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「イロナ様も国王陛下に呼ばれたのですよね。いきなりでどうでしたか?」」

「そうね、驚いたわ。まさか自分が陛下の妃になるなんてね。陛下は一度拝見したことがあったのだけれど、お話はしたこともなかったのよ」


イロナはその時の事を思い出しながら"クスクス"と笑みを浮かべる。


「王都に行ってみたいと思っていた願いは叶ったのだけれど、まさか王都に住むことになるなんて思いもしなかった」

「自分の中で結婚はすぐに受け入れられたのですか?」


すごく気になっていたことを聞いてみた。


「受け入れられたわ」


即答の答えに少しびっくりするさくら。


「だって、陛下は優しくて素敵な方だったから、私すぐ恋をしてしまったの。これは子供たちには話したことがないから内緒よ」


本当に幸せそうに話すイロナ。

「はい」

「私やさくらさんの様に予想もしていないのに選ばれる人もいるけれど、中には儀式までパートナーを作らない人達もいるのよ」

「選ばれる可能性にかけるということですか?」

「えぇ。そういう人からは嫌な事を言われたりもしたの」

「嫌な事ですか」

「父は子爵家の二男で、継ぐ財産もないからそれほど裕福ではなくて、住んでいたのは祖父の別宅を借りて住んでいて、勉強や礼儀は学校や家庭教師ではなく母から習っていたの。・・・それで、暗に自分の方がふさわしい、とかね」


含みを持たせた言い方をするあたりきっと、イロナ様は色々嫌な思いをしたりしてきているんだろうな。


「母上」


橋を渡りながらこちらに歩いて来る男性が一人。


「アールヴ、どうしたの?」

イロナがアールヴの方を振り向く。

「父上が呼んでおられましたよ」

「わざわざ呼びに来てくれたの、ありがとう」

「頼まれたので」

「さくらさんとお茶をしていたの。陛下に呼ばれたので行くけど、あなたが私の代わりにお相手してね。それと、きちんと部屋まで送って行ってね。さくらさん、申し訳ないけれど、ここからはアールヴが代わりにお相手するわね。また、楽しいお話をしましょう」


そう言うと、さくらとアールヴを残して庭を出て宮殿に戻ってしまった。

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