最後の時間
さくらが帰る事になり、最後にパーティーや食事会の話しをされたが、何となくそういう事をされるのを断ると、個人的なお誘いの話しが来たので、それらを断る事が出来ずに受ける事になった。
「こんにちは」
「お久しぶりですね。さくらさん」
「えぇ、中々来られなくてごめんなさい」
「色々大変だったんですから。それより、怪我はもう大丈夫ですか?」
「もう、大丈夫。皆いなくなった時は探してくれたりしてくれたって聞いて、心配させてしまってごめんなさい、そしてありがとう」
さくらは頭を下げて皆にお礼を言った。
「そんな、とんでもない。本当に無事でよかった」
「そうですよ。友達なら当然」
「そうそう」
カーロイをはじめ皆が笑顔で頷く。
「あろがとう」
さくらもその笑顔のつられるように笑顔になる。
教会の人達とポスのお誘いがあり、いつもの木の所でゲームをするのだ。
今日は、さくらとの最後の話しが出来る機会かもしれないと言うことでなのか今までゲームをしたメンバ全員が揃っていた。人数が多いため、順番が回ってくるまでの間は皆で談話の時間になる。
「クッキー持って来たから、よかったら」
「こんなに沢山ありがとうさくらさん」
「いいえ」
さくらの初戦は、カーロイ。
「初めての時もカーロイさんとだったね」
「そうでしたね。あの時はルールから教えたのにすぐに強くなって、さくらさんは他の人と少し違う駒の動かし方をするから対戦するのが楽しかったんだ」
「そうなの、知らなかった」
「そうなんだよ。まだまだ沢山遊びたいけど、その時間がないから残念だよ。本当はこれからもゲームしたいけど・・・元の世界に帰っても元気で」
東の庭にてイロナとのお茶の時間。
「初めてお茶したのもここだったわね」
「そうでしたね」
「もう怪我は大丈夫?」
「はい、傷も殆どわからないくらいになりました」
「よかったわ。この国の民があなたを傷つけてしまい本当にごめんなさい」
「えっ!?そんな!??」
突然王妃が立ち上がると頭を下げさくらに謝った。さくらは慌てて自分も立ち上がるとどうしていいかわからず周りの侍女達を見るが侍女達も王妃の姿に驚き慌てている。
「王宮にいながらこんなことになるなんて、ここを預かるわたくしの責任です」
「イロナ様が悪い訳ではないので、もう頭を上げてください。お茶を楽しく飲みに来たんですから」
「ありがとう」
イロナが頭を上げさくらを見ていつもの様に微笑む。
「一度きちんと謝っておきたかったの」
「わたしがのこのことついていったのが悪いんですから」
「いいえ、王宮内に招かざる者を入れてしまったのがいけないのよ」
「それだけ、この国は平和なんですよ」
「えっ?」
「国が平和で安全だとセキュリティなんてしなくてもいいじゃないですか。今までそれで問題なかったのならあれは特別なだけです」
「さくらさんって本当に変わってるわね」
笑いながら言う。
「そうですか?」
「悪い意味ではなくていい意味で、と言う事よ」
「はぁ」
「あちらの世界に帰るのは寂しいけれど、素敵な時間をありがとう」




