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夕食

昼食後、大通り以外の路地裏散策などして夕方馬車で子爵邸に戻る。

アールヴの祖父母が外まで出迎えてくれ、夕食までご馳走になることになった。

王宮には、こちらで夕食を食べて帰る、と使いを出したと言われアールヴが首を縦にふったというわけだ。


着替えるため別々の部屋へ。


「さくらさん、街はどうだった?」

「色々初めて見る物ばかりで楽しかったです」

「それはよかったわ」

「あの、このイヤリングなんですけど夕食に付けてもいいでしょうか?」


さくらがこちらに来たとき、洋服などと一緒にアクセサリー類もそろえてもらったのだが、普段使い物でも豪華な宝石類だったため、貴族が付けているようなイヤリングではないので、失礼にあたらないか婦人に聞いてみる。


「かわいらしい。もちろんいいわよ」

「よかった」

「これホルドね。王家所有の山で採掘されるのだけれど、その採掘時に石や砂と一緒に川に流されたりしたものが王家の土地の外に出て、拾われそれが加工されたりするの」

「そうなんですか」

「イヤリングを付けるなら髪を纏めた方がいいわね。昔は娘達の髪は私がやってたから任せて!」


そう言うと、さくらを鏡の前に座らせ慣れた手つきで後ろに纏める様にさくらの髪を結い上げた。


「出来た。あら、雰囲気が変わっていいわね。お化粧もしちゃいましょう。」

「そこまではっっ」

「舞踏会のような化粧ではなくて薄くさらっとだから」

「それじゃ、お願いします」


断れるような感じではなかったので、半ば強引に化粧をされることに。


「お待たせしました」


さくらと婦人が食堂に来ると男性陣は先に着いていた。


「こっちもさっき来た所じゃ。さくらさん髪型を変えるだけで雰囲気も変わって素敵ですな。なぁ、アールヴ」

「そうですね」


部屋に入ってきたさくらを見たアールヴは頬を赤くし思わず目線を反らしてしまう。さくらは気づかなかったが祖父母はそんなアールヴに気づくと、顔を見合わせお互い小さく微笑む。


「そんなこと・・・ありがとうございます」


今まで言われ慣れてないさくらは瞬間、否定しようとしてしまったがその言葉を飲み込み、顔を赤らめながら目線を下にしお礼の言葉を言う。


個人的な食事だからか円卓のテーブルで座ると食事が運ばれててくる。


「さくらという名前は綺麗な響きじゃが何か意味はあるのかな?」

「薄いピンク色の花を咲かせる木の名前なんです」

「まぁ、素敵な名前ね」


それから、地球の事、さくらの事など色々話したりしながら食事をする。


「おじい様もおばあ様も質問ばかりでさくら殿が困ってますよ」

「それは失礼した」

「あら、つい珍しい話しばかりで、ごめんなさいね」


アールヴが気を遣いさくらへの質問を中断させる。


「とんでもありません。沢山お話出来て楽しいです」


人と一緒に食事するのもこんなに話しをするのも久しぶりだし王太子様の祖父母もとても楽しくていい人達。

こんなに笑ったのっていつぶりだろう・・・向こうの世界に居た頃も忙しくてあまり笑わなくなってたなぁ・・・


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