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「うわぁぁああっ! 悪魔だぁあっ!!」


 かん高い叫び声と共に、目の前が赤く染まる。


「迎え撃て! 怯むんじゃない!」

「“ゼルダ”だ! 並の公司なんかじゃないぞ!!」


 無数の男たちがどこからともなく現れ、物騒な武器を手に、大きな円を作る。

 誰もが飛び込むのをためらい、一定の距離を保つその中心には、ひょろりとした青年がひとり、立っていた。

 清潔感のある白いシャツに、たった今浴びたばかりの赤い染みが、じわじわと残酷に広がっていく。

 深緑色の瞳孔のない目が、じっとその場に居る人々を見回した。

 鍛え抜かれた厳つい体を持った大人たちは、華奢な若者に銃を向け、ただ固唾を呑んで見つめている。

 青年を睨みつける人々の目つきは強い憎しみに燃え、しかしその瞳は華奢な青年を前に、完全に怯えきっていた。

 雨上がりのような澄んだ空気が張り詰める中、青年はゆっくりと体を揺らし、その虚ろな目を赤く染めていく。

 青年は細い指で頬を伝う水滴を撫で、そして一言呟いた。


「すいません、死んでください」





            Artificial children


             ~造られた子供たち~




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