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部屋に閉じこもっていてもすることがないので散歩。
宮殿内だと迷子になりそうなので外に出ることにした。
どこいこうかなぁ?と、いってもどこに何があるかわからいんだけどね。
とりあえず、窓から見えていた教会の建物に行く事に。
「きれい」
建物は宮殿とは独立していて、白の大理石に装飾があり壮麗だ。
「中に入ってもいいのかな?」
「何か御用ですか?」
扉の前でどうするか悩んでいたらう、後ろから声をかけられびっくりして後ろの声をした方を振り向く。
「あっ、えーと確か、カーロイ様?」
さくらに声をかけたのは黒のゆったりとしたワンピース型の服にベルトをした格好の、先日さくらの部屋に大司教と一緒に来た助祭のカーロイ。
「さくら様!どうされたのですか?」
「散歩です。教会の中って見学できるのかなって思いまして」
「入れますよ。名前に様はやめてください、あと敬語も、僕そんなに偉くないので」
「カーロイさんで、わたしも様や敬語はやめてください」
「えっと、それはちょっと」
「個人的に話している時だけなら?」
「それだったら」
カーロイは扉を開け、さくらを案内する。
中も白の大理石が使われており、ステンドグラスなどで明り取りがしてあり昼間の晴れた日ならその明かりで十分なくらいだ。
「すごい!綺麗」
「そうだね、国の成り立ちをステンドグラスに表してるんだよ」
左右に何枚ものステンドグラスがある。
「男性と女性の描かれている所が最初?」
右奥に、男性と女性の描かれたステンドグラスを指でさしカーロイに聞く。
「そう。守り人とこの地に住んでいた女性の出会い、そこからこの国ははじまったんだ」
そして、描かれた物語の話しをしてくれた。
「守り人ってどんな人なの?」
「王族のご先祖様だよ」
「それはわかってるんだけど、えっと、聞きたいのは、守り人は魔法使いで王族はその力があるから儀式でわたしを呼び出せたか、ってこと」
昨日、アールヴの話しが終わると、アールヴと一緒にラヨシュも一緒に部屋を出たので話しが中途半端で終わってしまい気になっていた事をカーロイに聞いてみた。
「魔法使いは違うかな。守り人は、この大地から生まれ、この大地に愛された者。と言われているんだ」
「人とは違う存在なの?」
「そうなる」
「儀式は何でそんな事出来るの?」
「血の力で行う事が出来るらしいよ」
「血の力・・・」