表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/63

プロローグ⑧

なんだかよくわからない。仮にこもれびの杜の建物の耐震構造が凄まじく優秀にできていたとしても、事務所の中が全く荒れていないことなんてあるのだろうか。

 俺は、目の前の光景が信じられなかった。

「今、めちゃくちゃ揺れましたよね?」

「うん、揺れた」

 きょとんとしているのは、筒原さんも同じだった。大きな揺れがあったことは間違いないようで、やっぱり俺の気のせいではなかったようだ。

「俺、ちょっと外の様子を見てきます。ばあちゃんを見ててもらえますか?」

「うん、わかった」

 事務所が平気なら、外も大丈夫かもしれない。きっとこの近くで、何かが爆発したとか、地割れが起きたとか、それくらいの規模の災難だったのだろう。

 俺はそう思って、軽い足取りで事務所の出入口を出た。


「はあっ!?_」


 思考が止まる。一旦扉を閉めて、また開ける。さっき見た光景がやっぱり目の前に広がって、俺の頭の中は疑問符でいっぱいになった。

「筒原さん……」

「なあに?」

「ちょっとこっち来てもらっていいっすか……」

 ばあちゃんを見てろと言ったり、こっちに来いと言ったり、人遣いの荒いやつだと思われたかもしれない。筒原さんはよっこいしょと言って立ち上がり、ペンギンのような歩き方で俺の元へと歩いてきた。

「あれま!」

 筒原さんはそれだけ言うと、事務所の外に出た。「あっ、危ないかもっすよ!」

「これが噂の、異世界転生ってやつ?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