○の嫁入り
同じ食べ物でも、地域によって呼び名が異なることがあります。例えば、大判焼き、今川焼き、回転焼き、御座候などはすべて同じお菓子です。最近はベイクドモチョチョと呼ばれることもあるとか。
その森ではナナカマドの木が赤い実をつけていた。
小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間にあるお皿には、おはぎが乗っている。
皿の横には湯気のあがる湯呑も置かれていた。
「んとね。白猿さん。おはぎって、ぼたもちと同じものだよね」
「そうだな。子狸くん。どちらもお彼岸のお供えで使うものだ。おはぎとぼたもちの区別は諸説あるが、有力なのは秋は萩の花を模しておはぎ、春は牡丹の花を模してぼたもちというものだ。『こしあん』か『つぶあん』で分けられる場合もあるが、どちらがおはぎになるかは地域や和菓子屋によって異なるようだ」
「そもそもお彼岸って何?」
「彼岸が死後の世界だ。春分の日と秋分の日の前後三日間は、生者と死者の世界が近くなると言われている。だからこの時期にお墓参りをするわけだ」
「んとね。おはぎと聞くと、『おはぎのよめいり』の歌を思い出すの。『ごんべさんの赤ちゃん』の替え歌だよね」
「あの歌はリパブリック讃歌というアメリカ民謡だな。日本ではいろいろな替え歌があるぜ。有名なのは『おたまじゃくしはカエルの子』だな。他に『一丁目のウルトラマン』とかヨドバシカメラのCMソングなんかもあるぜ』




