5 今度の龍は黒
巫女side
「!?た、大変です!」
「どうされましたか巫女様!」
「ダンジョンの光明神殿が消え・・・そして・・・そして・・・ッ!あ、新たな魔王がたった今・・・たった今!生まれたのですッ!」
「な、なんですとッ!?い、今すぐ教皇様に知らせて参ります!」
そう言うが早いか側近の教徒は一目散に走って行きました・・・
「はぁ・・・なんでこんなときに新たな魔王なんか・・・」
私のユニークスキルの《危険探知》により齎された結果により私・・・巫女ことファラ・レーランは思わずため息をついてしまいます。
常に品格を求められる巫女の仕事ですが、こんな時ぐらいはみんな許してくれるでしょう。
何故あのダンジョンが消えたときに魔王が・・・
あそこが消えると今までダンジョンから漏れ出る魔力によって近寄ってこなかった魔物が溢れてこの国に攻め込んできてしまいます・・・
私はため息をつきながら望遠の鏡台を操作しこの国にある100年前に英雄となった魔人の巨象を眺める。
この巨大な像にはいつも圧倒されます。
実物大で作られたという魔人の像なのですが、もしそれが本当だとしたら100年前はドラゴンより大きい魔人が居たことになってしまいます。
・・・まあ、例えそうであっても驚きませんが。
英雄ですし。
いえいえ今は現実逃避をしている暇はありません。
魔王に対する対策を考えなければ。
はぁ・・・英雄リョウ様、私は一体どうすれば・・・?
◆ ◇ ◆
フィーニside
「次はどうしようかな・・・う~ん。とりあえず近くにある街を目指そうかな?」
確か街は前に聞いたよな。
ダンジョンから北東に向かえば街があったはず。
あ、でもここって人間にとっては結構危険な森だったよな?
だったらここで魔物を何体か狩って街で売ろうかな~
よし。決まったなら早速・・・
空間属性を使った魔法、―――――空間探査―――――
これにより俺を中心とした半径1キロメートルの範囲の空間内に存在する生物全てを知覚することが出来るようになる。
・・・お。あいつ魔力反応がなかなかデカいな。
よし狩ろう。
一狩行こうぜッ!
ヒャッハー!
パァァンッ
俺は音速の壁を突き破りながら森を駆け抜ける。
途中何回か魔物を轢いたのでそいつらはそのまま空間収納に直行だ。
木が薙ぎ倒され粉々になるような音を聞いたような気もするが気のせいだろう。
うん。
きっとそうだ。
空耳に違いない。
・・・さぁて!獲物は何処かな!?
お!居たぞ!
あいつは・・・大きさと魔力量から見て龍か?
しかも初めて見る個体だな。
鱗が黒いのは初めてだ。黒龍っていうところか?
鑑定しよう。
***
名前・カライ
種族・黒天龍(143歳)
レベル197
攻・400000
防・500000
敏・450000
魔攻・550000
魔防・430000
魔力・4930000/4000000
『スキル』・四元魔法Lv10・咆哮Lv10・威圧Lv10・人化Lv‐‐・剣術Lv10・槍術Lv10・弓術Lv10・魔力支配Lv10
・・・
・・
・
etc
『ユニークスキル』・龍魔法Lv‐‐・ブレスLv‐‐・混龍ブレスLv‐‐・龍眼Lv‐‐
属性
・焔・水・嵐・地・暗黒・龍魔法(特殊)
称号
《龍種最強(仮)》《暗黒魔法師》・・・etc
***
ふーん。
こいつ黒天龍とか言うのか。
・・・弱すぎじゃね?
いや、まあ普通からしたら強いんだろうけどさ。
でもこいつ狩ってもな~、あんま意味ないしな~。・・・よし。こいつを育てよう!
俺はこいつと、〇ケモン〇スターになる!
・・・はい。すみません。
ということで気を取り直して早速モ〇スターボールを投g(((殴
いっけぇぇぇ!ピ〇チュウ!10〇ボルト(((殴。ボルテ〇カー(((殴
あ、でも闇か。・・・じゃあ、ダー〇ホール(((殴 からのナイ〇メアで削っt(((殴 最後にユ〇クイ!(((殴
うんうん、やっぱこれだね。・・・ロッ〇のトッ〇(ボソッ)
≪おい、お前。さっきからなにをしている≫
「お、喋った喋った。まあ、念話あるし当たり前っちゃ当たり前なんだけどね」
≪ほう・・・人族の分際でこの我にそんな口調とは良い度胸だな・・・≫
「だろ?さすが俺」
なんかこいつ煽りたくなってきた。
≪な・・・≫
「てか、ちゃんと喋れたんだな。言語を理解できたことにまず驚いてやるべきだったな。すまん」
≪な・・・なんだと!貴様・・・人族の分際で我にそのような・・・そのような暴言を吐くとは・・・許さんッ!≫
そう言うとその巨躯には似合わないスピードで突っ込んできた。
俺はそれを確実に目に捉えながら余裕綽々で呟く。
「おーおーじゃあ、頑張ってねー・・・死なないよう・・・にッ!」
≪なッ!≫
俺は言葉を発しながら少し脚に力を込め、こっちに突っ込んでくる黒天龍に向かってそのまま直進する。
するとフィーニの姿が忽然と消える。
そして次に現れたのは直進中の黒天龍の頭があと数秒後に通過するだろう空中だった。
黒天龍はそのまま突っ込んでいき・・・そして地面を砕きながら土に顎から順に頭をめり込ませた。
無論、フィーニが殴ったのだ。
「ありゃ?思ったより力が強くなってる。え、どうしよ。死んでないかな、コイツ」
30%ぐらいの力で。