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文明崩壊を楽しもう!


 そういえば朝焼けがヤケに長いなぁとかのんきに考えてたけど、全然太陽が動いてないじゃん! なんでよりによって朝焼けで時間が止まってんだよ!


 俺たちは朝焼けに灼かれて死んだからムナクソワリィジャネエカヨ!!!!!!!!!!


「て、ちょっと待て、それじゃあガイアはリスポーン出来なくなったのか?」

「いいや、あくまで時間が消えたのはアトランティスだけで、神が一度戻ってゆく天界は無事じゃ。それにそうそうウチの母ちゃんは消滅せんし」


 そう言われてももう3回くらいお前の母ちゃんぶち殺してるんだけどな。しかし言われてみればこのアトランティスの世界地図はまんまるな大陸がドーンと1個あるだけで、島や他の大陸は見当たらない。南極どころか海ですら一繋がりである。やべえ。


 てっきり俺はこの大陸だけの詳細地図で、世界全体を記した地図自体はまた別にあると思っていたが、マキマキおじさんによればこの地図は正真正銘、この世界の全てが記された世界地図であると言う。神さまが言うんならその通りだろう。それに俺はマキマキおじさんに全幅の信頼を寄せてるからね!


 とはいえ時間すら消してしまっていたのか、俺とエシャーティの合体技は。それはつまり不老不死かつ空腹や渇きすらも奪われたってこと?


 う、うおおおおおおおお!

 最高じゃないかァァァァ!


 俺、ガチのマジで美少女たちと永遠にキャッキャできる環境をゲットしちゃったんですけど質問ある?


「ひゃ、ひゃっほーい!!」

「うわ、急に叫んでどうしたの」

「いや、お前たちと永遠にキャッキャできると思ったら、あまりにも興奮してね!」

「なるほどね、あなたはそう捉えたの。ねえアグニャ、あなたはどう?」

「みゃ?」


 エシャーティはそこら辺で穴を掘り、トイレをしようとしゃがんでいたアグニャに声をかけた。アグニャはうみゃ〜んとかふにゃにゃ〜とか考えているのか踏んばっているのか分からない声を出し、ぷるぷると小刻みに尻尾を揺らしながらおしっこを出している。


「ご、ごめん、おトイレしてたのね……」

「みゃん〜、終わったミャ!」

「ここは砂浜だからいつでもしていいんだぞ!」

「みゃん〜! もちろんそのつもりみゃ! それはそうとおじちゃんが今立ってる場所、夜中にうんちして埋めた場所ニャ」

「うわ、きったね!」


 早く言えよ! 結構長いこと立ってたぞ! あー、きったね、砂浜だからずっと靴脱いでるし、もし踏んでしまってたら大惨事だぞ。ていうかもしかして既にそこら中にアグニャの落とし物が潜んでいるのか……?


「にゃん〜」

「アグニャ、お前まさかそこら中にうんこ埋めてるのか?」

「大丈夫だみゃ。ちゃんと深く掘ってるミャ〜」

「うわぁ、靴履こっと」

「うみゃみゃ、失礼だミャ。だいたいおじちゃんはどこで済ませてるんだミャ?」

「お、俺は……その、海だよ」

「ほげー!!!! ワシの管轄で何やっとんじゃい!!」


 仕方ないだろ! あんな履いてないような着心地の水着を着て海なんていう開放感の代名詞みたいなのに入ったら出ちゃうんだよ!!


「き、きったないわねー! あなたそれ……あなたそれよ!」

「どういう意味だよ! ていうかエシャーティはどこで済ませてるんだ?」

「女の子になんて事聞くのよ!!」

「みゃあ〜! エシャーティはしたくなったら穴を掘ってって頼むニャ! 海に着いてからはエシャーティもすにゃはまでやってるにゃん〜」

「キャァァァ、なんて事バラすのよ! このバカ!」

「ミ゛ャ」


 テンパったエシャーティはアグニャの尻尾の付け根をツンツンする。おいおい、突つくにしてももっと他のポイントがあるだろうに、なんでよりによってそこ押しちゃうんだよ。ほら、不意の快感に襲われてアグニャがあられもない声を……


「ミ゛ャ! うにゃぁ〜ゴ!?」

「ふんっ、ふんっ!!」

「おい止めてあげろよ、そこは敏感なんだよ」

「ふふーん、甘いわエリミネーター。あのね、ここは腰兪、志室、大腸兪っていうツボがあるの。効果効能は……」

「ふっ、ふみゃっ、ふみゃァァァァァん」

「ほーら、痛くなーい。ここを押すとね、女の子特有の悩みにキクのよ!」

「お、女の子特有の悩み!?」


 なおもエシャーティはしっぽの付け根をツンツンと押しまくり、アグニャはだんだんへばり込んでしまう。しかし砂浜に倒れ込むとここぞとばかりにエシャーティは体重を乗せてギュ! とツボとやらを押してしまった!!


 ビクン! とアグニャは腰を高く反りあげ脚もピーンと伸び切ってしまい、しっぽはフッサァと膨らませて降参しましたと言わんばかりだ。あの、ほんとにツボなのか、そこ。どう見ても別のポイントを的確に押してるようにしか見えませんけど。まあ女の子たちが戯れているのは見応え抜群なので見るけど。がんばれアグニャ。


 腰を思い切りあげ太ももを張らせたアグニャをジッと見つめたエシャーティは、今度はズイと肉付きのいい太ももやふくらはぎに手を近づけ、新たなツボを押しまくる。


「あっあっ、そこはにゃんだか癒やされるミャ……」

「ほらほら! ここはかの松尾芭蕉も奥の細道で絶賛してた足三里! で、こっちはつま先立ちしがちなアグニャにキく承山! ここは三陰交よっ」

「ふにゃ〜、めっちゃキくニャ……スヤァ」


 うわぁ、めちゃくちゃ気持ちよさそう。そういえばエシャーティって医師免許持ってるからこういうの得意なのか。いや医師は医師でも別物だろこういうのは。


 マッサージですっかり癒やされ気持ちよさそうに眠ってしまったアグニャを見下し、なんだか誇らしげにこっちを見るエシャーティ。なんだ、もしかしてもっとヤリたいのか?


「なあ、よかったら俺にもツボ押ししてくれない?」

「あら! それじゃあココに横になって!」

「ずるいのじゃ、ワシもマッサージされたい!」

「順番にね〜」


 指示通り砂浜に横になると俺の背中にタオルが敷かれギュッギュと押され始める。


 ……ひゃん! え、エシャーティの細い指が俺のガチガチの身体に侵入ってくりゅう! ビチっと閉じた筋肉のスキマにある小さな弛緩点を的確にほじってりゅう!! こんなちっちゃな女の子の指技に屈したりなんか……く、屈したりなんか……!


「あっおあっ、せ、先生、そこヤバい」

「へぇ〜……ガマンはよくないわよ〜!」

「ぎ、ぎああ、キク!」

「ほら、リラックスして! 息を止めちゃだめよ!!」

「はァァァァァァん!」

「……えい!」

「お、おっほー!?」


 お……おっほォォォォォォォォ!?!?!?



エシャーティ(アグニャは意外と首が凝ってたわね。ネコちゃんだから上を見上げちゃうクセがあって、凝ったのかしら)

エシャーティ(代わりに肩コリは皆無。ネコには肩がない名残かしら?)

エシャーティ(で、エリミネーターは……)

エシャーティ(その、頭髪に関するツボがやけに効いてたわね……)


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