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王宮の一室。

部屋は広く豪華だが品のいい家具のため部屋全体が落ち着いた感じになっている。

部屋のソファに座り、一人頭の中がパニック状態と言うより考えが纏らず考えるのを脳が辞めてしまったかのように放心状態になっている人間がひとり。


なんでこんなことになってるの!?昨日は夢だと(思い込もうと)思って寝た(気絶した)のに・・・

朝起きたらなんで昨日の続きやってんのよわたし!


朝起きると、黒の服に白のエプロンという典型的なメイドが着替えの服と言い床に着きそうなくらい長いワンピースに着替えさせられ、別のメイドが朝食を持ってきてくれた。

セールでばかり服を買うさくらですらいい生地を使ってるとわかる高そうな服。

夕食を食べてないためすごくお腹がすいているのを抜きにしても美味しい朝食。

目の前のテーブルに置かれた美味しい紅茶。


ほっぺたをつねっても手をつねっても痛いってことは現実だよね?


「こんなリアルな夢はないよ・・・ね」


自分をつねる・・・まさかこんなベタなことをして夢か現実を調べようとするなんて思わなかった。

覚えているのは、アールヴというかっこいい男の人、あんなイケメンは現実には存在しない(はず)、漫画やアニメの中だけの存在しか知らないし。


部屋に置いたままのお弁当腐っちゃうよね、異臭放って隣りの人の迷惑になるかも・・・それより先に虫が湧いて・・・あぁ!気持ち悪いよ!!

明日の就職の面接どうしよう・・・。


トントン


部屋のドアがノックされる。


「はい」


さくらが返事をするとドアが開かれ二人の男性が入ってきた。

一人は、60代くらいで白のローブ、ローブには金糸の刺繍、もう一人は20代くらいで白のローブ、こちらのローブに刺繍はない。


「昨日お会いしましたがご挨拶できませんでしたので、ご挨拶にお伺いしました。教会の大司教でございます」

「助祭のカーロイです」


六十代の大司教に続き二十代の助祭のカーロイが挨拶をする。 

(ちなみに、大司教は一人しかいないので普段は名を名乗らないらしい)


「えっと、はじめまして、森さくらです」


立ち上がりおもいきり90度のお辞儀をするさくら。

そして、ゆっくりと顔を上げ二人の顔を見るとなぜか驚きと困ったような顔。


こっちでは挨拶の作法が違うのかな?


「さくら様、この度はおめでとうございます」

「おめでとう?」

「はい。王太子妃になられることです。おめでとうございます」

「はい???」


大司祭はお祝いを述べると、さくらの困惑した様子など気にすることなく、結婚することを前提に話し始めた。

婚約を国内外に伝える事、婚儀についてなどを嬉しそうに。


「あの?」

「何でしょうか?」

「話しが見えないのですが?」

「ですから、さくら様が昨日王太子アールヴ殿下と御婚約なされたので、これからご結婚に向けてのお話しをしております」

「・・・ん?」


どうも、この国では未来の王妃選びの儀式は常識らしく、その前提で話しを進められていたためお互い話しがかみ合う訳もなく?マークが沢山浮かぶばかりだった。


つまり、わたしは昨日のイケメンの結婚相手として呼び出されたってこと=永久就職=就職活動終了!やったー・・・って違うでしょ!

最近就職活動ばかりでおかしな考えをしてしまっているよわたし。

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