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数式の亡霊Sheet3:for_ikumi.xlsm

「見て欲しいファイルがあるんですけど…」

育美はバッグからノートPCを取り出した。

一世代前のMacbookの様だ。


「エル、ここは弟子のお手並み拝見といこうか。」

アキラが芝居がかった口調で促す。

「はい、アキラ師匠」

エルは普段は"アキラ"呼びだが、PC関連の扱いに関しては"師匠"を付ける。

まぁ、スキル的にはとっくにアキラを超えているのだが。


「エルちゃんさぁ、異世界のエルフなら魔法とか使えないの?ほらあるじゃん、鑑定魔法とか」

大人しく水割りを飲んでた常連、川口が茶々を入れた。

アルコールが少し入って、普段の軽口が戻ってきた。

『軽口の川口』のふたつ名は伊達じゃない。


「この世界に来てから使えなくなりました。」

Macbookをイジりながら、ぶっきらぼうに返すエル。

「その代わり魔道具の扱いが上手いんだよなぁ」

アキラが助け舟を出す。

「魔道具?」

「あぁ、エルはパソコンなんかを魔道具って言ってるの」


「元の世界の師匠が言ってました…」

エルが続ける。

「魔道具が高度に発展すると誰もがその道具を頼り、魔法自体は廃れてしまうと。この世界に魔法が存在しないのはこんな便利な魔道具で溢れかえってるからですよ」


「さて、育美さん。ファイルはどれですか?」

「これなんですけどね」

育美が指差したファイルをダブルクリックするエル。


for_ikumi


エクセルが起動する。


「あー、育美さんエクセル入れてるんだ。Macのほらナントカってやつじゃないんだ」

アキラが言いたいのはApple社純正の表計算ソフトNumbersの事である。

「ええ。社会人なら絶対要るって言われて、よく分からないけどとりあえず…だからほとんど使ってないですね。」


ファイルが開くと同時にダイアログメッセージが現れた。


[今日は特定の日付ではありません。]

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