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「ところで、何か用事があったんじゃない?わたしが引き止めてしまったんじゃ?」
カーロイが箱の様な物を持っている事に気づき聞いたさくら。
「いいえ、今日は午後から休みで仲間とこのボードゲームで遊ぼうと思って」
「約束があったなんて知らなくて引き止めてしまってごめんなさい」
「時間があったから大丈夫。よかったら一緒に遊ぶ?やり方教えるよ」
「いいの?」
いきなりいいのかな?でも、何もすることがなくて暇だから行きたい。
「もちろん」
さくらとカーロイは教会から50メートルくらいの場所にある大きな木がありそこに木で作られたテーブルと椅子がある場所に向かう。
木の下には三人の男性がおり、皆カーロイと同じ服装をしていた。
「おまたせ」
カーロイが3人に声をかける。
三人はカーロイの隣りにいるさくらを、誰?といった顔で見る。
「こちらは、さくらさん」
「おぉ!」
「あの!」
「異世界から来たという!」
もう、噂になっているんだ。
カーロイが紹介すると皆驚きさくらを珍しい者でも見るみたいにまじまじと見る。
「さくらさん、彼らは僕と同じ助祭の仲間で、左からホルティー、テレキ、ベトレンだよ」
「初めまして、さくらです。突然来てすみません」
わたしっていつの間にか名前だけで通じる人になってるんだ。
「ポスを一緒にしようと誘ったんだよ」
「そうか、さくら様はポスをしたことは?」
ホルティーが聞く。
「ないので教えてください。それと、様付けたり敬語はやめてください」
三人はお互い顔を見合わせたが「わかった」とうなずいてくれた。
最初は他の二組の対戦を見ながら説明をしてもらう。
※ポス
将棋やチェスに似たゲーム。
違いは、取った駒を1個だけ自分の陣地内に戻し使用することができる。
将棋は祖父に教えてもらってよくやってたし、できそう。
「お願いします」
「お願いします」
最初の対戦は、さくらとカーロイ。
「負けました」
「ありがとうございました」
結果、さくらの勝ち。
「初めてしたのにすごいなぁ」
「カーロイは教会の中でも強い方なのに」
「地球にも似たようなゲームがあって昔はよく対戦してたの。楽しかった」
「じゃあ、また今度やろう。大体ここでしてるから」
「いいの!ありがとう」