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捜索 2

アールヴの執務室のドアがノックされると、中からイムレがドアを開ける。


「ラヨシュ様どうされましたか?」

「兄上に話しがあって」

「どうぞ」


ラヨシュが入り、後ろを付いて侍女が一礼をし部屋に入る。


”侍女と一緒?”


「それでは私は失礼いたします」

「イムレ殿、いてください」

「はい」


イムレが部屋から出て行こうとするのをラヨシュが止め、一緒に話しを聞くことになった。


「ラヨシュどうした?」

「兄上、さくら殿の事でお聞きしたいのですが」

「なんだ?」

「さくら殿が見当たらないのですが知りませんか?」

「知らないが・・・また、迷子になったのか?」


アールヴとイムレが顔を見合わせる。


「そうならいいのだけれど、僕が部屋の前を通りかかるとドアが開いていて、中でこの者が一人でいたんです。それで、朝食を持ってきたらいなかったと、それで、一応探してみたんですけどどこにもいなかったんです」

「それで、こちらに来られたと?」

「そう」

「どうしておかしいと思ったのか、状況を教えてもらえるか?」


アールヴが侍女に聞く。


「はい。朝食を持って行ったら部屋には誰もいませんでした。さくら様が朝食時におられないのは初めてでして、部屋を見ますとベットを使ったようには見えなくて、お出かけで帰られないとも聞いておりませんでしたし、それで一人で探したのですが見つからず、部屋に戻ったところでラヨシュ様が来られて、もう一度探したのです」


部屋に居る全員が、訳がわからなく沈黙が流れた。


「元の世界に帰った、と言う事はないだろう」

「何も言わずここを出て行く、とも考えられませんね」


アールヴとイムレがその二つの可能性を否定した。


「取りあえず、もう一度探してくれ。軍以外の者で手の空いてる者を使っても構わない。それと君、他の者ともう一度部屋に何かないか調べてくれ」

「はい」

「はい」


アールヴの支持でイムレと侍女は部屋を後にしさくらの捜索をはじめる。


「兄上・・・」

「取りあえず、報告をまつとしよう」


”勝手にいなくなれば大騒ぎになる事くらいはわかってるだろう、そんなことをするような事はしないだと思うが・・・”


「ところで、なんでさくら殿の所に?」

「暇だったのでゲームでもしようかと、まだ勝ったことないから」

「そうか、強いとは聞いていたが」

「一度くらい勝ちたいし・・・いなくなる前に」

「・・・」

「いずれいなくなるんでしょ?」

「・・・あぁ」


二人の間に沈黙が流れる。



主にさくらの身の回りの事をしている二人で部屋に何か手掛かりがないか調べる。


「洗面台もタオルも濡れてないわ」

「洋服なんかもあるわ」

「昨日の夕食まではいたから、朝、違う、寝る前の間に居なくなった?」

「本当にどこに行ってしまわれたのかしら・・・」


部屋の隅々まで調べるが、荷物はそのまま、暴れた様子もない、二人とも困惑する。



「空いてる人間でさくら様を探してくれ」

「わかりました」


イムレが執事にさくらの捜索をするように伝えると、執事は理由は聞かず手の空いている人間に手早く支持を出し手分けして探し始める。

そして、イムレ自身も捜索する。


「イムレ殿」


宮殿内を歩いていると、後ろから声をかけられ立ち止りふり返るとそこには、カーロイが慌てた様子で早歩きをしながらイムレの所までやってくると、息を整える。


「カーロイ殿、ホルティー殿、どうかされたのですか」

「今朝、ホルティーが言っていたのですが、ラヨシュ様がさくらさんを探していると。王宮内が騒がしいのでまだ見つかってはいないのですよね」

「そうです」


いつもと違う雰囲気に確信的に聞くカーロイに隠しても仕方ないと思ったイムレが迷わずさくらがいない事を見とめる。


「これが教会の敷地に落ちていました。落とした後踏まれたように少しだけ土に埋まっていて。このイヤリングはさくらさんが身につけていた物に似ていたので」

「これは、確かにさくら様の物に似ていますね」

「よく付けられていたので」

「ありがとうございます」



アールヴの執務室にイムレが戻って来る。


「戻ったか。部屋を調べた侍女からは、荷物はそのまま、タオルも洗面台もベットも使った形跡なし、だそうだ」

「こちらは、手掛かりが見つかりました」

「本当か」

「本当に!」


イムレの言葉に座っていたアールヴとラヨシュの顔が明るくなり、立ち上がる。


「これが教会の敷地に落ちていたそうです。殿下がプレゼントした物で間違いありませんよね?」

「間違いない」


アールヴはイムレの手の平に置かれたイヤリングを手に取り確かめる。


「片方だけだったのか?」

「そうみたいです。これも同じ場所に落ちていたらしいのですがご存じありますか?」

「ないな。関係があるのかもわからないが調べてくれるか」

「わかりました。すぐに調べます」

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