俺、ハーレム野朗確定じゃないか!」

 「諦めようぜ、湊」

 「そんなこと言わないでください! 健太さん!」

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