決着する訳
俺は地面に刺さっている武器をヴァーンに向けて射出する、だが、ヴァーンは上手くそれをいなしたり、避けたりしている、ふぇぇ…当たらなすぎだよぉ…
今、ヴァーンの周りには数百とゆう弾幕が張ってあるのだが…意味は無いようだ
「オラァァァ!」
「危なっ!」
間一髪の所で避けられたが、ヴァーンの拳が俺のこめかみに当たってしまう…ヤバイ、頭がクラッとする、クソッ、少し掠っただけで脳震盪が起きるのかよ…
このまま連続で殴られないために、距離を取る、さて、どうするか…俺が勝つためには力も速度も防御力も足りない…今は桜花の効果を切っているが、使ってもまだ足りないだろう、ならば、どうするか…まぁ決まってるけどな
狂気の殺人者…俺の才能を恐縮したスキル、これを使わないと多分勝てない、だが、これを使っても俺は正気でいられるか分からない…だけど、今の俺が使いこなせるスキルはこれしか無いだろう
ならば使おう、俺は勝利するためには何でも使う主義だが…鑑定ちゃんはいやがるだろうなぁ…まぁ後で謝ればいっか!
「モード…ジャック・ザ・リッパー!」
その言葉を言ったとき、俺の影が俺を包む、いや、襲いかかるといった方が正しい、この影は俺を試しているのだろう、この影に飲まれるか、飲まれないか、ならば俺はそれを耐えよう、この勝負に勝つために!
少しの時が経ち、影の勢いが無くなる、どうやら俺は耐えれたみたいだな…
「やっと終わったかい?それなら始めるぞ!」
ヴァーンが俺に語りかけてくる、あれ?待ってたの?うそぉ…
「別に待たなくても良かったぞ?一応あの状態でも動けるし」
「いや、お互いにベストな状態でやらないと意味が無いだろ?それで相手が強くなっても正面からぶっ叩けばいい」
「成る程ね…それじゃあ、待って貰ったし、先にどうぞ?」
俺はヴァーンに先制を譲る、いやー…待って貰ったからなぁ…先は譲らんといけないでしょ?
「お!、それじゃあ遠慮無く…行くぜっ!」
ヴァーンは俺に突進してくる…多分避けても殴られるので、受け流す
俺は空いた隙を見てヴァーンを殴り飛ばす、だが、ヴァーンもこの攻撃は見切ったらしく、簡単に避けられてしまう…そういやさっきから俺って防御しかしてないか?そろそろ、仕掛けようかな
俺は右手に短刀を、左手にナイフを持って構え、ヴァーンに切りかかる、ブラフを混ぜ、何回かヴァーンに当たるが、筋肉が硬すぎて切れない…おうふ…硬すぎ…
仕方が無いので、少しだけ技を使ってみようと思う…さっきからただ切り付けることしかしてなかったからな…
「覇流、短刀の型、刹鬼!」
「グッ…」
俺は短刀の型、刹鬼を使う、刹鬼は高速に連続で切りかかる技だ、今回は四連続で切ったが、効果はあったようだ、僅かながらヴァーンに傷が付いてるが…浅いな…
「ちょっと硬すぎやしません?」
「グッ…鍛えるしか能が無いからな…それにしても何だ?さっきの…八回ぐらい切られたと思うが…」
「それは俺の企業秘密なんでね、教えることは出来ませんよっと」
俺は短刀とナイフを倉庫にしまい、太刀、【晩鐘】を出す、【晩鐘】の長さは三メートル、普通の人なら使えないと思うが、俺なら使える、【晩鐘】は俺の持っている武器の中でも最上位の存在だ、終末剣ラグナロクはただ切れ味に特化している剣だとしたら、この【晩鐘】は特殊効果に特化していると言えるだろう、勿論、切れ味もあるがな
「おっと、また武器を変えるのかい?全く…戦闘スキルの幅が広すぎやしないか」
「へ!この位出来ないと世界最強なんて名乗れねぇよ!」
「む、世界最強を名乗るとは…世界最強は俺だぞ!」
あらら…闘志が爆発しちゃったみたい…ま、ちょうど良い、そろそろヴァーンにも本気を出して貰わないとな!
