地球の危機な訳
『地球が大変?何でだよ』
急な話に困惑しながらも、なんとか受け答えができた。
『うん、実は君の世界の地球から、とある巨体生物が発見されて、その生物が世界を滅ぼす力を持っているわけだよ』
『へぇ、で?俺はそいつを倒せばいいのか?』
『そう、私たち神はそちらの世界に介入してはならないという、掟があってね、そのせいで下界の人たちに頼むしかないんで……ですが、その生物はまだ栄養を蓄えている状態のはず、なので叩くには今しか無いわけだ』
『なるほどね、それで?その生物の特徴は何だ?知っていることを話してくれ』
『まず生物の名前はベリアル、通称星喰、体表は地球と同じくらいの大きさで、そして厄介なのは、星に寄生することだ』
『寄生?なんじゃそりゃ』
『まずその世界で一番強い生物に自分の細胞を送り、それを要として寄生していく、そして生物を経由して、星の中に入り、星を少しずつ食べていく』
『ん?何故経由する必要がある、普通に地殻から食っちまえば良いじゃねーか』
『いや、ベリアルが好物とするのは中にあるマグマなんで、マグマはベリアルにとって、好物であり、自分の力を高める物質でもあるから、嫌でも食べたいはずだ』
『ほー、でもマグマが目的なら、星まるごと食っちまえば良いじゃねぇか、そしたら余計な手間もない』
『うーん、地球で例えると、地球には放射能っていうベリアルにとって有害な物質があるかも知れない、それでマグマだけを食べるために自分の細胞を送るんだけど、さしものベリアルであっても、その星の一番強い生物に、送った細胞を殺されてしまうことがある、なので先に不安材料を消すわけだ』
『なるほど、理解した、それで?止めるために具体的にどんなことをすればいいんだ?』
『まず最初に要を殺してしまうことだね、多分それが手っ取り早い』
『他にはないのか?』
『一応にはあるけど、果てしなく難しいよ?』
『いい、教えてくれ』
もし、もし地球の最強があいつだったら、俺は殺せない、むしろ倒されてしまう。
『他には、ベリアル本体を叩くこと、でもこれは相手がでかすぎるのと、相手が遠すぎてとてもじゃないがほとんど無理だね、それともうひとつ、ベリアルはマグマを食べるわけだけど、食べるときは本体の時じゃないと食べれない、だからベリアルは本体を縮小させて、要と一緒に星の内部に入る、そこを叩くっていう事だけだね、後はどんなことをしても無駄だね』
『なるほど………それだったら、まぁいけるかな?、よし!そうと決まれば善は急げだ、俺を連れてってくれ……っとその前に』
「シノ、ちょっと用事ができたんでな、少し此処を離れる、その間絶対に響ちゃんと一緒にいてくれ、絶対だ」
「う、うん、わかった」
俺が強く言ったら、戸惑いながらも返事をしてくれた、よし、これで安心できる。
「なぁに、一週間後位には帰ってくるから安心しろ、それとこの子達に家事やら、一般教養やらを小町と一緒に教えてやってくれ」
「わかった、任せて」
今度は胸を張って答えてくれた、これで完璧に安心だ。
『メヌ、もういいぞ、連れてってくれ』
『ん?もういいの?それじゃあ飛ばすよ』
その瞬間、俺の体は光り、全ての感覚がなくなった。
…………その光が消えるまで、私は手を振っていた、嫌な予感がする、このまま送ってしまったら帰ってこない可能性もある、だけど私が一緒に行くと邪魔になってしまう。
だから私は信じよう、和馬が無事に帰ってくることを……。
「和馬……頑張ってね」
気が付くと、そこは見慣れた道だった……いや、見終わった場所といった方が正しいのかも知れない。
そこは俺が最後に死んだ場所だった、別にここに何の感情もないが、少し感慨深くなってしまう、だが今はそんなことよりも地球をなんとかしなければ。
『メヌ、今ベリアルはどこのいる?』
『………………』
『メヌ?』
メヌからの返事がないので、聞き直してみると、直ぐに答えてくれた。
『ごめん、どうやら地球はもう手遅れみたいだ』
『手遅れ?どういうことだ?』
『今の地球の核のマグマ量はもう星として生きていけないほど少ない、しかも、この世界の人達ももうほとんどいない、今確認できるだけでも一人しか生きていない、これはもう星としては終わりだ』
『なるほどね、もう手遅れだからベリアルを倒す必要は無いってか?』
『そうだね、もうこの星は破棄した方がいいかもしれない、だけど、なんとかしてあげたかったなぁ、あと後もう少し速ければ救えたはずなのに……』
メヌの声には諦めにも似た、悲しい声を出しながら言った、だがここで俺はどうする?帰るか?嫌だね、絶対に帰らない。
だが戦ってどうする?倒しただけか?そんなのはお断りだ!
どうせなら、全てを救って帰る、その為には俺はどんな方法も使うし、なんと外道も言われてもやりきってみせる。
ま、ここはメヌに感謝の気持ちを込めて、この星を助けるとしよう、生憎、この星はあまり好きではないがね
『待てメヌ、まだこの星は棄てるに速いぞ』
『どうして?もうこんなボロボロなのに、助けられるわけがないのに、無駄なのに、この星を助けてくれるの?』
『そうだなぁ、別にこの星を救いたい訳ではない、むしろ壊れてしまえとも思っている、だがな、俺はまだお前に恩を返していない、与えられたものは、しっかり返す男なんだよ、俺は』
『で、でも……』
『うるせぇ!救うと言ったら救う、これはもう決まった事だ、ということで、メヌ、敵の居場所を教えてくれ』
『は、はい!』
よし!これでこれからの目処はたったが……ベリアルはどうやら星よりもでかいらしい、まぁ、それはあまり重要じゃない、むしろ今必要なのはその要の存在だ。
もし敵があいつだったら剣では絶対に勝てない、違う武器を使わなければ勝てないだろう、しかし、あいつに勝てる武器といえば……
『ま、これしかないだろうな』
俺は倉庫の中を確認し、直ぐ取り出せるよう、準備する、ま、これを使わないのが一番いいんだがな。




