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まさか断られるとは・・・彼女が悪い訳ではないのはわかったが・・・。
「私は、振られたのか・・・」
別に好きとかいう感情があったわけではないが、不思議な感覚が襲ってきた。
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小さいころから私に女性が寄って来ることはなかった。
母上がプライベートで開くお茶会も同年代の子供が何人もいて一緒に遊んだりしたが、大半が男子だった。それも当然で、私の結婚相手なんてなれないのがわかっているから、そういう目的で親は子供を連れてこないし、自分の子供を売り込むことも必要ない。
学校に通っている時も同じ。
女生徒とすれ違えば挨拶はするし、普通に必要な会話はした。
そういえば、舞踏会でも同世代と踊るより既婚者や未亡人と踊るのが多かった。
むしろ、それは楽だったんだ。
弟ラヨシュとお茶会や舞踏会に出席すると王族と縁を結ぼうとする者達が沢山寄ってきていた。
あれを見ると王太子でよかったと思った・・・本気で
そう考えると、女性とあまり関わって来なかったどころか、結婚予定の相手の事も何も考えて来なかった・・・
どうして、相手が自分の事を嫌がらないと思っていたんだろう?
相手にも選ぶ権利がある、ということを忘れていた。
さて、私はこれからどうしたものか・・・。