「だったら、俺に全力を見せてみろ…まだ本気じゃ無いんだろう?」
ヴァーンは物凄く驚いたようなリアクションと顔をする…そんなに驚いたの!?
「……分かった、お前も本気を出してくれているんだ、俺も出さないと失礼だよな…」
そう言いヴァーンは少しだけ距離を取る、来るか!
「我が手に集え、闘志の奔流、見る物全てを灰燼とする、原初の竜よ、その力を我が身にに宿せ!バハムート!」
その瞬間に、ヴァーンの体が変わった、さっきまでは人間に少しだけ鱗が有っただけだったが、今は角が生え、体長が三メートルほどになり全身に鱗が覆っている、その姿は、二足歩行する竜のようだ…
「原初の竜、原初の竜を体に移す、元々亜竜種ってのはこの原初の竜、灰燼竜バハムートの子孫なんだが…バハムートの後の世代からどんどん血が薄くなったんだが…俺は原初返りって奴でな、バハムートの力がそっくりそのまま使えるんだが…この状態になると、見た目が変になるんだよ…元々の姿でも力を出せないか練習しているんだが…まだまだ道は長いな」
「いやいやいや、別にその状態でも良いでしょ…何で元の姿にしたいの?」
「この状態だと角が邪魔で頭突きが出来ないし、鱗が邪魔で少し動きづらい、しかも体長デカくなるから相手の攻撃を当てずらく、相手の攻撃を受けやすい…長所は少しも無い…こんな状態でも前よりは強いから普通に成るんだけどな」
「成る程ねぇ…ま、それじゃあどっちも全力を出すところを見せた所で、それじゃあ…やろうか」
俺は【晩鐘】を構え、ヴァーンは拳を構える、それぞれの構えをし終わったとき、戦いが始まる…まぁ、先手は譲ってあげよう、さっきのお返しだ
「お先にどうぞ」
「それじゃあ遠慮無く」
ヴァーンは…なんだ?掌をこっちに向けて…ッ!まさか!
「ブラスト!」
「チッ!」
俺は【晩鐘】で打ち出された光線を斬る…おいおい、いきなりですか…いや先にどうぞって言ったの俺なんだけどね
「あれー…拳が主攻じゃなかったけ?」
「まぁ、それもそうなんだが…こっちの方が面白いだろ?」
ヴァーンはけらけらと笑いながら言う…むかつくなぁ
「にゃろう…遠距離攻撃が出来るとか聞いてないぞ…」
「言ってないからな」
至極当然の事を言われた…ぐぬぬ
「畜生め…ってうわ!」
今度は一気に距離を縮められて殴られそうになる…
「ホラホラ、どんどん行くぞ」
むかむか…俺のフラストレーションが溜まっていく…頭はじき飛ばすぞ?
「…あんまりなめてかかるとねぇ…痛い目合うよ?」
「だったら速くその痛い目に合わせてくれよ」
うっわー…ドMかよ…ま、やられっぱなしも性に合わないので、さっさと反撃しますか
「おらよっと!」
俺は【晩鐘】の効果の一つ、〔絶対切断〕を使う、絶対切断とは、言葉通りの意味で、何でも切れると言っても切れるのは晩鐘の刀身が届く範囲だけどね
「へっ?」
はい、少しだけ時を切りましたとさ、ヴァーンにとっては一瞬で俺が後ろに回ったと思うけどな
「〈覇剣技〉五の型…斬魔剣」
「うわっ!…あぶねぇ」
「ほらほらもっと行くぞー!」
「あ、むかつく」
「さっきの仕返しだ」
「ぐぬぬ…」
俺は、とある技を使うために、剣を上段に構え、剣先を相手に向ける
「〈覇剣技〉七の型、伊吹」
「んなっ!何で動いてねぇのに切られたと感触があるんだよ!?」
「それがこの伊吹の効果だ、てか硬すぎだろ、どんな肉体してんの?」
「そらぁ…竜だからな…でも竜に傷を付けるって凄いと思うんだが…」
「アホか、普通のドラゴンだったら首が吹っ飛んでるからね?一応この長さだからね?」
俺は手に持つ【晩鐘】を見せる、長さ三メートルの太刀でさっきの技を出したら、だいたい切れるはずなんだけどなぁ…
「まぁ…確かに…でもバハムートの鱗を切るとかおかしいだろ…そう簡単に切れるもんじゃねぇぞ」
「あ、そんなの?だが切れるもんは切れる!たとえどんな存在でも切れると分かったのなら切るまでだ」
「成る程ねぇ…」
ヴァーンが納得している所悪いが、取りあえず切りかかる、だって隙だらけですもん
「クッ!」
「戦いの途中によそ見は駄目だと思うよ、だってほら、こんな目に合う」
「確かにな、おらよッ!」
俺はヴァーンの攻撃に当たらないよう、斬り掛かる、だが互いに決定打を出せないまま少しの時が経ち、ヴァーンが俺に仕掛けてくる
ヴァーンが俺に近づき、拳を振りかぶる
「埒があかねぇ!、くらえ!メテオパニッシャーッ!」
「なに!?」
ヴァーンが拳を振り切った瞬間、ヴァーンの拳が輝き、俺は殴られる
「グホッ!」
直前で少し距離を取り、少し掠ったが…それだけで多分、肋骨が2、3本折ったいてぇ…
俺は何とか立ち上がり、【晩鐘】を構える、…こりゃあモードジャックザリッパー使ってなかったら死んでたな…何とか避けれたが次来たらやべえなぁ…
「これでも倒れないのか…今のは倒したと思ったんだがな」
「へっ!これ位で…倒れるかよ、まだこのモードに慣れていなかったが…今やっと理解した…このモードを」
俺はさっきまでジャックザリッパーの力を肉体強化だけだと思っていたが、どうやら他にもあるようだ
「へっ!さぁここからだ…ここからが見せ所だ」
「それじゃあ見せて貰おうじゃねぇか」
そう言い、またさっきの攻防が繰り返される、だが俺はさっきのダメージが残っていて、なかなか攻撃に移れない
「ブラストフィスト!」
「クッ!六の形、破竹」
俺は〈覇剣技〉六の形破竹で、ヴァーンの攻撃を相殺する…ヴァーンは技を使い、少し隙が出来ている…今だ!
俺は破竹で踏み込んだ右足を軸にし、左足で回転しながら踏み込む、このモードで出来る技…それは!
「影死断絶!」
「グハッ!…ゴホッ…」
ヴァーンは何故だと言う顔をしている、それもそうだ、なんたって急に肩から股関節まで斜めに切られているのだから
「影死断絶は影を切る剣技、回避は難しいぜ」
「…クク…成る程な…道理で切り払った場所がやけに下だと思ったわ、ふぅ、これほどの傷を負うとは、久しぶりだな」
「俺もだよ、もう腕を上げるのが結構辛いんだぞ?」
俺は自分の体を見る、至る所に殴られた跡があり、肋骨に至っては折れている、もう呼吸するのも辛い、こんなのは久方ぶりだ
「そうか…互いに致命傷を負っている、多分俺もお前も次の一撃で限界だろう」
多分ヴァーンは俺と同じ事を考えているだろう…こんなのは熱血っぽくて嫌だがまぁ、これしか決着を付けられないしな…仕方ない
「そうだな…多分次に、一撃を放ったら俺はぶっ倒れると思う…ならば!」
「「次の一撃に全てを掛ける!」」
俺は、このモードで出来る、奥義を出す、〈覇剣技〉の方でも言いが…あっちは広範囲過ぎるからな、こっちの方が良いだろう
「いくぜ!灰燼竜の咆哮!」
「モードジャックザリッパー限定奥義!黒死羅生斬
ヴァーンは白い光線を出し、俺は黒い斬撃を出すお互いの攻撃が重なった時、エネルギーが相殺しきれず爆発を起こした
起こり上がる砂埃、それが晴れたときに立っていたのは…
「ゴホッ!あー…死ぬかと思った…てか強すぎたろあの光線…」
立っていたのは十六夜和馬であった




